Snow Man、“知られないを乗り越えたい”から“時代のアイコン”へ 歩みを止めなかった10年で築いたもの
全員主演の実写映画『おそ松さん』が観客動員100万人突破、1stアルバム『Snow Mania S1』がミリオンセールスを達成するなどまさに飛ぶ鳥を落とす勢いを見せる9人組アイドルグループ・Snow Man。日々塗り替えられていく記録を目にしていると彼らがまるでずっと前から一緒にいたような感覚を覚えるが、9人体制になってからはまだ3年ほどしか経っていない。今のSnow Manのメンバーからは年月の長さだけでは計れない結束力を感じることができる。
しかし、そんな姿があるのもグループ結成時からの長い歴史を積み重ねてきたからこそ。Snow Manは2022年5月3日で結成10周年を迎える。彼らの大切な記念日である「3日」になぞらえて、本稿では3つの観点からSnow Manが“時代のアイコン”になれたワケを紐解いてみたい。
1つ目に言えるのは、「グループとしての土台の強さ」だ。メディアへの露出が多くなった今、メンバー同士の仲の良さは多くの人が知るところとなりつつあり、その姿は視聴者の気持ちもやさしく幸せにしてくれる。その核には、元々6人体制だったSnow Manの時間があるのではないかと思う。当時メディア露出は少なかったものの、2015年12月9日放送の『ザ少年倶楽部』(NHK BSプレミアム)内の「少クラブログ特別編」にて、2015年の3大ニュースの3つ目として「Snow Man 公園で遊ぶ!」が紹介されたことが筆者の中で特に印象に残っている。全員が休みの日に岩本照が声をかけ、みんなで公園で鬼ごっこをしたという写真が披露されたのだ。深澤辰哉が「みんな20歳超えてるからね」とツッコミを入れるも、写真の姿は本当に楽しそうだった。それから数年が経ちジャニーズJr.のYouTubeチャンネルが開設され、水曜日の更新を担当することになった彼ら。以前から持ち合わせていた和やかな仲睦まじさは変わることなく、より多くの人に「Snow Manの魅力」として伝わっていった。
今の体制が「大家族のような仲睦まじさ」だとするならば、以前は「大学のサークルの仲良しグループの日常を覗き見している」ような魅力だったように思える。関係性がある程度確立されているグループに新たなメンバーを迎え入れることはもちろん容易なことではないだろう。しかし彼らはたくさんの思いを胸に、新しい体制へと舵を切った。YouTubeを活用した「ウェルカム企画」や「自己紹介企画」などを通して積極的に新メンバーである向井康二、目黒蓮、ラウールの魅力や9人がコミュニケーションをとる姿を発信。たとえば「Snow Man【転校生来た!】阿部ちゃん先生に新メンバー登場!その学力は!?」には全員の心優しさがよく表れており、まるで本当に転校生をずっと待っていたかのような温かなムードを感じとることができた。
2つ目は「夢を掴み取っていく姿」。2019年7月13日に生放送されたTBS系『音楽の日 2019』の「ジャニーズJr. 魂の15分9秒」企画。そこでSnow Manは、初めて座長を務めることとなった『滝沢歌舞伎ZERO』の演目である「ひらりと桜」と「腹筋太鼓」を披露した。「ひらりと桜」には目黒蓮と阿部亮平、向井康二と渡辺翔太、という組み合わせのパートがあり、グループの未知なる可能性を見せてくれた。そして、ラウールのソロパートからは無限の可能性を感じることもできた。Snow Man自身もこれに懸けるという思いで臨んだ演目は、大きな反響を呼んだ。『滝沢歌舞伎ZERO』の舞台裏に密着した『連続ドキュメンタリー RIDE ON TIME』(フジテレビ系)で佐久間大介は「“知られない”を乗り越えたい。この作品を知ってもらって、Snow Manを知ってもらいたい」と言っていたが、『滝沢歌舞伎ZERO』を成功させた同年8月8日、『ジャニーズJr.8.8祭り~東京ドームから始まる~』にて、2020年にSixTONESと2組同時CDデビューすることが発表に。デビュー後はコロナ禍の影響で思うように活動できない期間もあったが、グループでのTVパフォーマンスやレギュラー番組はもちろん、個人でのドラマ・バラエティ出演など一つひとつのチャンスでしっかり成果を残し活躍の幅を広げていった。彼らが着実に夢を掴み取っていく姿にはファンも応援しながら励まされてきたといえる。