Hey! Say! JUMP、NiziU、菅田将暉、あいみょん、RADWIMPS……11月24日リリースより新譜5作をレビュー

　彼女にとっては珍しく、何度も歌詞の推敲を重ねたという「ハート」（ドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』主題歌）は、好きな人に気持ちを伝える難しさ、思い描く関係を築き上げることの大変さを、研ぎ澄まされた言葉とメロディで綴ったミディアムバラード。誰もがすぐに理解できるフレーズばかりなのに、聴き返すたびに“これはどういうことなんだろう？”という疑問が浮かんできて、さらにリピートを重ねたくなるこの曲はシンガーソングライターとしての豊かな奥行きを十分に感じさせてくれる。必要最低限のトラックと楽器だけで構成されたサウンド、歌詞の一つひとつを丁寧に紡ぎ出すボーカルも、この楽曲が持つ切なさ、愛おしさ、痛々しさをしっかりと支えている。（森）

　記憶を積み重ね、選択を続けながら進む人生の揺らぎを描いた「海馬」、“君だけの意志で、君だけの人生を生きてほしい”という切実な願いを刻んだ「SHIWAKUCHA feat.Awich」、生き物のように変わり続ける東京の姿を映し出す「Tokyo feat.iri」フォーキーな旋律、菅田将暉の叙情的な歌声とともに、大切な人との出会いの不思議を綴った「うたかた歌」、2021年の夏の空気を投影したダンストラック「SUMMER DAZE 2021」などを含むニューアルバム。ギターロック、ヒップホップ、エレクトロなどを自由に融合したサウンドメイク、そして、ドキュメントのような生々しさ、神話のごとき普遍性を同時に伝える歌を軸にした作品だ。時代の流れとともに揺れながら、常に変化を続けるRADWIMPSの今がここにある。（森）