ジャニーズWEST、デビュー曲から辿るグループの成長 音楽面におけるポテンシャルの高さを考察

 2022年1月、ジャニーズWESTファンに嬉しいニュースが届けられた。8作目となるアルバム『Mixed Juice』が3月9日にリリースされることが発表されたのだ。さらに3月20日の静岡・エコパアリーナを皮切りに、全国8都市9会場で計37公演を行う全国ツアー『ジャニーズWEST LIVE TOUR 2022 Mixed Juice』もスタートする。本稿ではアルバムリリースと全国ツアー、そして2022年のさらなる飛躍を見据え、ジャニーズWESTの魅力と成長の足跡を歴代のシングル曲を中心に振り返ってみたい。

大阪色を全面に押し出したデビュー曲

 ジャニーズWESTがCDデビューした2014年。関西ジャニーズからのデビューは関ジャニ∞から実に10年の時を経ていた。それまでもファンの間で「(デビューは)今年こそ」と繰り返されていたこともあり、まさに待ちに待ったデビューであった。デビューシングルの表題曲「ええじゃないか」は、ポップで耳なじみの良いダンスチューンで、現在でも彼らの代表曲の1つだ。覚えやすいフレーズはカラオケなどでも幅広い層に親しまれ、“盛り上がり曲”としても浸透している。以降も「ジパング・おおきに大作戦」「ズンドコ パラダイス」「おーさか☆愛・EYE・哀」など “大阪カラー”を強く打ち出したシングル曲が多かったように思う。カッコイイと面白いを同時に叶える、グループのイメージとシンクロした楽曲は多くのファンの心を掴んだ。

『ワールドカップバレーボール』SPサポーターが転機に

 2019年には『FIVBワールドカップバレーボール2019』(フジテレビ系)のスペシャルサポーターに就任したジャニーズWEST。この大会のテーマソング「Big Shot!!」が、グループにとってターニングポイントの1つとなったように感じる。“勝利の鍵を握る人”という意味のタイトルを冠した同曲は、曲中にV6をはじめ歴代サポーターを務めたジャニーズグループの名前や楽曲名を連想させる歌詞が織り交ぜられた力強い曲となっている。手拍子やバルーンの音も入っていることから、曲に合わせバレーボールファンも一体となって盛り上がる姿が試合会場でも見られた。また「ジャニーズWESTの曲は元気になれる」「勇気づけられた」などのコメントがSNS上に多く寄せられ、これまでのはつらつとした路線から、頑張っている人の背中を押す“応援歌”のようなナンバーも似合うグループとなっていった。

 「Big Shot!!」をシングルリリースしてから8カ月後、藤井流星、神山智洋がW主演を務めたドラマ『正しいロックバンドの作り方』(日本テレビ系)の主題歌「証拠」を発表。ダンスを封印し、ボーカルのみのパフォーマンスで披露する同曲は、7人のバックショットからスタートするMVからもメッセージ性の強さを感じた。同曲を受け、「ジャニーズWESTってこんなに歌が上手いの?」という驚きの声が寄せられたのと同時に、ファン以外の一般層にも強くリーチすることにも成功。「証拠」以降、“応援歌”だけでなく不安や迷いを抱えた人に寄り添うメッセージソングも似合うグループへと成長していったようの思う。

ジャニーズWEST - 証拠 [Official Music Video]

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