Aimer、サブスク解禁を機に聴きたい10曲 「残響散歌」「蝶々結び」などオリジナリティあふれる楽曲と歌の魅力を振り返る

 シンガーのAimerが今夜2月7日放送のTBS『CDTVライブ!ライブ!』に出演が決定。約5年ぶりの音楽番組での歌唱となる。またサブスクで全曲解禁することを発表し、それを記念したリスニングパーティーが開催される。シングル『六等星の夜/悲しみはオーロラに/ TWINKLE TWINKLE LITTLE STAR』でデビューして以来、様々なジャンルを取り入れながら常に第一線で活躍し続けている。今年1月には『THE FIRST TAKE』に出演し、ピアノとギターだけのアレンジで「カタオモイ」を歌い上げてその類稀なる歌声を披露してみせたAimer。今回は、そんな彼女の「今聴くべき10曲」をセレクト。オリジナリティあふれる楽曲や歌の魅力について振り返りたい。

「残響散歌」

 今年1月に「朝が来る」とともに両A面シングルとしてリリースされた曲。それぞれテレビアニメ『鬼滅の刃「遊郭編」』のオープニングテーマ、エンディングテーマに起用されている。ストリングスを起用し壮大に仕上げた「朝が来る」に対し「残響散歌」は、軽やかかつスリリングに飛び跳ねるピアノに導かれ、歯切れの良いホーンセクションがグルーヴを刻む疾走感あふれるナンバー。どこかビッグバンドを思わせるアンサンブルを率いて、ソウルフルに歌うAimerの歌声が心をざわつかせる。

Aimer「残響散歌」MUSIC VIDEO(テレビアニメ「鬼滅の刃」遊郭編オープニングテーマ)

「STAND-ALONE」

 配信限定シングルとしては「凍えそうな季節から」より2年3カ月ぶりにリリースされた通算5枚目。ドラマ『あなたの番です』主題歌となり、2021年にリリースされた6枚目のアルバム『Walpurgis』にも収録された。リリース時にAimerが「何かが起こる予感に満ちた一曲です」とコメントしていたように、ミドルテンポから始まりサビで倍になる曲構成、凍てつく冬の夜のようなストリングスと闇を切り裂く炎のようなディストーションギターのコントラストが非常にドラマティックだ。

Aimer 『STAND-ALONE』MUSIC VIDEO(ドラマ『あなたの番です』主題歌/new album『Walpurgis』4/14 on sale!)

「カタオモイ」

 Taka(ONE OK ROCK)やTK(凛として時雨)、野田洋次郎(RADWIMPS)ら様々なアーティストをプロデューサー、もしくはコンポーザーとして迎えた2016年の通算4枚目『daydream』収録曲。この曲はandropの内澤崇仁が作詞作曲を手がけた。〈例えば君の顔に昔よりシワが増えても それでも良いんだ〉〈僕がギターを思うように弾けなくなっても 心の歌は君で溢れているよ〉と、お互い歳を重ねても変わらず好きでい続ける、そんな想いを男性目線で綴った歌詞が新鮮。フィンガースナップや多重コーラス、小編成のストリングスをフィーチャーしたシンプルで抜けの良いアレンジも胸を打つ。

Aimer 『カタオモイ』MUSIC VIDEO(FULL ver.)

「Ref:rain」

 2019年4月にリリースされた、通算5枚目のアルバム『Penny Rain』収録曲。アニメ『恋は雨上がりのように』のエンディングテーマとして書き下ろされたこの曲は、雨垂れのようなリズムプログラミングやピアノバッキングなど「雨」をテーマにした歌詞に寄り添うアレンジが印象的。サビのメロディも降り続ける(リフレインする)雨をモチーフにしているのか、ヨナ抜き音階を用いた独特の節回しで繰り返される〈重ねた手のひらから幼さが〉の部分が、中毒的な魅力を放っている。

Aimer 『Ref:rain』MUSIC VIDEO(5th album『Sun Dance』『Penny Rain』2019/04/10(水)2枚同時発売)

「SPARK-AGAIN」

 テレビアニメ『炎炎ノ消防隊 弐ノ章』のオープニング主題歌として書き下ろされ、アルバム『Walpurgis』にも収録された楽曲。「(アニメの主人公である)森羅くんとシンクロする形で自分の中のポジティブを引きずり出して作りました」と、当時のインタビュー(※1)で述べていたように、コロナ禍で彼女が感じていたファンに対する「愛」をストレートに表現した新境地ともいえる歌詞はもちろん、グルーヴィなベースラインが牽引するバンドアンサンブルと、その上で歌い上げるAimerの振り絞るような(それでいて精緻にデザインされた)ボーカルが感動的だ。

Aimer 「SPARK-AGAIN」MUSIC VIDEO & クロスフェード(『炎炎ノ消防隊 弐ノ章』OP主題歌/new album『Walpurgis』4/14 on sale!)

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