乃木坂46、『乃木坂46時間TV』で早くも発揮された5期生の強い個性 中西アルノがセンターの新曲「Actually...」も初披露

『乃木坂46時間TV』5期生の強い個性

 2月21日19時から生配信がスタートした乃木坂46によるインターネット番組『乃木坂46時間TV』が、2月23日にクライマックスを迎えた。初日の21日には“公式お兄ちゃん”のバナナマンを迎えた「ベストソング歌謡祭」、デビュー10周年当日となる22日にはメンバーが3チームに分かれて対決した「乃木坂46時間TV 大運動会」など目玉企画が多数用意されたが、最終日となる23日のハイライトが当日11時スタートの「乃木坂46 5期生 お見立て会」と、番組エンディングに向けて行われる16時からのスペシャルライブだろう。本稿ではこの2つの企画について振り返ってみたい。

 まずは乃木坂46ファンのみならず、多くのアイドルファンが注目していたであろう「乃木坂46 5期生 お見立て会」について。当日は朝から4期生および3期生の「お見立て会」を振り返る企画も行われたが、当時は右も左もわからぬ素人だった彼女たちが今やグループを牽引する側に成長しているのだから、改めて月日の流れに驚かされる。

 そんな初々しい3、4期生のデビュー当時を経て開演した5期生お披露目の場。87,852名という日本のグループアイドル史上最大規模の応募総数の中から選ばれた11名のうち、現時点では8名のプロフィールが公表されているが(残りの3名は学業の都合によりに3月以降に随時公開)、この日は新型コロナウイルス濃厚接触者となってしまった冨里奈央を除く7名が登壇した。

 ステージにひとりずつ登場した五百城茉央(いおき まお)、一ノ瀬美空(いちのせ みく)、井上和(いのうえ なぎ)、小川彩(おがわ あや)、奥田いろは(おくだ いろは)、菅原咲月(すがわら さつき)、中西アルノ(なかにし あるの)の7人。最初にステージに姿を現した五百城は、最初こそ緊張で今にも泣き出しそうな表情を見せるも、続く一ノ瀬は両手でハートマークを作って見せたり、井上は大人っぽい表情で余裕を感じさせたりと、早くも大物の片鱗を見せる場面も。そんな中、奥田や中西の表情からはぎこちなさも伝わり、改めてこれがデビューステージなのだということを思い出させてくれた。

 五百城の掛け声で「皆さん初めまして、乃木坂46 5期生です」と若干硬めに挨拶を済ませると、一人ずつ自己紹介をしていく。マグロ好きをアピールする五百城は「オーディション最終審査で初めて東京に来たとき、築地に行ってマグロ丼を食べたことが嬉しかった」と語りつつ、「いつか、マグロ解体ショーをしたいです」と将来の目標を口にする。続く一ノ瀬は「理想のアイドル像は松村沙友理さんです」と明かしつつ、福岡出身らしく博多弁で「好きになってくれんと拗ねるけん」とアピール。井上は持参したスケッチブックでイラストを交えて自身のあだ名を紹介し、「これからは“のぎのなぎ”と覚えてくれると嬉しいです」とファンに呼びかける。

 小川は自身の名前「おがわあや」であいうえを作文を展開したかと思えば、右手がずっと勝つじゃんけんを特技として披露。奥田は「奥田いろはをもっと知ろうの会」と題して、好きなことや今後挑戦したいことを発表する。また、菅原は「私のことを推して、絶対に後悔させません!」が力強く宣言したかと思えば、中西はトイプードルにトカゲ3匹、ニホンヤモリ3匹という自身のペットに付けた個性的な名前を紹介していった。

 自己紹介に続いては、一人ひとり特技を披露するパートへ。一ノ瀬は3年のブランクがあると言いながらもピアノで「トルコ行進曲」を弾き通し、井上は木炭デッサンで描いた自画像などを持参。小川はそろばんで10桁計算し正解を導き出しつつ、踊りながら「ジコチューで行こう!」をクラリネットで演奏する。奥田はSaucy Dog「いつか」をギター弾き語りで披露し、五百城は自前の道着姿で剣道の素振りと書道の腕前を見せる。さらに、バスケットボール経験者の菅原はステージ上でフリースローとドリブルシュートを決めてみせ、中西はオーディション最終審査でも歌ったという尾崎豊「I LOVE YOU」を独唱し、存在感の強い歌声で見る者を惹きつけた。

 過去の『お見立て会』でも先輩メンバーがさまざまな名場面を生み出してきたが、今回ステージに立った5期生7人の多くがすでに強い個性を持つ面々ばかりであることに気づかされる。正直な話、即戦力になるようなメンバーも少なくないのではないだろうか。しかも、5期生にはまだ4人もの秘密兵器が残されている……そう思うと、彼女たちが先輩メンバーと合流したあとにどんな個性を発揮するのか、早くも楽しみになってくる。

 そんな期待をさらに増幅させてくれたのが、その後に行われたミニライブでのパフォーマンスだろう。この日は「ガールズルール」「インフルエンサー」といった代表曲に加え、現時点での最新シングル曲「君に叱られた」の3曲を披露。「ガールズルール」では一ノ瀬がセンターに立ち、満面の笑みで抜群の存在感を示す。と同時に、ほかのメンバーもそれぞれのポジションで個性を発揮しており、その見どころの多さにハッとさせられる。もちろんダンスの完成度は先輩メンバーに及ばないものの、新人ならではのフレッシュさと「ここがスタートなのだ」という気概が伝わり、このタイミングだからこその貴重なパフォーマンスを楽しむことができた。

 「インフルエンサー」では井上&中西のダブルセンターが実現し、ダンスの高難易度を誇るこの曲を(多少のバラつきこそあるものの)たった7人で踊り切る。さらに、奥田をセンターに据えた「君に叱られた」での7人の表情やパフォーマンスからは、もっとも5期生にフィットした印象を受けたのも興味深い。「これからの乃木坂46」を占う最新楽曲と、今後の乃木坂46を担っていくであろう新メンバーとが見事にシンクロしたことが、ここから先のグループの変化・進化につながるのではないか……そう思わずにはいられなかったことだけは、しっかり伝えておきたい。

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