Creepy Nuts、なぜラジオスターに? 菅田将暉やリスナーを魅了し続ける、絶妙な掛け合いと親密さ

 そんな気さくなCreepy Nutsの視点が、リスナーと非常に近いと感じられるエピソードがある。2人が米津玄師、野田洋次郎(RADWIMPS)、常田大希(King Gnu / millennium parade / PERIMETRON)の3人を挙げ、絶対にラップが上手い、多彩なあなたたちはラップの領域に来てくれるな、俺たちはラップ1本にしがみついてるんだ、という話を繰り広げたことがあった。だが、この放送を米津本人が偶然耳にしていたことを、ゲスト出演した『菅田将暉のANN』で告白。さらに米津は、「たまたまそれを聞いた次の日にその3人で飲んでて」と話すと、それを知ったR-指定は「俺らは神話の世界の存在だと思ってるねん。そしたら3人とも実在してたって。しかも俺らがあれだけギャーギャーした次の日に3人で飲み交わしてるっていう」と嘆き、DJ松永は「『米津玄師も聴いている番組』として打ちだそう」と提案。Creepy Nutsも十二分に日本を代表するヒップホップユニットだと思うが、米津・野田・常田を「神々」「日本音楽業界の首脳会談」と例え、「(自分たちのラジオが)聴かれているなんて考えるはずがない」と騒ぎ立てる姿からも、彼らに親近感を覚えるリスナーも多かったに違いない。

 また、スペシャルウィークなどでのゲストを招いた時のトークも魅力だ。ゲストから話題を引き出しつつ、絶妙な掛け合いで自分たちの流れに巻き込んでいく2人の『ANN0』は、どんなゲストと絡んでも親密さを感じさせる。また、菅田を迎えたゲスト回では、序盤に届いた「菅田将暉を早く登場させてくれ」という癖の強いメールをDJ松永が面白おかしく読み上げ、「菅田将暉がゲストとなるとリスナーの層が広がるのを忘れてた」と2人だけで大盛り上がり。思わず紹介前の菅田が、「いつまでそんな戯言を言ってるんですか、もうよくないですか?)」とツッコむなど、自由ながら愛のあるやりとりも炸裂した。

 先日Creepy Nutsが登場した、2022年度『ANN』『オールナイトニッポン X(クロス)』新パーソナリティ発表会でも、乃木坂46の久保史緒里が意気込みを話した際に口にした「自堕落な生活を話すと反響があって……」という言葉にDJ松永が即座に反応し、場を盛り上げる場面もあった。ただ喋り手として秀でているのではなく、聴き手としても優れたパーソナリティであることが伝わってくるシーンだ。

 4月から『ANN』に昇格、放送時間も2時間に増え(『ANN0』は1時間30分)、さらにオリジナリティあふれるラジオを展開するであろうCreepy Nuts。持ち前のトーク力や対応力でどんなラジオを作り上げていくのか、楽しみだ。

※1:https://www.allnightnippon.com/creepynuts/

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