King & Princeメンバー分析 第3回:髙橋海人、多方面で才能を発揮するグループの実力者 周囲を惹きつける愛されキャラ

 とはいえ髙橋も、メンバーから認められ、尊敬される実力の持ち主である。冒頭でも伝えた通り、ダンスへの思いとスキルは折り紙つき。キャリアは保育園から始まり、コンテストでの優勝経験も持つ実力者だ。いざパフォーマンスとなれば、ふわふわとした普段のイメージはガラッと変わり、表情までも豊かに楽曲の世界観を表現。グループのパフォーマンスを牽引する存在だ。

 キラキラのアイドルソングでは徹底して王子様であり続ける一方、ダンスナンバーでは技術に裏打ちされたハイクオリティなパフォーマンスを叩きつける。だからこそ、King & Princeは強い。ときにアイドルやジャニーズに厳しいはずの世間さえ、彼らを認めざるを得ない。そうしたKing & Princeの「強さ」において、髙橋は欠かすことのできない存在だ。

 そんな彼の豊かな才能は、広いジャンルで活かされる。2018年から『ベツコミ』(小学館)にて、少女漫画の描き方を学ぶ連載がスタート。2019年には描き下ろしの漫画を執筆し、ジャニーズとして初の少女漫画家デビューを果たした。ほっこりするかわいい絵柄に、髙橋らしさが表れている。

 2018年からは毎年ドラマ作品に出演。ドラマ『姉ちゃんの恋人』(フジテレビ系)、『ドラゴン桜 第2シリーズ』(TBS系)では、役どころは大きく異なるものの、いずれも守りたいものを持つ、強く優しい青年を演じた。前者では語り手という重要な役目も果たし、作品が持つ優しい世界観に彩りを添えた。奈緒が演じた年上の幼なじみ・みゆきと織りなす「恋人を前提とした仲良し」の関係性では、髙橋の持ち前の愛嬌とふいに見せる男らしさが大いに発揮され、視聴者をときめかせた。

 視聴者の心にさえスッと入り込む人懐っこさは、髙橋の武器だ。ジャニーズJr.時代には、自身を「カイ」という一人称で呼ぶ幼さと、ふんわり柔らかな話し方で、多くの先輩Jr.から可愛がられた。髙橋は、年齢やキャリアに関係なく相手を慕い、甘え、すぐに心を掴む。人見知りで知られる松村北斗(SixTONES)にも、ためらいなく抱きつき、くっついていた姿に驚いた記憶がある。

 人をイメージで判断せず、好意を素直に示す。簡単なことのようで、できる人間はそう多くはない。髙橋が警戒しないから、相手も警戒しないのだろう。髙橋は間違いなく愛されキャラだが、先に愛を与えているのは、きっと髙橋のほう。“King & Princeとティアラ(ファン)だけの”かわいい末っ子でいてほしくとも、この先はもっと多くの人に、たくさん愛されてしまうことだろう。

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