Stray KidsやTOMORROW X TOGETHER、ITZYら“第4世代”の台頭 『2021 MAMA』に見たK-POPの今

『2021 MAMA』に見たK-POPの今

 今年は、SMエンターテインメントの若手グループたちが韓国アイドルシーンを盛り上げた年でもあった。12月14日に完全体での3枚目のフルアルバム『Universe』の発売を控え、10日に新曲を先行リリースしたNCTは、NCT Uによるタイトル曲「Universe (Let's Play Ball)」の初ステージをエネルギッシュでワイルドに披露。ファン投票で決まる「Worldwide Fans’ Choice TOP10」を受賞したNCT DREAMとNCT 127はそれぞれミリオンを記録したアルバムとリパッケージアルバムから「Hot Sauce」「Hello Future」と「Favorite」「Sticker」をパフォーマンスし、中毒性のあるサビとメンバーたちの一糸乱れぬ圧倒的なパフォーマンスという共通点はありながらも、サイケデリックでポップなDREAM、光化門を軸に無限の時を旅するヴァンパイアをイメージしたドラマチックでダークな127と、異なる世界観を見せた。

aespa
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 一方、新人賞だけではなく「Best Dance Performance Female Group」を受賞し、2021年を象徴するガールズグループとなったaespaは、巨大な蛇やナビゲーター、アバターといった特有の世界観をそのままステージ上で再現し、「Black Mamba」「Next Level」「Savage」のパフォーマンスと共に観客を圧倒した。

TOMORROW X TOGETHER
ENHYPEN
Stray Kids
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TOMORROW X TOGETHER
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 NCTと同じくTOP10を受賞したTOMORROW X TOGETHERは、幻想的な「Frost」から荒野を走るロックテイストの「LO$ER=LO♡ER」を披露。後輩グループのENHYPENは耽美で退廃的な「Drunk-Dazed」からスポーティでフレッシュな「Tamed-Dashed (MAMA ver.) 」と相反する魅力を見せたあと、「Blessed-Cursed(祝福-呪い)」という相反するイメージの新しい活動を思わせる単語が表示された。HYBE所属の2組とも、MVの世界観を再構築してみせるというコンセプトで共通するステージを見せた。やはりTOP10受賞者のStray Kidsは、出演したMnetのサバイバル番組『KINGDOM』を思い出させるようなゴージャスなセットで、「CHEESE」「Hey,Monster!」「ソリクン」と気合の入ったパフォーマンスを披露。会場を熱くした。

Wanna One
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 そして、今年の最も大きな目玉となったのは、『PRODUCE101 SEASON2』から誕生し、国民的人気グループとなりながらも2019年に惜しまれつつ解散したWanna Oneによるスペシャル復活ステージだろう。韓国外にいるライ・グァンリン以外の10人が揃ったステージは、あの頃の輝きを失っていなかった。解散後はそれぞれがグループやソロ活動などでキャリアを積んでいるメンバーたちがこれだけ揃うことができたのは、“プデュ”シリーズの生みの親であるCJ ENM主催のアワードならではだろう。今回の『MAMA』にはCJ ENMが携わるサバイバル番組出身のJO1・INI・ENHYPENが出演しており、Mnetのサバイバル番組からは『SMTM』と共に今年韓国で最も話題になった女性ダンサーたちのサバイバル『Street Woman Fighter(SWF)』に出演した全グループもステージを賑わせた。幕間のユーモラスな啓蒙VTRやエネルギッシュな「Turbulence」「The Real (興 ver.) 」のパフォーマンスを披露したATEEZは、Stray Kidsと同じくMnetのサバイバル番組『KINGDOM』を盛り上げた立役者でもある。アワード中には新たなアイドルデビューサバイバル番組『Boys Planet』の開催もアナウンスされ、「放送/メディア自身がアイドルを作り出し、アワードを主催すること」がどのような方向性に向かっていくのかということが、如実に現れた年でもあったといえるだろう。

NCT DREAM
NCT U
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 一方で、SNS上のハッシュタグ投稿などファンによる投票のみで決まる「Worldwide Fans’ Choice TOP10」は現時点のファンダムの勢いの目安になるものだが、今年の最終的なラインナップはStray Kids、NCT DREAM、NCT 127、ENHYPEN、TOMORROW X TOGETHER、BTS、LISA(BLACKPINK)、SEVENTEEN、TREASURE、TWICE、と10組中4組を2018年以降デビューの「第4世代」と呼ばれるフレッシュな若手グループが占めることとなった。

 また、「Best Male Group」「Best Dance Performance Male Group」「Best Music Video」「Album of the Year」「Worldwide Icon of the Year」「Song of the Year」「Artist of the Year」を受賞したBTSはコメント動画のみの出演に。『SWF』のダンサーたちとのコラボでイ・ヒョリが最後のステージを担ったことで久しぶりに女性アーティストがイベントを締めることになり、結果的には会場の中心に映し出されていた「BREAK THE NORM」の文字にふさわしいアワードになったと言える今年の『MAMA』だった。

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