オレンジスパイニクラブ、Saucy Dog……2022年ドラマ主題歌で飛躍する注目アーティストたち
オレンジスパイニクラブ、キタニタツヤ、Saucy Dog、Novelbright。2021年の音楽シーンで鮮烈な存在感を示し、今年さらなる飛躍が期待されている4組のアーティストが揃って1月期のドラマ主題歌を担当する。ここでは、改めてこの4組のキャリアと音楽性を紹介したい。
オレンジスパイニクラブ
2020年に「キンモクセイ」(1stミニアルバム『イラつくときはいつだって』収録)がストリーミングやSNSを中心に拡散され、一気に注目度を集めたオレンジスパイニクラブは、スズキユウスケ(Vo/Gt)、スズキナオト(Gt/Cho)の兄弟、ゆっきー(Ba/Cho)、ゆりと(Dr)による茨城出身の4ピースバンド。日常のなかにある切なさ、愛おしさ、葛藤などをリリカルに描いた歌詞(特に恋愛の機微を描いた歌は秀逸だ)、王道のギターロック感とひねくれたポップセンスを軸にした音楽性は、すべて新曲によるメジャー1stアルバム『アンメジャラブル』によってさらなる高みに達した。〈自分の棘も愛せたら/汚れた手で触れていいかい〉と歌う「ガマズミ」は、このバンドの新たな代表曲として認知されている。生々しいライブ感、演奏中のメンバーの息づかいや目線を想起させるサウンドメイクも、本作の大きな魅力だろう。
ドラマ『#居酒屋新幹線』(TBS系)エンディングテーマに起用された新曲「7997」は、フォーキーな手触りの旋律と心地よいビートを軸にしたギターポップ。出会いをテーマにした歌詞、親しみやすいボーカルラインを含めて、これまで以上にポピュラリティが感じられる楽曲に仕上がっている。
キタニタツヤ
音楽キャリアのスタートは、ボカロP・こんにちは谷田さんとしての活動。ヨルシカのサポートベーシスト、バンド“sajou no hana”のメンバー、そして楽曲提供などと並行してソロ活動も活性化させ、2020年8月に“扇動者”をテーマに掲げたアルバム『DEMAGOG』でメジャーデビュー。その後もファンとの共作による「白無垢」、エジマハルシ(ポルカドットスティングレイ)をフィーチャーしたネオソウル系ポップチューン「Cinnamon」、漫画家・カネコアツシとのコラボによる「逃走劇」、ALIと共作した「Ghost!?」、“ノイタミナ”×”MAPPA”のアニメ『平穏世代の韋駄天達』(フジテレビ系)オープニングテーマに起用された「聖者の行進」、“神はサイコロを振らない×キタニタツヤ”名義の「愛のけだもの」、さらに全国ツアーを経て「Rapport」(漫画『BLEACH』の生誕20周年を記念した原画展『BLEACH EX.』テーマソング)を発表するなど、きわめて幅広いジャンル、メディアを縦断しながら八面六臂の活躍を続けるキタニタツヤは、20年代のポップミュージックの在り方を更新する存在だと言っていい。
2021年最初のアクションは、黒木華主演のドラマ『ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○』(フジテレビ系)の主題歌。その他にも同作品では複数の楽曲を提供することがアナウンスされ、大きな注目が集まっている。