新譜連載「本日、フラゲ日!」
Little Glee Monster、INI、緑黄色社会、Juice=Juice、レキシ……4月20日リリースの新譜5作をレビュー
Juice=Juice『terzo』
2019年以降の活動を総括した今作は、12曲のシングル表題を含む全24曲の大ボリュームとなった。その中でも特筆すべきは、今作に収録された6曲の新曲である。「GIRLS BE AMBITIOUS! 2022」は、2015年に発表されたグループの自己紹介曲のアップデート版であり、まさに今の9人の所信表明そのものだ。また、年上メンバーによる「Mon Amour」ではシックで妖艶な魅力が、年下メンバーによる「雨の中の口笛」はフレッシュでキュートな魅力が溢れていて、グループとしての層の厚みと表現の幅の広がりを感じる。これまでの9年の間にはメンバーとの別れもあり、5月には稲場愛香の卒業も控えている。それでも、新しく加わったメンバーたちによって、Juice=Juiceの表現は継承され、そして更新されていく。今作は、そうした彼女たちの力強い意志を感じさせる作品となっている。(松本)
レキシ『レキシチ』
『映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』主題歌「ギガアイシテル」からはじまる7thアルバム。極上のソウルグルーヴとともに開国当時の切ない情感を描いた「たぶんMaybe明治 feat. あ、たぎれんたろう」(客演:atagi(Awesome City Club))、“懐で温めていた草履”をモチーフにしたウィンターバラード「マイ草履 feat. にゃん北朝時代」(客演:カネコアヤノ)、新選組をテーマに爆音ヘビィロックを打ち鳴らす「鬼の副長HIZIKATA feat. ぼく、獄門くん」(客演:打首獄門同好会)などを収録。おかしくて、やがて悲しき歴史ネタとジャンルを超越した高品質サウンドを融合させたレキシの芸風は、作品を重ねるたびにクオリティを上げ続けている。池ちゃん(池田貴史)のプロデュースセンス、恐るべし。(森)