yonawoが遂げた、演奏や楽曲の飛躍的な進歩 最初で最後のSTUDIO COAST公演を観て

yonawo、新木場コーストレポ

 今年8月11日に2ndフルアルバム『遙かいま』をリリースした福岡出身の4人組バンドyonawoが、それを携えてのワンマンツアー『yonawo 2nd full album「遙かいま」release one man live tour』のファイナル公演を12月2日、東京・USEN STUDIO COASTにて行った。

 暗転した会場内にアンビエントなBGMが流れ、メンバーが登場すると大きな拍手が沸き起こる。カーペットを敷き詰めたステージの両端に荒谷翔大(Vo/Key)と野元喬文(Dr)が向かい合うように座り、田中慧(Ba)と斉藤雄哉(Gt)がその間に並ぶといういつものフォーメーションだ。

斉藤雄哉

 まずはアルバム『遙かいま』の収録曲で、野元のディレクションによるデビュー前の貴重な映像などで構成されたMVも好評だった、「浪漫」からこの日のライブはスタート。レイドバックしたシンプルなビートとリヴァーブをたっぷり効かせたギター、そして荒谷のメロウなボーカルがじんわりと溶け合う、曲名どおりロマンティックなナンバーだ。そこからメドレーのように演奏されたのは、アルバムからの先行シングル「ごきげんよう さようなら」。さらにメジャーデビューシングル「ミルクチョコ」へとスムーズに繋げ、まるで短編映画のオムニバスを観ているような気分を味わせてくれた。

 「yonawoです。よろしくお願いします」と、荒谷が短く挨拶した後に披露したのは「夢幻」。アルバム『遙かいま』の中ではインタールード的な役割を担っていた小曲だが、この日は気だるくも心をざわつかせるジャジーなピアノフレーズを延々とリフレインするエクスパンデッドバージョンで、大胆なテンポチェンジを途中に挟みつつオーディエンスをサイケデリックな世界へと導いていく。

 続いてパープルの照明の下で演奏した「恋文」は、細かいシンコペーションを繰り出す野元のドラムがボリュームペダルを駆使した斉藤のギターソロと官能的に絡み合い、かと思えば「sofu」では、5拍子を基調としたリズムの上で、斉藤と荒谷の美しいハーモニーを展開するなどプログレッシブなアレンジの楽曲を立て続けに繰り出し、かねてより定評のある演奏力を見せつけた。

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