ずっと真夜中でいいのに。のライブを今観るべき理由 一味違う演出で魅了した『MTV Unplugged』から考察

ずとまよのライブを観るべき理由

 そして、ライブといえばやはり注目したいのがACAねのボーカルだ。アップテンポで音程の上がり下がりが激しく、歌詞の言葉数も多いという、単純にボーカル難易度の高い楽曲をライブで歌いこなしているというだけでも地力の高さを感じるのだが、その中でもACAねの声が、ひとつの楽器のように多彩なサウンドの中で調和しつつ存在感を放っているところに、ボーカリストとしての才を感じさせる。

 また、「秒針を噛む」などアップテンポな曲のイメージが強いが、バラードも名曲揃い。「Unplugged」のライブは特にコンセプトに合わせたのだろう、センチメンタルな装いの曲を多めに採用したセットリストとなっていた。特に、孤独、やるせなさ、切望がつまった「Dear. Mr『F』」は、ACAねの情感たっぷりな歌声によって切なさを引き立てる圧巻のパフォーマンスだった。他の曲でも、音源とは違う音数を絞ったパフォーマンスが随所に見られ、ACAねの歌声がより鮮明に際立つ構成になっていた。

 他の楽曲にも「Unplugged」ならではのアレンジが施されており、曲に潜んでいた音一つひとつの面白さ、ACAねの声の魅力を新たに引き立てるものになっていた。あらゆる音を駆使して、遊ぶように音楽を生み出すずとまよにとって、「Unplugged」という“制限”のかかったライブは、新たな遊びを見出す絶好の機会だったのではないだろうか。

 曲だけ聴いてもハイレベル。MVを観るとまた新たな発見がある。ライブに来るとさらに面白い。何層にも渡るずとまよ沼、新たにハマってしまった人はぜひ、ライブまで落ちてみてはどうだろうか。

 ずとまよは現在、『果羅火羅武~TOUR』と題して全国ホールツアーを行っており、『MTV Unplugged』のような特別演出から、目の前のオーディエンスに音楽を届けていく大規模な有観客ライブに至るまで、すでに幅広い表現性を確立していると言えるだろう。そして、ツアー最終公演の翌週、2月16日には4thミニアルバム『伸び仕草懲りて暇乞い』がリリースされ、今回の『MTV Unplugged: ZUTOMAYO』の模様も初回限定盤に映像で収録される。ずとまよのライブの魅力を知る上ではぜひ手に取ってもらいたい必須アイテムであるとともに、多彩な楽曲で幅を広げた2ndアルバム『ぐされ』やそれ以降の配信シングルを経て、どのような作品に着地するのかという点でも要注目だ。

 2022年のずっと真夜中でいいのに。からも引き続き目が離せない。

ずっと真夜中でいいのに。『伸び仕草懲りて暇乞い』

■リリース情報
ずっと真夜中でいいのに。
MINI ALBUM『伸び仕草懲りて暇乞い』
2022年2月16日(水)リリース
CD予約はこちら
◉初回生産限定盤<1CD+BD(STEREAMING/DL)>
¥4,950(税込)/ UPCH-29422
・本編全曲オフボーカル(インスト)収録
・魔道書パッケージ仕様
・『MTV Unplugged:ZUTOMAYO』映像収録(約50分)
・プレイパス(R)対応
◉通常盤<CD>
¥1,980(税込)/ UPCH-20613

【収録曲】
・あいつら全員同窓会
・ばかじゃないのに
・猫リセット 
含む、全6曲収録予定

ずっと真夜中でいいのに。公式サイト

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