XGはガールクラッシュの本命? 最新ダンス&カバー動画から紐解く、集団/個々による刺激的なパフォーマンス力

XGはガールクラッシュの本命?

 もう1本は2月11日に公開されたばかりの「XG - Vocal Performance (Peaches Remix)」。CHISAとJURIAの歌唱力の高さがわかる映像で、オリジナルはジャスティン・ビーバーの人気曲だ。テクニック的にはBLACKPINKのロゼをはじめとする、クセのある歌い出しを駆使して女性の情念を表現するタイプのようだが、そうした既存のスタイルをリスペクトしつつも、自由奔放に感情を出すところもあり、なかなか侮れない。

XG - Vocal Performance (Peaches Remix)

 SNS上ではXGを「ガールクラッシュの本命」とみなすコメントをよく目にする。各メンバーの容姿を見る限り、BLACKPINKやITZYといったガールクラッシュと呼ばれるK-POPアーティストたちと年齢は近いと思われるが、ここ数日でアップされた動画では既存のガールクラッシュ的なイメージを踏襲しつつも、一方でまったく違う“何か”を表現しようとする姿勢も感じられる。その点だけでも今後このグループを追う意味は十分にあるはずだ。

 アグレッシブに攻めたかと思えば、しなやかに舞い踊る、そんな緩急をつけたキレのいいパフォーマンス。メロウに響かせつつ、芯の強さも感じられる歌声。アンダーグラウンドの香りを漂わせながらも、メインストリームの輝きもあるラップ。個性を強烈にアピールするメンバーたちのたたずまい――。一連の動画で「どの国や地域をメインに活動していくのか」「オリジナル楽曲でどのようなスタイルを提示するのか」といった問いに答えるためのヒントは、残念ながら見つけることはできないが、グループ独自の魅力は確実に伝わったに違いない。

 XGは性別や世代、国の違いを超えてすべてのリスナーに「カッコいい」と思わせる歌とダンスを提供するメンバーばかりである。彼女たちのデビュー日は未だ発表されていないが、近い将来、音楽シーンに大きな刺激を与える存在になるだろう。少なくともそれだけははっきり言えそうだ。引き続き無限の可能性を秘めたグループの動向を見守っていきたい。

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