日向坂46はなぜここまで愛されるグループになった? ファンを牽引する〈一緒に歩いて 一緒に辿り着こう〉の精神
日向坂46が改名から3周年を迎えた。これまで、シングル6作品、アルバム1作品をリリースし、『NHK紅白歌合戦』にも3年連続で出場。さらに来る3月には改名前から掲げていた夢の舞台、東京ドーム公演も予定されている。破竹の勢いで国民的な人気を獲得した彼女たちは、なぜここまで愛されるグループになったのかーー。その理由を考えてみたい。
2019年2月11日、SHOWROOMの生配信中にけやき坂46(ひらがなけやき)から日向坂46への改名が発表された。当時、会場にいたのは、キャプテンの佐々木久美をはじめ、1期生の加藤史帆、齊藤京子、佐々木美玲、2期生の小坂菜緒、そしてその後、卒業生となった柿崎芽実。突然の発表だった。改名がアナウンスされた瞬間、メンバーたちは椅子から立ち上がり大興奮していたが、一方でどこか戸惑う表情を浮かべていたメンバーがいたのも事実だろう。
その時の改名が意味していたのは簡単に言えば、欅坂46(漢字欅)からの脱却だ。ひらがなけやきとは、欅坂46に遅れて加入した長濱ねるの“居場所”として誕生したグループで、当初は漢字欅の2軍的な存在だった。しかし、クールな印象が強かった欅坂46とは一味違う、ハッピーオーラを武器に人気を拡大していた彼女たちは、もう一つのブランドを確立しつつあった。その時のSHOWROOM生配信中に、シングルデビューも発表していたひらがなけやきが、ここからまた大きく成長していくという意味でも、必要な改名だったのではないだろうか。
2019年3月27日に「キュン」で単独シングルデビューを果たした日向坂46は、2期生の小坂菜緒をセンターに据え、新しいグループ像を打ち出した。曲調もまさにアイドルソングといったポップでフレッシュなサウンドに思い切り舵を切り、笑顔あふれるグループカラーもより明確になった。
冠番組も『ひらがな推し』から『日向坂で会いましょう』(テレビ東京)にリニューアルされ、数々の名物企画を作り出すなど、深夜の熱狂を生んだ。日向坂46メンバーによるドラマも『DASADA』『声春っ!』(以上、日本テレビ)といった作品が作られ、メンバーの新しい魅力が発掘されていった。