乃木坂46 生田絵梨花センター曲「最後のTight Hug」に表れる“らしさ” 涙で語った卒コンへの思い

 乃木坂46が12月15日にリリースするデビュー10周年を記念とした初のベストアルバム『Time flies』。そのリード曲である「最後のTight Hug」が11月5日より先行配信リリースされた。センターを務めるのは年内の活動をもってグループを卒業する生田絵梨花。楽曲が初めてフルオンエアされた『乃木坂46のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で生田とパーソナリティの新内眞衣が明かした話とともに「最後のTight Hug」、そして年末に向けて忙しなく動いている乃木坂46の現状に迫っていきたい。

生田絵梨花写真集『インターミッション』

 まずは「最後のTight Hug」について。作曲はもはやファンにはお馴染みと言える杉山勝彦。「制服のマネキン」にはじまり、「君の名は希望」「きっかけ」「サヨナラの意味」とグループにとって代表曲であり歌い継ぐべき曲を生み出してきた、乃木坂46にとってのクリエイティブ面における立役者である。近作では「僕は僕を好きになる」「ごめんねFingers crossed」といった2曲ーー特に「ごめんねFingers crossed」でボカロ曲を意識したサウンドに挑戦していただけに、バンドサウンドが前面に出た「最後のTight Hug」はいわゆる「君の名は希望」を筆頭とした誰もがイメージする杉山勝彦の切なさ溢れる音像と言えるだろう。

 ただ、これまでと違うのはその切なさに温かさが同居していること。イメージとしては杉山作曲の「路面電車の街」に近いものの、彼が得意とするアコースティックギターがオルガンのようなシンセサイザーに変わっていることでまた違った聴き心地を生んでいる。「きっかけ」「サヨナラの意味」のようなドラマティックな展開にはせず、あえて馴染み深い楽曲に落ち着かせているのは白石麻衣の卒業シングル曲「しあわせの保護色」にも通ずるテイストである。

 タイトルにある「Tight Hug」とは「ぎゅっと抱きしめる」の意味。人懐っこい生田がこれまでメンバーに後ろから抱きついていた姿を想起させるとともに、卒業コンサートでのその時をイメージさせる。〈引き止めちゃいけないんだ 僕だってわかっているよ 君の未来を変えてしまうことは できないってこと〉とメンバーを送り出す視点からの歌詞というのも、乃木坂46としては新たなポイントだ。

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