関ジャニ∞ 横山裕に寄せる期待も 松村北斗、永瀬廉、桐山照史……ジャニーズが朝ドラに残した軌跡を辿る

 2022年後期のNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合、以下朝ドラのみ同)に関ジャニ∞の横山裕がヒロインの兄役で朝ドラ初出演を果たすことが発表され、エイター(関ジャニ∞ファンの総称)を中心にジャニーズファンから注目が集まっている。2021年の『おかえりモネ』に出演した永瀬廉(King & Prince)、さらに現在放送中の『カムカムエヴリバディ』の松村北斗(SixTONES)に続くジャニーズタレントの起用も話題だ。本稿では、朝ドラを通じ、大きく飛躍したジャニーズタレントたちとその出演作品を振り返る。

ジャニーズ勢が朝ドラに残した軌跡

 朝ドラとジャニーズの歴史を振り返るとき、1990年代には堂本剛(KinKi Kids)が『かりん』、国分太一(TOKIO)が『春よ、来い』、生田斗真が『あぐり』に、さらに2000年代に入ると城島茂(TOKIO)が『芋たこなんきん』、2010年代にも風間俊介が『純と愛』など、振り返れば錚々たるメンバーが出演を果たしてきた。近年印象深かったのはデビュー前の西畑大吾(なにわ男子)が『ごちそうさん』、『あさが来た』の2作に出演しているということ。2作の出演、しかもデビュー前の関西ジャニーズJr.からの起用とあって大きな話題を呼んだが、西畑はその後も朝ドラで培った演技力を存分に発揮。嵐 二宮和也の主演映画『ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~』、木村拓哉主演ドラマ『教場』(フジテレビ系)など先輩の作品にも次々と出演し、重要かつ非常に難しい役を演じきった。その後、関西ジャニーズJr.からは『スカーレット』にヒロイン・川原喜美子の妹・直子の恋人・鮫島正幸役で正門良規(Aぇ!group)も出演。当時の衣装も相まって“キレイなジャイアン”として朝ドラファンからも注目を集めていた。

 同じく、『あさが来た』でヒロイン・今井あさの義弟・白岡榮三郎を演じたのは桐山照史(ジャニーズWEST)だ。デビュー前から『ごくせん』(日本テレビ系)や『真夜中のパン屋さん』(NHK BSプレミアム)などに出演し、その高い演技力が知られていた桐山であるが、朝ドラ出演を機に役名の“白岡榮三郎”と共に、ジャニーズファン以外の視聴者に対しての知名度もアップ。朝ドラファンの間では「若いながら上手な役者さんかと思ったらジャニーズの人だった」など、驚きの声も挙がっていた。桐山はその後も『アマデウス』や、今井翼の代役として主演を務めた『音楽劇 マリウス』、『泣くロミオと怒るジュリエット』、『赤シャツ』など次々と舞台に挑戦。現在放送中のドラマ『逃亡医F』(日本テレビ系)でもキーマンとなる役どころを演じ、俳優として確かなキャリアを築いている。

 前述した通り、『おかえりモネ』で圧倒的な演技力を見せつけたのが永瀬だ。ヒロインに思いを寄せる、永瀬演じる及川亮は、母の死や父親の苦しみまで抱える青年で、その魂のこもったセリフの数々で多くの視聴者の心を動かした。同役では、背負っている心の闇を周囲には隠していた青年の、繊細な心境の変化を丁寧に演じていた姿が印象的であった。永瀬はアイドル業もこなしながらオーディションで掴んだというこの役で、役者としての可能性をさらに開花。その後もドラマ『わげもん~長崎通訳異聞~』(NHK総合)、映画『真夜中乙女戦争』で主演を務めるなど、グループの活動に加え俳優としても飛躍を遂げている。

 永瀬からバトンを引き継ぐ形で松村が出演している『カムカムエヴリバディ』は、三世代のヒロインを描く異色の作品。松村が演じたのは一代目ヒロインの夫で、岡山県で繊維業を営む雉真家の跡取り息子・雉真稔だ。放送がスタートするやいなや、朝ドラファンの間では松村の端正なルックスと知的で清々しい佇まいに注目が集まった。視聴者の中には、松村がジャニーズでSixTONESというグループに所属していることを知らなかった人も多く、驚きの声が上がっていた。デビュー前から『パーフェクトワールド』(フジテレビ系)など俳優としても活躍していたが、朝ドラについては「もっと成長して帰ってきたい場所」と評し、目標の一つとして意欲を見せていた(※1)。この先も4月期月10ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』(フジテレビ系)、映画『ホリック xxxHOLiC』の公開も控えており、役者としての活動もますます充実している。再び朝ドラに凱旋する日もそう遠くないかも知れない。

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