新譜連載「本日、フラゲ日!」
Little Glee Monster、INI、緑黄色社会、Juice=Juice、レキシ……4月20日リリースの新譜5作をレビュー
毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は4月20日リリースのLittle Glee Monster『Journey』、INI『I』、緑黄色社会『陽はまた昇るから』、Juice=Juice『terzo』、レキシ『レキシチ』の5作品をピックアップした。(編集部)
Little Glee Monster『Journey』
メンバー5人の絆を改めて示した「REUNION」、TVアニメ『半妖の夜叉姫』(日本テレビ系)弐の章エンディングテーマ「透明な世界」などの既存曲のほか、〈会いたい人に会いたくなるの〉という冒頭のフレーズでグッと引き込まれる「心に空を」(作詞作曲:優里)、アルバムのなかで唯一、芹奈を含む5人で歌唱した新曲であり、希望の光を力強く響かせる「SING」、繊細な響きと壮大なスケールを併せ持った英語詞のバラード「Come Alive」などを含む6thアルバム。最後を飾る「WONDERLAND」の〈この旅で出会う 全てのことは/君から はじまる ものがたり〉という歌詞が示す通り、“ここからまた、新しい旅をはじめたい”という彼女たちの意思が真っ直ぐに伝わってくる作品だ。豊かな感情表現と洗練された技術が一つになったボーカル/ハーモニーも素晴らしい。(森)
INI『I』
今回のシングルのテーマは“I INTERVIEW MYSELF”、つまり、自分自身への問いかけである。昨年11月のデビュー以降、鮮やかな快進撃を続ける彼らだが、ここからさらに大きな一歩を踏み出すためには、「自分たちは何者か?」「自分たちが愛するものは何か?」 を再確認する必要があったのだろう。「Call 119」における〈あるがままの/Baby It's alright/俺で生きる/I'm one of a kind/抑えきれない/叫びと共に走り出した"I"〉というフレーズは、まさに彼らのアーティストとしての止めどない表現欲求を惜しみなく歌い表しているように思う。そして「We Are」では、〈I〉の代わりに〈You and I〉〈We〉を用いている。それはメンバー同士の絆の象徴とも、リスナーとの連帯の象徴とも捉えることができる。その大切な繋がりを再確認することができた彼らは、ここから次のフェーズへ向けてさらに躍進していくはずだ。(松本)
緑黄色社会『陽はまた昇るから』
アルバム『Actor』を携えた全国ホールツアーを開催中の緑黄色社会から、ニューシングルが届けられた。『映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝』主題歌の表題曲「陽はまた昇るから」は、作詞を小林壱誓(Gt)、作曲を穴見真吾(Ba)が担当。つらいこと、悲しいことを経験したとしても、笑顔で日々を過ごし、未来に進んでいこうと呼びかける歌詞を、“泣き笑い”のような歌声で長屋晴子(Vo/Gt)が晴れやかに描き出している。カップリングに収録された長屋の作詞作曲による「時のいたずら」は、〈歌いたい 限りのある時を〉というラインに心を奪われるミディアムバラード。歌う理由をダイレクトに刻み付けた名曲だ。長屋の歌をしっかりと支え、楽曲のメッセージを際立たせるメンバーの演奏も絶品。(森)