日向坂46、ラジオ人気の理由は親近感にある? 加藤史帆、佐々木美玲、松田好花らパーソナリティとしての活躍

 日向坂46のラジオ番組は、グループとしての冠番組だけでなく、昨年は『星のドラゴンクエスト presents 日向坂46 佐々木美玲のホイミーぱん』(TOKYO FM)や、『ひなこい presents 日向坂46松田好花の日向坂高校放送部』(ニッポン放送)がスタート。ソロで冠番組を持つメンバーも増え、日向坂46らしい親近感あふれる楽しい番組を提供している。本稿ではラジオパーソナリティとしてレギュラーを持つ加藤史帆、佐々木美玲、松田好花をピックアップし、日向坂46×ラジオの魅力、それぞれのパーソナリティ力を掘り下げてみたい。

 まずは、2019年4月2日から『オテンキのり&加藤史帆のレコメン!』(文化放送)で火曜日の24時台Wパーソナリティを務める加藤史帆。佐々木久美が“へにょへにょ”と称した脱力系ボイスで、ネガティブがちだが明るく、時にはユニークなトークを展開。睡魔と戦いながら、パーソナリティのオテンキのりと絶妙な掛け合いを見せている。

 加藤の良さは、(限度はあるが)どんな無茶振りにでも対応するアドリブ力。例えば、ぶりっ子を求められた際には「ときめきときめきレボリューション!」と叫ぶなど、顔は見えずとも赤面している様子が伝わるほどの頑張りを見せている。ラジオで羞恥心が鍛えられたことは、『日向坂で会いましょう』(テレビ東京/以下、『ひなあい』)「大人の色気対決!」企画での堂々たるパフォーマンスに繋がっているのだろう。

 何でも受け止める頑張り屋だからこそ、“5軍”と呼ばれるリスナーたちも加藤に喜んで(いじって)もらおうと奮闘する。加藤を母親に見立て、リスナーがどれだけ赤ちゃんになりきれるかを競う「赤ちゃん選手権」などのエキセントリックな生電話も多く、やりとりの中で加藤は素直に「きもい」と発言したり、「ダメですね」と電話を切ることをのりに促すこともあるが、時には「泣ける」と絶賛するなど、リスナーと真正面からトークができるのも彼女の人柄があってこそ。結果的に「ししの全部が好きだ」という名曲をリスナーが作るほど愛されている。その絶妙な距離感が、ラジオパーソナリティとしての加藤の特徴かもしれない。

 "みーぱん"の愛称で知られる佐々木美玲は、アルバム『ひなたざか』のリード曲「アザトカワイイ」でセンターを務めるほか、『non-no』の専属モデルや女優としても活躍するなど、完璧なアイドルという印象だが、ファンの間ではポンコツキャラとしても知られている。もともとこの枠は『日向坂46 小坂菜緒の「小坂なラジオ」』だったが、小坂の休業により代役として佐々木美玲が出演、昨年11月5日から『佐々木美玲のホイミーぱん』としてリニューアルされた。

 聴き心地の良い声から発せられる、おっとりとしたポンコツエピソードをはじめ、最近はATMの手数料を節約するため土日はお金を下ろさない、スターバックスで無料のトッピングしかしないなど、財布の紐が堅く、かつてのあだ名だという“ケチばばあ”キャラが浸透。一般常識に明るい方ではないイメージだった佐々木美玲が、定期預金の金利に関して熱く語り出すギャップは面白かった。

 「いいお母さんになる自信がある」と高らかに宣言している佐々木美玲による節約術をはじめ、コーヒーが飲めるようになって大人になったこと、初めて流れ星を見た話など、誰もが経験する当たり前のことを、癒しのトーク力で嬉しそうに語る。リスナーは聴けば聴くほど“みーぱんワールド”にハマっていくのだ。養命酒好きなど、年齢にはそぐわない年配向けの趣味嗜好もあわせ持つ佐々木美玲独自の視点が切り取るメンバーや世間に関するトーク。そこから生まれる面白さや温かみが、パーソナリティ佐々木美玲の魅力だろう。

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