EXILEの20周年を振り返る 第6回:激動の10周年を経て磨かれていく個々のスタイル EXILE HIROの勇退で新たな未来へ

EXILEの20周年を振り返る 第6回

 その一方で、他のメンバーも続々と自分だけの居場所を見つけ始める。EXILEに加入して以来、パフォーマーとしてステージに立つ機会が多かったボーカルのSHOKICHIは、加入当初、「ずっと歌をやってきたので歌わないでここにいていいのか。俺じゃなく違う人が入ってもたぶんEXILEは何も変わらないかもしれない。(中略)一時期は自分の存在意義が分からなかった」(※3)と感じていたそうだが、2012年1月、自ら作詞作曲を手掛けた楽曲「Everlasting Song」(『EXILE JAPAN/Solo』収録)を発表し、自分のスタイルを確立。長年、思うように歌えないという悩みを抱えていたTAKAHIROも2012年4月、GLAYのHISASHIとともにロックバンド ACE OF SPADESを結成。EXILE TRIBEが集結した『EXILE TRIBE LIVE TOUR 2012 ~TOWER OF WISH~』の最終公演(2012年7月1日の札幌ドーム)では、HISASHI(Gt)、unkieやLOSALIOSで活動するTOKIE(Ba)、THE MAD CAPSULE MARKETSのMOTOKATSU MIYAGAMI(Dr)というベテランミュージシャンに囲まれながらも、堂々としたパフォーマンスを見せつけた。さらに同じステージでは、KENCHI、KEIJI、TETSUYA、NESMITH、SHOKICHIの5人から成る派生ユニット THE SECOND from EXILEの結成が発表され、11月7日にシングル『THINK ‘BOUT IT!』でメジャーデビューを果たす。

ACE OF SPADES / WILD TRIBE (Short.ver)
THE SECOND from EXILE / THINK ‘BOUT IT! (「悪の教典」 Devil Edition) -short version-

 遡ること2011年も人生の転機を迎えるメンバーが多かったようで、AKIRAのように念願の大河ドラマに初出演し、俳優として大きな一歩を踏み出す人もいれば、現在、コーヒーブランド「AMAZING COFFEE」のプロデューサーやLDH kitchenの取締役を務めるTETSUYAのように、人生を変えるほどのコーヒーと出会う人も(※4)。TETSUYAに至っては、雑誌『月刊EXILE』で連載「E.P.I.(EXILEパフォーマンス研究所)」をスタートさせたのもこの年で、そこでの活動が教育分野での活躍に繋がっていった(※5)。「EXILEはみんなの夢をかなえる場所」というグループの信念は、いつしか“EXILE TRIBEはみんなの夢をかなえる場所”へ。枠にとらわれず、自分の道を突き進んでいるオリジナルメンバーの背中を追うように、第二章・第三章のメンバーも、EXILEという太く育った幹から自分だけの枝を伸ばし始めていた。

 そんな次世代メンバーの姿に後押しされたのか、2013年4月3日には、EXILEの創設者であり、リーダーであるHIROが「2013年をもって、EXILEとしてのパフォーマー人生に一区切りをつけ、EXILEの未来を創る新たなステージへ踏み出すことを決意いたしました」(※6)と、年内での勇退を発表。この日は41stシングル『EXILE PRIDE ~こんな世界を愛するため~』のリリース日でもあり、そのインタビューの中で、ATSUSHIが「この世界を愛するために、次の世代に向けて明るい未来を創っていくためにPRIDEを持つんだという想いを込めて、サブタイトルをつけました」、TAKAHIROが「“EXILE PRIDE”を、2013年という特別な年にあえて一斉に掲げることで、またみんなの想いが一つになり、1年をとおしてEXILE PRIDEという想いを表現して、来年へとつなげていく。これまで活動してきたことを誇りにしながらも、次のステージを見据えていく……そういうキッカケになる年になると思います」(※7)と語ったように、14人の心を1つにして回った全国ドームツアー『EXILE LIVE TOUR 2013 “EXILE PRIDE”』の最終日・東京ドーム公演では、新パフォーマーを選出する『EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION』を開催することが明らかとなった(※8)。

 頼もしいメンバーに胴上げをされ、涙を浮かべながらパフォーマーとしてのラストライブを終えたHIROは、2013年末に放送された『第64回NHK紅白歌合戦』に出演し、「本当にたくさんの方に支えられて今の僕らがあると思っています。来年はさらに進化したパフォーマンスを皆さんにお見せしていけるように頑張ります」(※9)とコメント。新たな出会いと、さらに輝きを増すEXILEに期待を膨らませながら、24年のパフォーマー人生に幕を降ろしたのだった。

※1:https://www.barks.jp/news/?id=1000072224
※2:https://www.barks.jp/news/?id=1000088970
※3:https://hochi.news/articles/20180222-OHT1T50252.html
※4:https://www.tokyoheadline.com/485274/2/
※5:https://style.nikkei.com/article/DGXMZO45561270R30C19A5000000/
※6:https://www.oricon.co.jp/news/2023287/full/
※7:https://www.neowing.co.jp/interview/music/exilepride2013
※8:https://www.daily.co.jp/gossip/2013/09/28/0006375309.shtml
※9:https://mdpr.jp/news/detail/1314123



インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる