ZOC、6人体制最後のステージで見せた前衛的ライブ 新メンバー 吉良乃ジョナも初披露された中野サンプラザ公演
アンコールでは、次に登場するZOCは新メンバーを加えた体制になっていることを、会場にいる誰もが知っていた。ZOCは、大森靖子と雅雀り子がソロ活動で不在の場合でも「zoc」として活動することになり、それにあわせて新メンバーをZOC/ zocに加入させると発表していたからだ。
そして、アンコールが始まった。「family name」が再度始まると、ステージ上には7人の姿が。そして、新メンバーは1番の「察して」という歌詞を歌いだしたのだ。驚くほど堂々たる歌声で。
MCで紹介された新メンバーの名は、吉良乃ジョナ。彼女の挨拶が済むと、最後の「AGE OF ZOC」が始まり、ハイテンションのまま『ZOC 東京単独公演「ZOC CLUTCH 2021」』は幕を閉じた。大森靖子のステージへの深い一礼とともに。
2021年はZOCにとって激動の1年だった。日本武道館公演も遠い昔のようでいて今年2月のことだ。鎮目のどかの加入も2021年5月。そして、吉良乃ジョナの加入というさらなる変化とともに1年を終えようとしている。
私はまだ吉良乃ジョナがどんなポテンシャルの持ち主かを知らない。また、ZOCほどコロナ禍を歌ってきたアイドルもまた私は他に知らない。2021年6月の傑作アルバム『PvP』収録曲はもちろんのこと、鎮目のどかの「Fake baby」にも〈体温計を手首にあてて / 今日も私は大丈夫らしい〉という一節がある。
ZOCは時代と駆け抜けていく。炎上の業火に苦しみながらも、2021年の時代性を色濃く反映した作品と表現を異様なペースで残し続けた。コロナ禍の日本社会、そしてSNS。禍々しく歪なものこそをZOCは吸収して表現へと昇華していった。その異端の輝き、あるいは邪教のように迫害されながらもやめることのない祈りのような姿勢から、目を離すことができなかった。私の見開いた両目はまだZOCにとどまる。本人たちの意志とそれ以外の要因でZOCがひとつの「現象」のように駆動する姿を、2022年も見ていたいのだ。
大森靖子 ソロ写真
藍染カレン ソロ写真
西井万理那 ソロ写真
巫まろ ソロ写真
雅雀り子 ソロ写真
鎮目のどか ソロ写真
吉良乃 ジョナ
ライブ写真
<セットリスト>
01.ヒアルロンリーガール
02.チュープリ
03.LiBiDo FUSION
04.濃♡厚♡接♡触
05. IDOL SONG
06. draw (A) drow
07. SHINEMAGIC
08. CO LO s NA
09.Fake baby(鎮目のどかソロ)
10.うんめー(西井万理那ソロ)
11. えちえちDELETE(巫まろソロ)
12. 紅のクオリア(藍染カレンソロ)
13.りこりこ☆くろまじゅつ(雅雀り子ソロ)
14. NIGHT ON THE PLANET(大森靖子ソロ)
15.family name
16.①④才
17. REPEAT THE END
18. DON'T TRUST TEENAGER
19.ZOC実験室
20. A INNOCENCE
21. CUTTING EDGE
EN1. family name
EN2.AGE OF ZOC