milet×Aimer×幾田りら、Vaundyプロデュース曲「おもかげ」での鮮烈で幸福なコラボ 3人がもたらした化学反応を解説

milet×Aimer×幾田りらがもたらした化学反応

 2021年も残りわずかとなったこのタイミングで超大型コラボのニュースが舞い込んできた。milet、Aimer、幾田りらという今をときめく3人の女性アーティストの競演による楽曲がリリースされるというのだ。タイトルは「おもかげ(produced by Vaundy)」。楽曲のプロデュースを手がけた弱冠21歳の現役大学生マルチアーティスト、Vaundyは、「Aimerさん、miletさん、幾田りらさんの魅力を最大限に引き出せるようイメージして挑みましたが、実際レコーディングしたら想像をはるかに超えるかっこよさで、最高の仕上がりになりました」とコメント。すでに配信が始まっており、SNSでは「3人のハーモニーがたまらん!」「令和の最強のコラボ」など絶賛の声が上がっている。果たして3人の顔合わせはどんな化学反応をもたらしたのだろうか。

 本作はYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」から生まれた企画。“音楽とは、何か。一発撮りで、向き合う。”を コンセプトに 4K、HD画質のクオリティでアーティストがパフォーマンスを披露する人気チャンネルで、登録者数は548万人を誇る。「THE FIRST TAKE」コラボレーションシリーズは、2020年10月に第1弾としてLiSAとUruによる「再会 (produced by Ayase)」を発表。ここでしか見られないコラボレーションとして話題となり、視聴回数は5000万回を記録、ストリーミング数も8400万回を超える大ヒットとなった。本作「おもかげ(produced by Vaundy)」は待望のシリーズ第2弾。楽曲はソニーの完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」のCMソングにも起用されている。

 改めて今回の顔ぶれを見てみると、驚くのはその振れ幅の広さだ。東京オリンピックの閉会式における歌唱も記憶に新しいmiletに、今年デビュー10周年を迎えたAimer、そしてYOASOBIのボーカル・ikuraとしても活躍目覚ましい幾田りら、それぞれに独自の世界観を持ち、声質も音楽性もバラバラな3人が一堂に会するだけでもインパクトがあるのに、ひとつの楽曲でコラボを披露するという。通常なら個性のぶつかり合いを懸念しそうなものだが、一聴するとそれがただの杞憂だったことに気づかされた。

 miletの周囲を圧倒する力強いハスキーボイスも、一瞬で聴く者の耳を虜にする深遠で厳かなAimerの歌声も、幾田のあどけなさを残した柔らかく甘い響きも、それそれの持ち味を活かしたまま1曲に落とし込まれ、豊かなハーモニーを形成している。Vaundyによるトラックもグルーヴィなベースラインが印象的な軽やかなポップソングとなっており、年末年始のパーティシーンにも映えそうな仕上がり。目に見えないからこそ、感じることができる愛があることを歌った歌詞は、コロナ禍で分断されながらも、互いを思うことで日々を過ごしてきた2021年の私たちの姿にも重なる。楽曲について、Aimerは「彼らしさが詰まった1曲になっています。それをmiletちゃんとりらちゃんと私っていう、異なる声質を持った3人が歌うことで、いいバランスが生まれてるんじゃないかなって思います」とコメント。miletも「Vaundyくん節全開の曲です。デモに吹き込まれていたVaundyくんの声はレイジーでアンニュイな感じが良かったんですけど、Aimerさんとりらちゃんと歌うことで、ガーリーでポップな感じが足されて。でも影がある感じもキープされているのが新鮮でした」と語っている。さらに幾田は「自分と向き合うことや、周りの人たちへの愛など、核心を突く歌詞になっているんですが、サウンドはすごくポップで、人生を楽しもうというメッセージを感じました。重いテーマをポップに包み込んでいるこの曲に3人それぞれの違った声が重なって、素敵なハーモニーで歌っているので、聴いてもらえたら嬉しいです」と手応えを感じられたようだ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる