ジャニーズWEST、デビュー曲から辿るグループの成長 音楽面におけるポテンシャルの高さを考察
有名アーティストとのコラボで大きく成長
続いてシングルリリースされたのは、桐山照史の初単独主演ドラマ『ゲキカラドウ』(テレビ東京系)主題歌となった「週刊うまくいく曜日」。サンボマスターの山口隆(Vo/Gt)からの楽曲提供を受け、これまで以上に骨太さを感じさせる楽曲だ。『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)に出演した際には、サンボマスターのメンバーとライブ感溢れるコラボステージを披露し、フェスでのパフォーマンスにも大きな期待が寄せられるアーティストへと成長した。
「サムシング・ニュー」はあいみょんが作詞作曲を手がけた楽曲で、彼女がジャニーズWESTに曲を書き下ろしたのは「Time goes by」(『ズンドコ パラダイス』c/w)以来、約6年ぶり。メンバーも「みょんさん」と呼ぶなど、2組が親しい関係であることも知られており、ジャニーズWESTらしい明るく真っ直ぐなアプローチも相まって、少し毛色の違う等身大の楽曲として印象的なナンバーだ。
そして、最新シングルとして1月19日にリリースされたのが、『黎明/進むしかねぇ』だ。「黎明」は小瀧望主演ドラマ『鹿楓堂よついろ日和』(テレビ朝日系)主題歌、「進むしかねぇ」は昨年全国ネットに進出した冠番組『あなたの代わりに見てきます!リア突WEST』(テレビ朝日系)のテーマ曲である。初のミディアムバラードである「黎明」は、ストリングスを取り入れたスケール感のあるトラックに乗せ、温かみのある歌唱で様々な悩みや不安を持つ人を包み込んでいく。さらにパフォーマンスでは神山のキレのあるダンスにも注目が集まっている。対して「進むしかねぇ」は、ジャニーズWESTらしい熱くハードなロックナンバーだ。
想像の斜め上を行く活躍に期待
“応援歌”といえばジャニーズWEST、というイメージが定着してきたタイミングで発表されたのがニューアルバムのタイトル曲「Mixed Juice」のMV。「黎明」などのイメージから一変、カラフルでハッピーを全面に押し出した世界観に驚くと同時に、7人の引き出しの多さに改めて圧倒されてしまった。
ニューアルバムにはアーティストとの“ミックス企画”として、橋口洋平(wacci)「涙腺」、eill「ブルームーン」、柳沢亮太(SUPER BEAVER)「つばさ」といった提供曲が収録されるほか、アルバムの初回盤Aにはキタニタツヤ、syudouが書き下ろした曲も収録予定だという。
特に筆者が注目したいのは、syudouによる提供曲「努力賞」だ。近年、SixTONES「フィギュア」(くじら提供)をはじめ、ジャニーズ×ボカロPの組み合わせが活性化している中で、ジャニーズWESTがsyudouとどのような化学反応を見せるのか、非常に楽しみだ。
バラエティでの活躍の印象が強く見逃されがちであるが、ジャニーズWESTは歌唱テクニックのアベレージが非常に高いグループだ。結果、ドラマなど個々の仕事を通じて培った経験が糧となり、グループ全体のポテンシャルにフィードバックされ成長に繋がったといえるだろう。
7人それぞれが表現力の高いダンススキルも備えていることから、まだ見ぬ実力と魅力で私たちの想像の斜め上を行くパフォーマンスをこれからも見せてくれるに違いない。