SHISHAMO、マカロニえんぴつらに次ぐ“青春感”漂う気鋭バンド ハク。からChilli Beans.、YMB、グソクムズまでピックアップ

ハク。ら“青春感”漂う気鋭バンド

 そして、特に注目したいのがハク。だ。大阪の女性4人組バンドで、2021年に関西のライブハウスがプロデュースする10代限定の発掘オーディション『十代白書』にてグランプリを受賞し快進撃を続けている。ゼロ年代のオルタナティブロックの要素を感じさせる陰影をつけたサウンドと、平熱なようでいて微細に感情をコントロールする歌声はリリースされる新曲ごとに飛躍を感じる。

 爽やかさよりも、しっとりとした落ち着きを感じるバンドだが綴られる歌詞は青春の痛みや切なさで満ちている。「アップルパイ」や「BLUE GIRL」における愛に迷いもがく気持ち、「本物」や「ワタシ」に滲む未来やアイデンティティにまつわる期待と不安。リアルタイムで10代を生きるメンバーだからこそ切り取ることができた生々しい実感がある。映像的な描写や独自の言葉遣いを巧みに用いつつ、ここぞというタイミングで飛び出すフレーズが胸に残る。「アップルパイ」における〈このラブソングは青春の味なんて知らない ただの僕らのための言い回し〉という冷徹なラインや、「ワタシ」の〈思いはあるけど花咲かない 情けなくて嫌になった〉という諦念など、楽曲に深く想いを刻む強い表現が多いのだ。

ハク。 " ワタシ " Official Music Video

 2021年に単曲で発表した楽曲を収録した1月19日リリースの1stミニアルバムはその名も『若者日記』。等身大の心象風景を卓越した表現力のフィルターを通して形にした楽曲たちは、並べて聴くことで新たな情感を呼ぶ。決して眩しいものだけでない、ヒリヒリとした青春の一幕がありありと記録されているのだ。4曲目に収録された「カランコエ」では、セルフケアの気持ちや思い出への眼差しが芽生えており、その表現はすでに一歩先に進み始めている。

ハク。 "カランコエ" Official Music Video

 現在進行形でその心模様を表現する新進気鋭バンドたちも、今後活動を重ねるにつれてその時代を振り返るような視点で楽曲を作るようになっていくはず。バンドが持つ今の“青春感”は今しかない特別なものだ。ぜひ活動初期から出会うことでその進化と深化の過程を目撃してほしい。

■リリース情報
ハク。
1st Mini Album『若者日記』
2022年1月19日(水)Release
¥1,980
<収録曲>
01. ワタシ
02. BLUE GIRL
03. 本物
04. カランコエ
05. ame.
06. hitonatsu
07. アップルパイ
08. ふたり基地

■ライブ情報
『ハク 。O-nest presents「若者日記-東京編-」』
2月18日(金)Spotify O-nest
開場 18:00/開演 18:30
チケット料金 前売り 2500円/当日 3000円
ハク。/ Monthly Mu & New Caledonia / Conton Candy / +1 more band
チケットプレイガイド URL:https://eplus.jp/haku/
チケットは2021年12月25日より販売開始

『若者日記-大阪編-』
3月19日(土)大阪 LIVE SQUARE 2nd LINE(ワンマン)
開場 17:30/開演 18:00
チケット料金 前売り 2500円/当日 3000円
チケットプレイガイド URL:https://eplus.jp/haku0319/
チケットは2021年12月25日より販売開始

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