Who-ya Extended、リスナーに向けた“手紙”のような2ndアルバム 「VIVID VICE」ヒットから『WⅡ』制作までを語る

Who-ya Extended、“手紙”のようなアルバム

 TVアニメ『呪術廻戦』第2クールオープニングテーマ「VIVID VICE」がストリーミング再生1800万回超、『THE FIRST TAKE』で同曲を披露した動画は420万回を超える再生数を記録。この夏は、アニメ『NIGHT HEAD 2041』のオープニング「Icy Ivy」を担当し、初の有観客ライブを行った。今注目のWho-ya Extendedが、待望の2ndアルバム『WⅡ』をリリース。Who-ya自身ファンへの手紙と評する、Who-ya Extendedの今とこれからが体現されたアルバムになった。(榑林史章)【記事最後にプレゼント情報あり】

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Who-ya Extendedがどういう景色を見ているのかを感じてもらえたら

ーー今年は「VIVID VICE」のヒットや『THE FIRST TAKE』への出演、初の有観客ライブなど動きがたくさんありましたが、Who-yaさんの中で大きかったのは何ですか?

Who-ya:今年で言うと、ライブですね。7月にリリースした2nd EP『Icy Ivy』を購入していただいた方の中から抽選で100名という限定的な形でしたが、それまでファンの方と直接会う機会が無かったので、実際に自分が歌っている歌をリアルで聴いてくれている人が目の前にいるという状況が、すごく特別なものでした。今回の『WⅡ』は、その時の感謝の気持ちのまま作ることができたと思っています。

ーーお客さんを目の前にしたことで、曲の作り方や曲に対する考え方に変化はありましたか?

Who-ya:ライブ以降、曲を作る時も歌う時も、ライブの時の景色が頭の引き出しのどこかにあったので、そういう経験を経て制作を進められたのは、すごく貴重なことだったと思います。それに『THE FIRST TAKE』に出させていただいたこともあって、自分の歌っている姿をより多くの方に見ていただいたことで、1stアルバムよりもステージで僕が歌っている姿や演奏している姿を、よりリアルに感じてもらえる12曲になったんじゃないかと思います。まだまだ非現実っぽさもあるけど、より現実っぽくなったかな、と。

ーー『THE FIRST TAKE』の動画は420万回再生を記録しましたが、出る前に再生回数などは気にしていましたか?

Who-ya Extended – VIVID VICE / THE FIRST TAKE

Who-ya:正直、気にはしていなかったのですが。『THE FIRST TAKE』で歌った「VIVID VICE」は、アコースティックで原曲とは違うアレンジにしたので、いい意味でギャップを楽しんでもらえたのかと思います。再生回数以上に、多くの人に楽しんでもらえたことが大事だと思っています。

ーー「VIVID VICE」のMVのコメント欄には、英語圏だけでなく、中国や韓国などアジア圏からと思われる書き込みも多数ありました。Who-ya Extendedの活動の先には、世界も視野に入っていますか?

Who-ya Extended 「VIVID VICE」 MUSIC VIDEO TVアニメ『呪術廻戦』OPテーマ

Who-ya:僕自身、母親の影響でLinkin Parkが好きになったことをきっかけに洋楽を聴くようになり、90年代のミクスチャーロックだけでなく、常に最新の洋楽の動向もチェックしています。全編英詞で歌ったりというのがどれくらい先になるは分かりませんけど、僕が見据えている先では、いずれ海外でライブをしたいと思っています。それこそ「VIVID VICE」は英詞の曲ではないのに、Spotifyのグローバルチャートにもランクインできましたし。こういう積み重ねで、言語を超えて海外でも活動できる日が来たらいいなと思います。それに僕たちの曲には、日本人が読んでも「はて?」と思う歌詞がたくさんあるのに、普段日本語を話さない人たちが聴いて面白いと思ってくれるという心理は、どういうものなのかがすごく興味がありますね。サウンド感なのか、ボーカルなのか、言葉のハマり方なのか。

ーーそうした活動への新たな一歩となる2ndアルバム『WⅡ』ですが、制作する上で何かテーマみたいなものは考えましたか?

Who-ya:大きなコンセプトで言うと、この1年半で世界の形が大きく変わり、その中で生きてきた過程で僕の考えも変化して……。一瞬だったような長かったような、そんな前作からの1年半を過ごしてきた中でも、Who-ya Extendedは前進してきたと思っています。1stアルバムから1年半経って、今の立ち位置からWho-ya Extendedはどういう景色を見ているのかを、この12曲で感じてもらえたらいいなと思って制作しました。

ーーダークな曲がけっこう多くて、もともとこういうテイストがお好きだというのもあるんでしょうけど、コロナ禍で作ったらこういうテイストの曲が多くなるよなと思いました。でもそれは大人の立場から見た感想であって、きっとWho-yaさんと同世代の20歳前後の人たちは、こういう歌詞や曲にこそリアルさを感じるのかもしれないですね。

Who-ya:コロナ禍を意識して作った曲はもちろんありますけど、もともとこれまで歌ってきた曲も、人の苦悩とか葛藤などを浮き彫りにして、そこに少しでも寄り添えるものを作りたいと思って作ってきました。それが今コロナ禍で、世界中の人が同じような方向を見て苦しんでいる状況が長く続いているので、そこに対するアンサーというか。曲調としてディストピアというかダークなものが多いと言えば多いですけど、それが決して負の方向に捉えられないように、歌やサウンドは意識して作っていますね。

ーー作詞・作曲・編曲、すべてWho-ya Extended名義ですが、曲はどういう風に作っていったのですか?

Who-ya:Who-ya Extendedはクリエイターズユニットで、作曲をするクリエイターもいれば作詞をするクリエイターもいて。ビジュアルを作る人や音色をいじる人など、多種多様なプロが集まったプロジェクトです。自分が「こういう景色を見せられる曲が作りたい」とかテーマみたいなものを提示して、それを元に楽曲が組み立てられていきます。

ーーWho-yaさんから、ここはこういう音にしてほしいなどの意見も?

Who-ya:もちろん言いますし、歌詞については一旦僕がバっと書いたものなどを元にしたり、それをブラッシュアップしていきます。だから1曲に対して、いろんな角度からのアプローチが入りながら、どんどん研ぎ澄まされていくイメージです。

ーー1つの脳だけでなく、たくさんの脳が集まって作られているみたいな。

Who-ya:それこそ『PSYCHO-PASS』的な感じです(笑)。

ーー曲のアイデアを考えるために、どういうところからインプットしているのですか?

Who-ya:いろいろな音楽を聴くのは大前提として、それ以外は映画と小説が多いです。ミステリー小説が好きで、空き時間もよく本を読んでいます。映画もかなり好きなので、劇場にも行くし家でも見ます。小説なら東野圭吾さんや伊岡瞬さん。映画なら、脳みそをあまり使わずに楽しめるコメディ系も好きだし、逆に頭痛がするくらい考えないと理解できない映画も好きです。特に、伏線がありすぎて知恵熱が出そうな作品とか。挙げるとしたら、クリストファー・ノーラン監督の作品で、『TENET テネット』はIMAXで3回見ました。IMAXって高いから、その時は“『TENET テネット』貧乏”になりました(笑)。

ーー映画を見ながら、音楽にも意識が向きますか?

Who-ya:めちゃめちゃ向きますし、映画のエンドロールも全部見ます。エンドロールが流れている時の、「この映画すごかったな!」って思いながらBGMと共に読めない文字を読む、その時間がすごく好きなんです。

ーー余韻を楽しむみたいな。

Who-ya:そうなんです。『TENET テネット』は、音楽もすごく良かったですね。単純にトラヴィス・スコットが格好いいんですけど(笑)。トラヴィスは、ほかにもいろいろな映画のテーマソングを担当しているから日本でも耳にする機会が多いですが、そういうアーティストだけでなく、劇伴も映画を見終わってからサブスクでダウンロードして聴いています。「このシーンで鳴っている曲が良いな」とか思いながら見たり、いろんなところに興味が行ってしまうんです。ほかにミュージカル映画も好きで、そのサントラも聴きます。

ーーアルバム『WⅡ』は1曲目がインストの「WⅡ -prologue-」で、まさしく映画が始まりそうな感じだなと思いました。

Who-ya:それは意識しています。アルバムを1本の映画のように楽しんで欲しいと思って。

ーー歌詞は文学的で哲学的。『TENET テネット』のように、何度も読み返さないといけない伏線があって、小説からの影響が大きそうですね。

Who-ya:言葉遊び的な部分で作っているのもあるし、聴いた時の耳障りも意識します。韻をたくさん踏むのもそうです。直級勝負の面白さもあると思うけど、今は変化球の面白さを追求した言葉選びをしていますね。でも入り口は、曲として単純に楽しんで欲しいというのが正直なところです。難しく考えず、純粋におもしろいと思ってもらえれば、それがすべてかなと。

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