リーガルリリー、崎山蒼志とPeople In The Box迎えた恒例自主企画『cell,core』 地元の思い出やファンへの感謝も

リーガルリリー自主企画『cell,core』レポ

 この日の会場は、中央線沿いにある立川。当日に向けて数日前に配信リリースされた「中央線」を聴き込んできたファンも多いだろう。そんなファンの期待に応えるように披露された同曲は圧巻で、ジャカジャカとかき鳴らされるギターとスライドを織り交ぜたベースが爽快であると同時に、彼女たちを幾度と運んだ中央線と過ごした思い出を覗けた気がした。

 2回目のMCでは、本イベントのタイトルに込められた意味が伝えられた。『cell,core』とは細胞と核を表す言葉で、ファン一人ひとりが細胞であり、核となるアーティストの存在を持ってくれていて、集まることで細胞として大きくなることをこの1年を通じて思ったということから海(Ba)が名付けたそうだ。また、People In The Boxのステージを崎山とメンバー3人でステージ袖から体育座りで観ていたことや、たかはしの「24歳として言動もしっかりしたい」との抱負(メンバーからの「遅刻と忘れ物ですね」というツッコミも)が告げられる。

 ラスト2曲は「the tokyo tower」と「リッケンバッカー」。たかはしが時折見せる笑顔や海のジャンプを交えたベースプレイで、彼女たちが楽しんでいることを感じると同時に、リスナーも拳を掲げたり体を揺らしたりと、各々のスタイルで彼女たちの音楽を全身で浴びて楽しんでいる様子が見られた。盛大な拍手が贈られるなか、盛り上がりが最高潮に達したところでリーガルリリーのステージは終了した。

 アンコールに応えてリーガルリリーの3人が再びステージへ。「背の高いマイクがあるということは……?」というやりとりのあと、『cell,core』のTシャツを着た崎山が登場し、コラボレーション楽曲「過剰/異常 with リーガルリリー」が披露された。たかはしのハイトーンボイスと崎山節の溢れる歌声が融合することで、自分の思いが過剰なのではという皮肉も込められているという本曲をよりドラマチックに演出する。両者が揃った状態でこの曲がライブで披露されたのは初で、貴重なシーンになっただろう。3人のバンドセットに戻ったあと、最後に「教室のしかく」を大事そうに一音一音奏でて、本公演は幕を閉じた。

 毎年恒例となっている本企画。今年は地元の思い出、対バンアーティストへのリスペクト、そしてファンへの感謝が込められた1日になった。これからまた1年、リーガルリリーがどのような変化を遂げて来年のライブをするのか期待が高まる。

<セットリスト>
2021.12.10 cell,core TACHIKAWA STAGE GARDEN
https://kmu.lnk.to/cellcore_set

■リリース情報
2nd Full Album『Cとし生けるもの』
2022年1月19日release
初回生産限定盤(CD+Blu-ray) KSCL-3343~44 / 税込5,500円
通常盤(CD) KSCL-3345 / 税込3,000円
アルバム予約購入はこちら:https://kmu.lnk.to/mHyGvM5r

■ライブ情報
リーガルリリー 東名阪ワンマンツアー 『Cとし生けるもの』
前売り ¥4,300(税込). 

1月30日(日)大阪BIGCAT 
開場 16:00 /開演 17:00
1月31日(月)名古屋CLUB QUATTRO
開場 17:30 /開演 18:30
2月8日(火)中野サンプラザホール
開場 17:30 /開演 18:30

<一般発売>
12月25日(土)
各種プレイガイド(e+、チケットぴあ、ローソン)

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