TOMOOが音楽を生み出す原動力 活動のルーツから思考への影響まで……独自のクリエイティビティに迫る

TOMOOの独特なクリエイティビティ

愛について考えている過程で生まれたフィロソフィーを形に残しておきたい

TOMOO(写真=フジイセイヤ (W))
ーーでは、これからTOMOOさんが歌っていきたいのは、どんなことですか?

TOMOO:歌っていきたいこと……どうしよう、陳腐に聞こえたらと思うとうまく言える自信がないのですが……。これってデータとして残りますよね?

ーーもちろん(笑)。

TOMOO:ええと、自分の歌のテーマは結局のところ人と人との「心」のことで……本当は言いたくないんですけど「愛」についてずっと考えていて。「私はこれから、愛について歌っていきます」と言ったら、逆にぜんぜん考えてなさそうじゃないですか。

ーー(笑)。

TOMOO:愛という言葉を使うのを躊躇うところに、それについて考えることの重要な養分が詰まっている気がするから、だから見えるところで「愛について歌う」と言ってしまうのは違う気もするんです。もう少し掘り下げて言うと、「愛について考えている過程で生まれたフィロソフィーみたいなものを形に残しておきたい」ということですかね。それって一生かかるかもしれない。

 例えば思春期になると、誰もが「自己」と「他者」を初めて明確に意識して悩むと思うんですけど、大抵は自分で「自分」に気持ちが向いていくからより孤独になっていくというか。「寂しい」と感じるのって、「自分」に意識が向きすぎていて、でも人との摩擦があるからだと思うんです。

ーーそれって、先日のワンマンで話していたことにも通じますよね。「目の前にいる人に対して『何か』が伝わるのは、『心の矢印』がちゃんと相手に向いている時」だけど、「人は悩んでいるときや辛い時、『心の矢印』が自分自身、つまりI(私)に向かってしまう」と(※1)。

TOMOO:はい。それが自分にとっての「愛」の定義なのかなと。自分の欲とか願望を叶えることと、相手にとっていいことを一番の幸せとすること、常にそのせめぎ合いだと思うんですよ。だとすると自分は人を完全に愛せるのか、そもそも「完全」とは何か。「愛されたいと思っているけど、愛せないじゃん!」みたいな葛藤が中学生の頃からあって。そこがそもそものスタート地点だったりするんですよね。

 小学生の頃に聴いていたAqua Timezの「千の夜をこえて」の中にある〈愛されたい でも 愛そうとしない その繰り返しのなかを彷徨って〉というフレーズが、今もずっと頭の中に残っているんです。それが私の思春期の思考に大きな影響を与えたことは間違いないんですよ。

TOMOO(写真=フジイセイヤ (W))

ーー愛の本質について、小学生の頃から考えていたのですね。

TOMOO:今はそれが一巡りした感じなんですけど、なんていったらいいんですかね。「人と人との間にある、フィロソフィーを残したい」かな。……フィロソフィーってなんぞやって感じですけど、強いて言えば「気づいてしまった」みたいな感じというか。「真理」というとまたニュアンスが変わってきちゃうし、知性とか知恵ではなくて「気づいたこと」。それを歌詞に残したいと思っているから、ラブソングでもいつもちょっとややこしい哲学的な方向にいっちゃうんです。

ーー(笑)。その、気づいた「フィロソフィー」をメロディに乗せることで、同じように答えを求めている人に届けたいという気持ちで活動している?

TOMOO:何かはっきりと明確な目的意識があって曲を書いているわけではないんですよね。曲に「書かされている」というか、「気づいてしまったから、これは書き残さなければ」みたいな。もちろん、誰かから「届きました」と感想をもらったときは「ああ、書いてよかった」と思うんですよ。だけど、それを目的として曲を書いてはいないんです。

ーーなるほど、そこは大きな違いですね。

TOMOO:ただ、今話したAqua Timezの「千の夜をこえて」みたいに、私自身が本当に影響を受けた人や、響いた作品は、心の中にずっと生きているんです。だとすれば、自分も届けるところにちゃんと届けるべきなのだなとは思う。実際にこうやって人から受け取ったものを、10年以上もずっと大切に持ち続けている人間がいるわけですから。

 ……これは書いていいのかわからないですけど、小沢健二さんが、「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先) 」の中で、〈本当の心は 本当の心へと届く〉と歌っているのですが、そのフレーズが4年くらい前からずっと頭の中にあって。なんかそんな感じでもあるんですよね。

ーーえ、めちゃくちゃいい話じゃないですか。ダメなんですか?

TOMOO:だって小沢さんはもしかしたらそんなつもりで書かれてないかもしれないし。

ーー作品をどう受け取るかは受け手側の自由ですよね?

TOMOO:いや、そうなんですけど、自分の話をしたくて利用しているみたいで「それはいいんだろうか?」とも思うわけですよ。……考えすぎかもしれないですけどすみません……!面倒くさいやつなんです(笑)。

※1:https://realsound.jp/2022/02/post-965756.html

TOMOO『酔ひもせす/グッドラック』
TOMOO『酔ひもせす/グッドラック』

■リリース情報
New Digital Single
『酔ひもせす/グッドラック』
2022年3月30日(水)Release
DL・配信はこちら

■ライブ情報
『TOMOO one-man live at LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)』
2022年8月7日(日)
開場 17:00 / 開演 18:00
【会場】
東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
【チケット】
指定席:5,500円(税込)
https://eplus.jp/tomoo/
<オフィシャル1次先行>
受付期間:2/6(日)21:00〜2/17(木)23:59
受付方法:抽選
受付枚数:1公演につきおひとりさま4枚まで
※詳細は公式サイトへ

TOMOO HP:https://www.tomoo.jp/
TOMOO Twitter:https://twitter.com/Tomoo_628
TOMOO Instagram:https://www.instagram.com/tomoo_ssw/?hl=ja
TOMOO official YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCFN-7pQE8CUkruAAJ5IFSLw

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