Official髭男dism、7カ月に渡るツアー完遂 今のバンドのオリジナリティを反映したパーフェクトな構成によるエンターテインメント

ヒゲダン『Editorial』ツアーレポ

『Official髭男dism one - man tour 2021-2022 -Editorial-』さいたまスーパーアリーナ(写真=TAKAHIRO TAKINAMI)

 また、「FIRE GROUND」と「Cry Baby」というハードな2連発が可能になったことも、今回のセットリストを幾重にも強いものにしていた。加えて「Cry Baby」のエンディングでは藤原ひとりがモノクロームの世界に佇み、遠くで炎がまだ燻っているような演出は表現者の孤独と本音を歌う「Editorial」に違和感なくつながり息を呑んだ部分でもある。プリズマイザーを施したアカペラで藤原の息遣いが届き、そのまま「アポトーシス」のSEに吸い込まれていくような感覚も白眉だった。〈訪れるべき時が来た〉――「アポトーシス」の歌い出しは再び、アリーナの数千人一人ひとりの心に浮かぶ大事な誰かを呼び起こす。と、同時にたったいま、自分の全感覚が音と言葉に触れて、二度とないこの空間のかけがえのなさも感じている。なんとパーフェクトな構成なのだろう。このあとの藤原の長いMCの中でも「今日ここにいる(観客を含めた)メンバーと全く同じライブは二度とないから」という言葉に、この時世でのライブの困難さも含め、もっと普遍的な意味でライブとは何か、一人から生まれた創作の種が育ち、多くの人のアイデアを身につけ、それがいまここで共有されているという奇跡について、彼は本気で感謝していた。ものづくりの尽きることのない苦悩と喜びを歌う「Lost In My Room」、このような内省的な曲で本編を閉じることができる、それ自体が今のOfficial髭男dismのオリジナリティだと思う。

『Official髭男dism one - man tour 2021-2022 -Editorial-』さいたまスーパーアリーナ(写真=TAKAHIRO TAKINAMI)

 アンコールはライブを高速で巻き戻し、冒頭の映像でも目を引いた「Pretender」のジャケットと同じ数字列のネオン管への寄りの画面で、馴染みのギターフレーズが鳴らされるという、計算されたアンコールらしいアンコール。イントロで起きたさざなみのような拍手に込められた思いにも感銘を受ける。さらに、上京し様々なアーティストのライブを見る中で、さいたまスーパーアリーナで演奏することを意識していたという「異端なスター」、自然と起こるクラップが日本人の私たちにとってのゴスペル、もしくは祈りのニュアンスを増した「I LOVE...」で、トータル22曲に渡る渾身のライブは終了した。

『Official髭男dism one - man tour 2021-2022 -Editorial-』さいたまスーパーアリーナ(写真=TAKAHIRO TAKINAMI)

 演奏を届けることに注力したことで、結果的に固定のステージのみでも距離を感じさせないステージとなった。それは彼らの作品が幅広く、そして深く共有されているという事実でもある。Official髭男dismがアリーナツアーで導き出した回答はその音楽性と分かち難いものだったのだ。

『Official髭男dism one - man tour 2021-2022 -Editorial-』さいたまスーパーアリーナ(写真=TAKAHIRO TAKINAMI)

■セットリスト
3月21日(月祝)さいたまスーパーアリーナ公演
1.Universe
2.HELLO
3.宿命
4.115万キロのフィルム
5.Shower
6.みどりの雨避け
7.Bedroom Talk
8.Laughter
9.フィラメント
10.Anarchy
11.Stand By You
12.ペンディング・マシーン
13.ブラザーズ
14.ノーダウト
15.FIRE GROUND
16.Cry Baby
17.Editorial
18.アポトーシス
19.Lost In My Room

En1.Pretender
En2.異端なスター
En3.I LOVE...

<『Official髭男dism one - man tour 2021-2022 - Editorial -』>
・セットリストプレイリスト
https://hgdn.lnk.to/Editorial_Setlist
・見逃し配信(アーカイブ)期間:5月1日(日)22:30~5月8日(日)23:59
https://event.higedan.com/feature/at20_tour2122

■ホールツアー情報
『Official髭男dism SHOCKING NUTS TOUR』
9月28日(水)[青森]リンクステーションホール青森(青森市文化会館)
9月29日(木)[青森]リンクステーションホール青森(青森市文化会館)
10月13日(木)[愛知]名古屋国際会議場センチュリーホール
10月14日(金)[愛知]名古屋国際会議場センチュリーホール
10月25日(火)[東京]日本武道館
10月26日(水)[東京]日本武道館
10月29日(土)[東京]日本武道館
10月30日(日)[東京]日本武道館
11月4日(金)[大阪]フェスティバルホール
11月5日(土)[大阪]フェスティバルホール
11月16日(水)[北海道]旭川市民文化会館(大ホール)
11月17日(木)[北海道]札幌文化芸術劇場 hitaru
11月28日(月)[広島]ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ 大ホール
11月29日(火)[広島]ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ 大ホール
12月6日(火)[福岡]福岡サンパレス
12月7日(水)[福岡]福岡サンパレス
12月13日(火)[富山]オーバード・ホール
12月14日(水)[富山]オーバード・ホール
12月21日(水)[宮城]仙台サンプラザホール
12月22日(木)[宮城]仙台サンプラザホール

指定席:8,800円(税込)
指定親子席:大人8,800円(税込)・こども4,400円(税込)

■注意事項/備考
・3歳以上有料。2歳以下膝上鑑賞無料、お席が必要な場合は有料。
・購入枚数制限 指定席:1人2枚まで/指定親子席:1人4枚まで
・原則として電子チケットの対応となります。
・来場者全員がPlus member IDの取得と年齢登録が必要となります。
・チケットは全て「Official髭男dismアプリ」での発券となります。
・スマートフォンをお持ちでないお客様は当日「特別対応窓口」にて身分証確認の上、ご入場いただきます。
※ただし、指定親子席こどものお客様は申込者の端末で同時入場いただけますので身分証確認は行いません。

■「指定親子席」注意事項
・ステージからの近さを保証する席ではございません。
・大人・こどもの組み合わせは自由です(大人のみ不可)。
・こどもチケットの対象は、小学生以下のお子様となります。
・入場時に年齢の判断ができる身分証明証のご提示をお願いする場合がございます。
・係員がご提示を求めた際にお持ちでない場合は、大人料金との差額をお支払いいただきます。
・「指定親子席」はオフィシャル先行までの取り扱いを予定しております。
・予定枚数に達し次第、受付終了とさせて頂きます。予めご了承下さい。
・親子席は着席指定となり、お掛けになったまま公演をご鑑賞いただくお席となります。

■新型コロナウィルス感染症に関する注意事項
・新型コロナウィルス感染症の著しい状況悪化、または行政の指導、規定変更などにより公演開催が困難な場合は止むを得ず公演中止の判断をする場合がございます。
・出演者、スタッフ一同感染症防止に最善を務めると共に、ご来場のお客様へはCOCOAアプリのインストール、不織布マスクの着用、検温、消毒のご協力を頂きます。
・当日の会場での検温結果によりご入場をお断りする場合がございます。
・体調不良、または濃厚接触者の可能性があり来場が困難となった場合、また運営側でご入場不可と判断させて頂いた場合でもチケットの払い戻しは行いません。
・各会場の規定に伴い同行者の方と1席以上開けてのご案内となる場合がございます。

オフィシャルホームページ:http://higedan.com
公演情報ページ:https://event.higedan.com/feature/halltour_2022

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