Roselia、攻めの姿勢を崩さない“王者”の風格 最新作『ROZEN HORIZON』で告げる第二章の幕開け

Roselia、攻めの姿勢を崩さない“王者”の風格

 5月18日にリリースされたRoseliaの最新ミニアルバム『ROZEN HORIZON』は、活動6年目を迎えた彼女たちにとって真の意味での“第二章の幕開け”にふさわしい1枚だ。

 2021年のRoseliaは前半に劇場版『BanG Dream! Episode of Roselia I:約束』、劇場版『BanG Dream! Episode of Roselia II:Song I am.』と2つの新作劇場作品を公開したほか、6月末には両作品で使用された楽曲を集めたミニアルバム『劇場版「BanG Dream! Episode of Roselia」Theme Songs Collection』をリリース。8月には劇場版『BanG Dream! FILM LIVE 2nd Stage』が公開され、それにちなんだSingle『劇場版「BanG Dream! FILM LIVE 2nd Stage」Special Songs』も発表されている。『BanG Dream!(バンドリ!)』というコンテンツにとって大きな節目を迎えただけではなく、リアルバンドとして長きにわたり活動するRoseliaにとってもひとつの節目といえる1年だったのではないだろうか。

 そんなRoseliaにとって、2022年最初のCD作品となるのが今回の『ROZEN HORIZON』。4曲のオリジナル楽曲に加えて、4つの異なる形態それぞれに1曲ずつ収録されたカバー曲の計5曲で構成された1枚だが、今作からはさらに高いステージに挑む彼女たちの“覚悟”が伝わる内容だと断言できる。

Roselia「Sprechchor」楽曲MV(フルサイズver)

 オープニングを飾る「Sprechchor」と3曲目「THE HISTORIC...」は、それぞれスマホゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』のバンドストーリーとリンクする形で制作。昨年から今年にかけて同アプリ内で配信され、バンドリーマーたちの間で話題となっていた2曲だ。サウンド的にはこれまでのRoseliaらしさを踏襲しつつも、より深みを増した印象が伝わり、バンドとして次のフェーズへ突入したことが窺える。中でも「Sprechchor」に関して言えば、シンプルに勢いや激しさで熱量をぶつけるのではなく、内側からふつふつと沸き上がってくるような表現方法は“王者”の風格に相応しいもので、〈変わることは 終わることじゃなくて 変わり続けることで 始まってゆく〉といったフレーズからも決意めいたものが伝わる。

 また、「THE HISTORIC...」も従来のRoseliaナンバーとイメージが重なるものの、若干テンポを落とすことでサウンドの重量感が伝わる形に。相羽あいな(湊友希那役/Vo.)の歌声がディープに響く中、工藤晴香(氷川紗夜役/Gt.)、中島由貴(今井リサ役/Ba.)、櫻川めぐ(宇田川あこ役/Dr.)、志崎樺音(白金燐子役/Key.)によるコーラスや掛け合いが加わることで、楽曲全体に厚みを与える。ボーカル、コーラス、演奏の三位一体で生み出される極上の世界観は、“これぞRoselia”と断言できる仕上がりだ。と同時に、〈まだ見ぬ最上へと 行きましょう〉や〈私達の音楽は(揺るがず)変わらず〉といったフレーズを含む歌詞も、「Sprechchor」同様に新たな一歩に対する所信表明と受け取ることができる。“王者”の地位を獲得してもなお最上を目指し、守りに入らない姿勢はいかにもRoseliaといったところだろう。

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