Roseliaの“これまで”を音楽を通して辿る 現時点の集大成を飾った『Episode of Roselia』DAY1レポ

Roselia、“これまで‘を辿るDAY1公演

 一連のVTRを終え、新衣装に着替えたメンバーが再びステージに登場。後半のスタートにぶつけてきたのは「LOUDER」だ。「ガルパ」のストーリーに合わせて2020年2月に開催されたライブ『Rausch』を最後にライブでは披露してこなかった同曲。劇場版の中で同曲が披露されたこともあり、この日のライブでも演奏されたのだろう。

 まさかの選曲に、観客からは驚きの声が多数あがった。そんな驚きの表情を横目に、まとまったパフォーマンスを見せる5人。2年ぶりのライブ披露とは思えないほどの完成度の高さを見せてくれた。この日のライブ後、Twitterトレンドに「LOUDER」がランクインするほどに大きく話題を呼んだ。

 ここまで記したとおり、この日のライブは劇場版ストーリーにある程度準ずるセットリスト。「LOUDER」が披露されたということは、その後に続くのは「Neo-Aspect」「Song I am.」の2曲だ。

 3曲ともにハイトーンで力強いボーカルが軸となる難しい曲だが、立て続けに披露しても見事に歌いきる相羽あいなの歌唱力・喉の強さには驚かされる。

 そこからさらなる難曲「FIRE BIRD」が披露される。ギターリフ、鍵盤の音色、タメを活かしたアンサンブルとドラマティックな曲構成となった同曲でも、彼女のロングトーンを活かしたボーカルが炸裂。オレンジ色の火柱も楽曲を彩り、この日いちばんのパフォーマンスを見せてくれた。

 ラストスパートとして『BanG Dream! Episode of Roselia Ⅰ : 約束』エンディングテーマの「overtuRe」、そして「ZEAL of proud」の2曲で本編を締めた。最後はスッと伸びたクールな佇まいで演奏し、時折カメラに向けて笑顔を見せる5人。安定感を増したアンサンブルと表現には、これまでに培ってきた経験が見て取れた。

 「キャラ設定をくずしちゃいけない!!」後編パートでまたひとしきり笑わせてもらうと、すっかりライブ会場は暗くなっていた。アンコールの1曲目は「ONENESS」、最後にはこの日ライブ初披露となる「ROZEN HORIZON」でバッチリと締めてみせた。

 曲数にすればトータル14曲。雨による影響でグッと低い外気温のなかでのプレイは彼女らにとって初めてだっただろう。時折カイロで手元を温めるメンバーもいるなか、楽曲通りのパワフルなサウンドを力みすぎることなくしっかりと表現。そして、相羽あいなの安定感ある歌唱とロングトーンをバッチリと決める圧巻のステージだった。

 劇場版アニメのストーリーに沿いながら見せてくれたのは、Roseliaという物語の濃密さとも言えよう。『バンドリ!』やRoseliaを追いかけるファンなら気が付くように、劇場版2作は「ガルパ」で初めて描かれた内容を踏まえつつ、一部改変したストーリーとなって紡がれている。

 初期の流れを知っているファンにも新鮮さがあり、新しい解釈でRoseliaの楽曲を楽しむことができるのだ。

 絆・感謝・誇り、そのどれもが彼女らの物語には欠かせない。それらのエレメントが、新しい輝きとなり、このライブでは表現された。“これまで”を辿る集大成にふさわしい一夜であった。

■セットリスト
M0 雨上がりの夢/湊友希那
M1 Proud of oneself
M2 BLACK SHOUT
M3 Re:birth day
M4 約束
M5 “UNIONS” Road
M6 LOUDER
M7 Neo-Aspect
M8 Song I am.
M9 FIRE BIRD
M10 overtuRe
M11 ZEAL of proud

EN1 ONENESS
EN2 ROZEN HORIZON

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