Sexy Zoneメンバー分析 第1回:佐藤勝利、センターとして燃やす静かな闘志 グループ支える豊かな感受性の持ち主

 今年、デビュー10周年を迎えたSexy Zone。グループとしてはもちろん、近年は個々の活躍にも注目が集まる。彼らの経歴を振り返りながら、改めてその魅力を紹介したい。第1回は佐藤勝利。

 2010年10月30日、14歳の誕生日にジャニーズ事務所のオーディションに合格。入所前の佐藤は、音楽番組を観ることもほとんどなければ身なりにかまうこともなく、陸上部で中・長距離走に打ち込む少年だった。しかし、半ば無理やり連れていかれたオーディション会場で「スイッチが入った」という(※1)。

 2011年9月29日にグループが結成され、同年11月16日に『Sexy Zone』でCDデビュー。原石というにはあまりにも眩い輝きと、平均年齢14.4歳という若さでお茶の間を驚かせた。当時の佐藤の表情はまだあどけないが、瞳の強さは今も変わらない。

 佐藤自身は当時を「(若さゆえ)強気だった」とたびたび振り返っているが、年長2人ほど経験もなく、年少2人ほど無邪気にもなれずーー佐藤は、どこか自信なさげにそこにいる、とてもおとなしい少年という印象だった。

 そんな佐藤に与えられたのは、それまでのジャニーズにはほとんどなかった、正式な「センター」というポジション。もちろん、トークを振られる機会も多い。当時は語尾が聞き取れないほど小さな声で話すこともあった佐藤だったが、パフォーマンスに入ると途端に顔つきが変わった。Sexy Zone初期の楽曲では、セリフ調のパート(俳句を詠むという斬新なフレーズも)を任されることも多かったが、照れることなくバチっと決める。居るべき場所で、やるべきことをやりきる姿勢は今も変わらない。それでいて、いつまでも「普通の少年っぽさ」が失われないのが佐藤の不思議なところだ。

 音楽的志向の高さにも注目したい。幼少期から両親の影響でブラックミュージックに親しみ、ポール・マッカートニーの来日ライブを観たことをきっかけにギターを始めた佐藤。The Beatlesについては、音楽誌にてマニアックな知識と深い愛を語ったことも。堂本光一の舞台『Endless SHOCK』を観て以来、舞台への想いも強くした(※2)。好きなものには一直線で、突き詰めるタイプ。音楽、映画、舞台ーー感銘を受けたものに対しては、自然と言葉数も多くなる。芸術は、佐藤にとって尽きない興味・関心の対象なのだろう。

 豊かな感受性は、もちろん表現にも活かされる。ソロ曲はキラキラのアイドルソングから、ショーアップされたストーリー性のある楽曲までジャンルレスに挑戦。早くから作詞も手がけてきた。佐藤が発する言葉はまっすぐで繊細だ。大事な局面ほど多くは語らない佐藤だからこそ、その言葉には重みと信頼がある。

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