日向坂46、三期生期別楽曲「ゴーフルと君」の“マブダチ感” バランスの良い4人が表現する青春の形

日向坂46 『けやき坂46ストーリー ~ひなたのほうへ~「小坂菜緒」』予告編

 そして彼女たちの魅力をより引き出しているのが、頃安祐良監督。けやき坂46時代の初主演ドラマ『Re:Mind』に監督の1人として参加したことから、『ひらがな推し』(テレビ東京/現『日向坂で会いましょう』)での加藤史帆初監督作品『きくちゃんの愉快な旅』や、1stシングル『キュン』に収録された「けやき坂46ストーリー ~ひなたのほうへ~」といった特典映像を制作。さらに、東京ドーム公演『3周年記念MEMORIAL LIVE ~3回目のひな誕祭~』で流れた、本公演までの軌跡を辿るオープニングムービーと、「JOYFUL LOVE」の映像監督を担当するなど、日向坂46の歴史とメンバーを熟知した人物だ。

 ただ、頃安監督が日向坂46のMVを監督するのは、意外にも今回が初めて。MVは青春学園ドラマ風の装いで、自身が描いた漫画をクラスの男子に揶揄されて落ち込む山口を、漫画の登場人物に扮した3人が元気付けるというドラマ仕立ての内容だ。

 普段はツンデレキャラの山口を主役に置き、シュールなコスプレで可愛らしさ全開の3人が、彼女の満面の笑みを引き出す流れはファンにとっては嬉しいポイント。また、コスプレした3人が廊下で先生に叱られているシーンでは、こっそり覗く山口に明るくアピールする髙橋、ニヤニヤと含み笑いをする森本、叱る先生を見つめる上村という彼女たちのキャラを把握した演出が光る。屋上シーンでの仲の良い雰囲気、ラストの「今日はどこに行きましょうか」「はるよんち!」という自然な会話もまた、普段の4人の関係性が表れていると感じた。彼女たちの素顔を見てきた頃安監督だからこそ引き出せた魅力とも言えるだろう。もちろん、いりぽん振り付けのコミカルなダンスも、漫画の書き割り背景とも相まって、彼女たちが放つ楽しい空気感を増長させていた。

 4月24日放送の『日向坂46の「ひ」』(文化放送)にて、東京ドーム公演を配信で見た濱岸ひよりが、「三期生がすごいなと思いました。あの東京ドームであの人数であんなに堂々とできるのが、めちゃくちゃすごいなと」と真っ先に三期生について述べ、佐々木久美と河田陽菜も彼女たちの成長ぶりに感動したと語っていた。その成長ぶりが、この楽曲で形となったと言えるのではないだろうか。

 今回のシングルは、一期生は長年を共にした同志としての和気藹々さ、二期生は仲間たちとの力強い絆、三期生は同級生のような仲の良さ、それぞれの青春の形を見事に表現した作品となった。

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