Hakubiのライブはリスナーにとっての大切な居場所に 各地で対バン繰り広げた『巴・粉塵爆発ツアー』セミファイナルを観て
片桐(Vo/Gt)、マツイユウキ(Dr)、ヤスカワアル(Ba)による京都発スリーピースバンド・Hakubiが4月7日、対バンツアー『巴・粉塵爆発ツアー』のセミファイナルとなるライブを渋谷Spotify O-Crestにて開催した。
これまでに大阪や名古屋、福岡といった全国のライブハウスを渡り歩き、各地の地元のバンドと熱い共演を果たしてきたHakubi。この日はclimbgrowとFuseeという新進気鋭の2バンドと対バンし、そのトリとしてステージに登場した。
1曲目は「辿る」で勢いよくスタート。片桐によるギターの轟音が会場全体を覆い尽くすと、それに呼応するようにしてマツイのドラム、ヤスカワのベースが鳴り響く。すでに温まっていた会場の空気が、ここでもう一段階跳ね上がったのを感じた。曲中で「久しぶりのO-Crest、やっと来ましたセミファイナル、最高の一日を作りましょう!」と片桐が大きく叫べば、それにオーディエンスも拳を突き上げて応える。会場には強固な一体感が生まれていた。
流れるようにして次の曲「どこにも行けない僕たちは」へ。彼らの演奏には、疾走感のなかにもどこか焦燥感があり、その場にいるだけでも心を揺さぶられる何かが宿っている。対して、3曲目「Friday」は比較的ミディアムなビートで進行する一曲で、今この場に立っているのを噛み締めるような3人の演奏が印象的だった。
続いて披露したのは「在る日々」。曲前に片桐は言う。
「色んな毎日がある中で、こうやってライブハウスに辿り着いてくれて本当にありがとうございます。ここから私たちは今しか言えないこと、今しか歌えないこと、あなたに今届けたいことを全部届けていきたいと思います。一人も置いていきません」
彼女の発するその言葉に、観客は終始聴き入っていた。
次の「栞」はゆったりとしたリズムによって歌詞が浮き立つ一曲。片桐のその力強い歌声によって歌詞がストレートに耳に届いてくる。改めてHakubiは、言葉が強く、それを届ける力も持っているバンドなのだと感じる。
演奏後一瞬の間が空き、マイクを取ったのはマツイだった。片桐と比べると彼はどことなく肩の力が抜けた雰囲気で喋る。それまでのパフォーマンスに鬼気迫るものがあったためか、ここで緊張の糸が解け、会場全体の空気が和んだのを感じた。
再度片桐がマイクを握る。「ライブハウスが好きで、そこにいる人も、そこに来る人も、そこにいるバンドも大好き」だという彼女は「だからこそ私たちの音楽があなたの背中を押せるなら、押したいなと思うようになりました」と話す。
そして次に披露された「mirror」では、鋭利なギターの音色を響かせながら、片桐はマイクに向かってこう叫ぶ。
「あなたのその瞳が、その拳が、バンドを強くしてくれるんだ。私たちは3人だけじゃ音は鳴らせない!」
この言葉を聞いた観客たちは、自然と拳をステージに向かって突き上げる。彼女たちの叫びに突き動かされるようにして、まるで会場全体がHakubiの3人にパワーを送っているような空間と化した。
この3人は本当にパワフルだ。鳴らす音には3ピース以上の厚みがあり、ステージから押される感覚がある。そして観ている我々の日頃のストレスも発散できるようなエネルギーで満ち溢れている。それがHakubiのライブに足を運ぶ理由なのだろう。
ラストは「光芒」。最後の力を振り絞るようにして歌う片桐に、バンドメンバーも、観客も、会場全体が支えるような景色が広がっていた。
日本のバンドシーンで徐々に注目を集めているHakubi。彼女たちが大事にするライブハウスという場所が、〈どこにも行けない僕たち〉にとっての大切な居場所になっている。そんなことを感じさせてくれた一夜であった。
■セットリスト
1.辿る
2.どこにも行けない僕たちは
3.Friday
4.在る日々
5.栞
6.mirror
7.光芒
■リリース情報
2022年第1弾 配信シングル
「Twilight」4月22日(金)デジタルリリース
Pre-add、Pre-save事前登録サイト
https://lnk.to/hakubi_twilight
『Hakubi 巴・粉塵爆発ツアー ファイナルシリーズ』
大阪編
5月18日 (水)大阪・umedaTRAD
w/ Hump Back
東京編
5月20日(金)東京・恵比寿LIQUIDROOM
w/ SHE'S
<チケット最速先行予約 (抽選)>
受付期間:4月16日(土)18:00~4月24日(日)23:59
受付はこちらhttps://eplus.jp/hakubi-tde/
Hakubi 巴・粉塵爆発ツアー KYOTO MUSE振替公演
5月27日(金)京都・KYOTO MUSE
w/ Ivy to Fraudulent Game、Blue Mash
*振替公演来場が難しい方の払い戻し方法の詳細
https://eplus.jp/sf/refund2/f-type
期間:4月17日(日)10:00〜4月24日(日)23:59
Official Site:https://www.hakubikyoto.com
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