AKB48 本田仁美&村山彩希&向井地美音が実感するグループの変化 技術を磨きながらアイドルとして目指す最終目的
AKB48が、5月18日にニューシングル『元カレです』をリリースした。MVやダンス動画が大きな反響を呼び、『日本レコード大賞』優秀作品賞を受賞した「根も葉もRumor」に続く今作。センターを務める本田仁美は「元カレです」について「『根も葉もRumor』がすごく話題になったので、それ以上のものを作る難しさはありますし、前作を超えることが一番の課題」と語った。その課題と向き合った表現について、また「根も葉もRumor」がもたらした意識の変化やAKB48がアイドルとして目指す最終目的について、本田、村山彩希、向井地美音に話を聞いた。(編集部)
AKB48が新しい姿を見せようとしている
――去年、AKB48の冠番組(『乃木坂に、越されました〜AKB48、色々あってテレ東からの大逆襲!〜』)が放送開始からわずか1クールで休止になり(本年1月よりリニューアルして再開)、シングルは1年半もリリースしていない状況が続いていました。柏木由紀さんがインタビューで「この数年は頑張りたいけど、何をどう頑張ればいいか分からない状態が続いていた」と言っていたように、不安定な状況だったと思うんですよね。
向井地美音(以下、向井地):そうですね。私も危機感がすごくあって、ずっと暗闇の中にいるような感じでした。
――ところが、前作「根も葉もRumor」のMVやダンス動画が大きな反響を呼び、『日本レコード大賞』では優秀作品賞を受賞しました。ここにきてAKB48の勢いが戻ってきた印象を受けるんですけど、皆さんはどう感じていますか?
向井地:一番大きいのはグループ内の変化ですね。「根も葉もRumor」によって、みんなでひとつのものを作り上げる意識が強くなりました。
村山彩希(以下、村山):そうだね。これまでは楽曲の振り付けなどを個々のキャリアとか、対応力を生かして、短いスケジュールの中で取り組んできたんです。時間をかけてひとつのものを作り上げたのは「根も葉もRumor」が初めてでした。しかも、ロックダンスという初挑戦のジャンルに全員でゼロの状態から取り組んで。みんなで同じ苦労や辛さを共有したからこそ、その成果が形になった時の感動がすごかったです。
本田仁美(以下、本田):みーおんさんが言ったように、個人戦というより団体戦としてみんなでひとつのものを作り上げていく意識が高まったのを感じます。あとは周囲の方や世間の皆さんからも、「良い意味で変わったね」と言われることが多くなりました。
――本田さんの言う通り、世間の認識が変わった気がして。ケンドーコバヤシさんもラジオで「今のAKB48をなめてたかもしれない。『根も葉もRumor』の動画を見たんやけど、この子達はとんでもないことをしてるぞ! 人間の身体能力の限界を遥かに超えてる」と言ってましたよね。
村山:『アッパレやってまーす!』(MBSラジオ)の時ですよね! ケンコバさんは「根も葉もRumor」を絶賛してくれていて。ケンコバさんに影響されて共演者のアンガールズさんも「動画を見て、みんなのダンスのすごさが分かったよ」と言ってくださったんですよ。ちなみに、田中(卓志)さんはひぃちゃんのことを「すごいヤンキーだ」と(笑)。
本田:えーっ!
向井地:「髪色が明るい人は全員ヤンキーだ」と言ってたよね。
村山:そうやって話のネタにしてくれたのも、ありがたかったです(笑)。今回の新曲「元カレです」を歌番組で披露した時も「すごいパフォーマンスだった!」と言ってくださって。それが本当に嬉しかったです。
――そんな注目を集める新曲「元カレです」のセンターに本田さんが選ばれました。選抜発表を受けて、向井地さんと村山さんはどう思いましたか?
向井地:ひぃちゃんが初めてセンターに抜擢されたというのは、AKB48が新しい姿を見せようとしている一番の表れだと思うんです。振り付けに関しても「ひぃちゃんをイメージして、K-POP風なエッセンスも取り入れた」と先生がおっしゃっていました。
村山:ひぃちゃんがセンターと聞いて、今までとはガラッと変わるだろうというのが最初の印象でした。新しいAKB48を見せられると思ったのと同時に、私も頑張ろうと気が引き締まりましたね。
本田:お二人の言葉は本当に嬉しいです(照)。こういう話って、普段は聞けないんですよ。
向井地:ひぃちゃんが戻ってきてくれたから今のAKB48があると思います、本当に。この曲が成立するのもひぃちゃんのおかげですし。
――改めてセンターに選ばれた心境はいかがですか。
本田:12歳でグループに入った時は、選抜メンバー……ましてやセンターというのは手の届かない雲の上の場所だと思っていて。そんなポジションに自分が立たせていただけることは、言葉にならないくらい嬉しい気持ちになりました。
――「根も葉もRumor」で高い評価を受けてからの「元カレです」なので、センターを務めるプレッシャーも大きいと思います。
本田:そうですね。やっぱり「根も葉もRumor」がすごく話題になったので、それ以上のものを作る難しさはありますし、前作を超えることが一番の課題だと思っています。
――楽曲を広めるための施策も面白いですよね。楽曲タイトル解禁の1週間前から、AKB48の公式TikTokにアップされ始めた「#僕のカノジョです」を冠にした彼氏目線で撮影されたメンバーの動画。そして公式TwitterやInstagramにアップされた“メンバーからの着信”音声データが話題になりました。
本田:今の時代に合わせたのかなと思います。最近TikTokで彼氏目線の動画が流行ってるじゃないですか。
村山:個人的には、AKB48のスタッフさんもこんな最先端の情報を知ってたんだ! と思って(笑)。今までは世の中で流行ったことを、ちょっと遅れてから取り入れる感じだったんですよ。だけど流行ってることを、今だからこそ取り入れよう! というスタッフさんの気合の入り方が「根も葉もRumor」から変わった気がして。私はSNSに疎いんですけど、話題性を作るために自分も貢献しなきゃな、と意識が変わりました。
――彼氏目線動画の反響はどうでした?
本田:めっちゃ良い反応をいただきました!
向井地:ひぃちゃんが一発目だったしね。
本田:そうなんです。しかも「元カレです」を発表する前だったから、「なんだ、この彼女風動画は!」「公式がすごい動画を上げてくれたぞ!」とファンの方が沸いてくださって。
向井地:あと「公式とは思えない画質の良さ!」というコメントもあったよね(笑)。
本田:ふふふ、そうですね。
向井地:みんな、公式に対してどんなイメージだったんだ! と思ったけど、「ついに公式が本気を出してきた」みたいな反応がめっちゃ面白かったです。