Snow Man 深澤辰哉の魅力は面白さだけでは語れない 本当の“かっこよさ”を知ると底の見えない沼に

 3月7日に発売された『Gina 2022 Spring特別版』(文友社)にて、薄いパープルをバックに純白の衣装を纏ったSnow Manの深澤辰哉は、普段お茶の間では見せない儚い表情を浮かべている。「Gina初の単独メンズ表紙 深澤辰哉 30歳を目前にしたリアルな心境」と大きく刻まれたこの表紙が解禁されるとすぐにSNSでは大きな盛り上がりを見せた。

 筋金入りの「バラエティ班」でもある深澤にとっては営業妨害になるかもしれないが、彼は本当にかっこいい人物だ。Snow Manの中では佐久間大介、向井康二と共に「ドラマ班」という(「お前らはバラエティ班だろ!」というツッコミまでがセットで完成の)トリオとして親しまれ、ファンに笑いを届けている深澤。グループでも自他ともに認めるMC役で時には全力でふざけて場を盛り上げることもある。

 最近では『櫻井・有吉 THE夜会』(TBS系)の「準会員」という、いわば「準レギュラー」のような位置につき、お茶の間へもその姿が浸透しつつある。有吉弘行や櫻井翔といったレギュラーメンバーにとどまらず、ゲストやほかの準会員とも軽快なトークを披露。誰からもイジられ、愛されるキャラクターは見事に三枚目だ。

 そんなこともあって深澤は、「本当はかっこいい」のポジションに思われがちだ。しかし、一歩踏み込んで彼を見てみると、あっという間に「本当にかっこいい」としか思えなくなってしまうのだ。

 2019年10月13日刊行の『スポーツニッポン』内の連載『ベストショットJr.』にて、「アイドルって手が届かないというのが本来の在り方かもしれませんが、僕はファンとの関係において、届かないけど届きそうな、一番近い人でありたい」と述べていた深澤はまさに、デビュー前に描いた理想のアイドル像そのものとして今日も存在している。アイドルを表す言葉で、よく「雲の上の人(存在)」という言葉が使われるが、深澤は「雲そのもの」のようではないだろうか。ふわふわと柔らかな表情を見せ、漂うように存在し、けれどしっかりとした存在感がある。

 普段のキャラクターから親しみやすさや身近さを感じるファンも多い深澤だが、パフォーマンスとなればまた異なる印象を与えるのが、ずるいところだ。運動神経抜群で、アクロバットも華麗にこなしてしまう。しかし、特に注目してみてほしいのは「声」の部分。Snow Manは歌声が優れたメンバーや、声優を務めるメンバー、『滝沢歌舞伎』で口上を務めてきたメンバーなど、ダンスを武器としたグループでありながらも、「声」を生かして活動するメンバーが多く、全体的に舞台仕込みでハリがある。その中でも深澤は柔らかく甘い声が持ち味だ。これは、彼らの作品に触れなければあまりわからない隠れた魅力だと感じる。

 そんな深澤にはちょっとした伝説がある。それは、これまでにも各所で「面白ネタ」のように披露されている「夜中に深澤辰哉の電話に出るな。好きになる」という噂が高校時代に広まったというもの。2021年1月19日放送の『レコメン!』(文化放送)においてもその話題が披露された。深澤が「夜中に深澤からの電話に出るな。好きになる。って噂が高校のときに広まって……」と告げると、パーソナリティであるオテンキ のりに「なんかダセェんだよな……」と笑われつつも、急遽実際に電話での雰囲気を再現することに。この架空の夜中の電話は多くのリスナーを唸らせた。

 Snow Manが主演を務める映画『おそ松さん』(3月25日公開)では四男の「松野一松」を演じる深澤。猫背で少し物憂げな雰囲気がファンの中では「ハマり役」と言われている。深澤自身は「猫背を治したい」と各誌のインタビューで述べているが、この飄々とした存在感こそが唯一無二でSnow Manに柔らかさをもたらしているのではないかと感じる。そしてこの柔らかさが色気となり、雑誌やMVで見せる深澤のオーラにもつながっている。なかでも「縁 -YUÁN-」のMVは深澤の歌声・ビジュアルの魅力をしっかり堪能することができるのではないだろうか。

Snow Man「縁 -YUÁN-」Music Video YouTube Ver.

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