milet×Aimer×幾田りら「おもかげ (produced by Vaundy)」ロングヒットの背景 カバー動画などでも広がる盛り上がり

 昨年12月17日に公開されたYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」のコラボレーションシリーズ第2弾、milet×Aimer×幾田りら「おもかげ (produced by Vaundy)」が2600万再生回数を超え(3月29日現在)ロングヒットになっている。公開1週間で再生回数は800万回を超え、その後も順調に数字を伸ばしている。個々が大活躍しているまさに今をときめくアーティストが揃い、歌うというだけでも大きな話題なのに、Vaundyが作詞・作曲・プロデュースを手掛けるというクリエイティブ、シーンを牽引する4つの才能がひとつになるのだから、そこにはワクワク感しかない。

milet×Aimer×幾田りら - おもかげ (produced by Vaundy) / THE FIRST TAKE

 milet、Aimer、幾田りら、それぞれの活躍はもう説明する必要がないほどだが、その活躍が伝えられる度に、この動画に辿りつき、聴かれ、観られているのではないだろうか。それだけが理由ではないと思うが、この“ドリームチーム”によるパフォーマンスにはそれほどインパクトがある。Vaundyが作る、特徴的なギターリフと太いベースラインが作り出すグルーヴが気持ちいい、ファンクテイストのポップスが、3人それぞれの歌声にきちんと光を当てながら、約3分半の物語を紡いでいく。miletの雄大で、力強さの中に圧倒的な繊細さを感じるハスキーボイス、Aimerの深淵で独特の揺らぎを感じる声は、ハスキーさと甘さの両方が存在する唯一無二の肌触りで、幾田りらの柔らかで、しかし凛とした表情も見せる声は美しい響きを持つ。この個性的な3つの異なる声が、それぞれ違う軌道を描きながら交差を繰り返し「共鳴」する。

 「デモに吹き込まれていたVaundyくんの声はレイジーでアンニュイな感じが良かったんですけど、Aimerさんとりらちゃんと歌うことで、ガーリーでポップな感じが足されて。でも影がある感じもキープされているのが新鮮」(milet)、「曲のテーマとは対照的なアレンジのポップさと3人それぞれの違った声が重なって、良いハーモニーが生まれていると思います」(幾田)という言葉通り、Vaundyが作るポップスの特徴でもある、“違和感”や引っかかる要素とキャッチーなメロディが生む“不安定”さに引き込まれてしまう。その“極上の不安定さ”を、miletとAimerの声が持つ“揺らぎ”と“影”、そして低音域の低さが強調している。そこに幾田の声が持つ透明感と柔らかさが加わり、聴いた人全ての人の心を打ち抜くポップスとなっている。「彼らしさが詰まった1曲になっています。それをmiletちゃんとりらちゃんと私っていう、異なる声質を持った3人が歌うことでいいバランスが生まれてるんじゃないかなって思います」(Aimer)。

 miletは2020年、1stフルアルバム『eyes』をリリースし、この年『NHK紅白歌合戦』に初出場。昨年は全国ツアーを成功させ、さらに東京オリンピック閉会式でのパフォーマンスも記憶に新しいところだ。そのボーカルは世界中のファンを虜にし、2月には2ndフルアルバム『visions』を発売。収録曲「Fly High」はNHKウィンタースポーツテーマソングとして起用され、北京五輪でも話題となり熱戦を盛り上げた。その他にも数多くのタイアップ曲が収録されており、最注目のシンガーソングライターとして存在感を放っている。

milet「Fly High」MUSIC VIDEO (NHKウィンタースポーツテーマソング・先行配信中)

 Aimerは昨年デビュー10周年を迎え、Vaundyとは6thアルバム『Walpurgis』収録の「地球儀」でコラボしている。今年1月「残響散歌」がアニメ『鬼滅の刃 遊郭編』(フジテレビ系)のオープニングテーマ、「朝が来る」が同エンディングテーマとして起用され、大ヒットになっている。これまで、リスナーからの支持の大きさはもちろん、様々なアーティストからリスペクトされる存在だった彼女は、これまで以上に大きな注目を集めるシンガーになった。

Aimer「残響散歌」MUSIC VIDEO(テレビアニメ「鬼滅の刃」遊郭編オープニングテーマ)

 幾田はいわずもがなYOASOBIのボーカル・ikuraとしてもめざましい活躍を見せ、昨年12月にはYOASOBIとして初の有観客ライブを日本武道館で行なった。その正確無比なピッチと、聴き手の心を揺さぶる表現力の歌は、まさに2020年代のJ-POPシーンを代表する存在のYOASOBIの顔として、多くのリスナーを魅了し、ソロとしても「スパークル」や「Answer」等のヒット曲を生み出し、そのソングライティング力にも注目が集まっている。

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