Kaz(INTERSECTION)、際限のない表現者としての可能性 満島ひかりら魅了する独創力に迫る

 そして『CODE LOVE』のラストナンバー「Summer is Over」に参加したのは、Kazと同じくハーバード大学に通っているシンガー・Mai Anna。 両者で作詞の共同制作も行ったという同曲は、夏の終わりの切なさのなかで情熱的に展開される恋愛が主題となっており、Kazは「夏の終わりの情景が浮かぶような優しいメロディですがちゃんと温度があり、人の肌を感じるようなタッチに仕上がりました」とコメントを寄せている。小沢健二「彗星」、CHAI「愛そうぜ!」などのMVで知られ、“細胞アニメーション”と称されるノンナラティブ作品を制作するアニメーション作家・水江未来の手がけるMVも公開された。新たな解釈で生まれたストーリーで構成されており、「失楽園」をテーマに抽象性やメタモルフォーゼ、トリップ感満載の水江ならではの世界観に注目が集まっている。

Kaz / Summer is Over feat. Mai Anna

 ジャンルを軽やかに行き来するバイタリティとそれを実現させる確かな音楽的バックグラウンド。そして多様なアーティストとの共同作業のなかで作品性を拡張させ続けるピュアなクリエイティビティを併せ持つKazから感じるのは、ワクワクするほど際限のない表現者としての可能性だ。10月には中国雑誌『WAVES』の表紙を飾ったことでNYタイムズスクエアに広告が掲載されるなど、今後よりグローバルに広がっていくことが予期されるファン層に向けて、その作品性にどのような変容が生まれるかにも注目していきたい。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる