Snow Man、1stアルバムが記録的数字でチャート首位に 歌とトラックの完璧なバランスが織り成す“新時代の決定打”

 さらにMV公開中の「EVOLUTION」。最初に炸裂するのは派手なシンセとエフェクトの効いたボーカル。主役と伴奏で分けるのは不可能で、どちらも必要なパーツとしてドアタマから「もっていかれる」感じです。そしてすぐに始まるゴージャスなサビ。メロディの強さと同じくらいキックの強さが半端ない。ダンサブルなビート感覚とシンセの使い方、Aメロ→Bメロの考え方から解放された構成など、かなりK-POP的なプロダクション、すなわち国際的な曲ですね。乱れることのないキレキレのダンスも相まって、これがジャニーズから出てくるのかと驚く人も多いのではないでしょうか。

Snow Man「EVOLUTION」Music Video

 ここから見えるのは、よく近田春夫氏が指摘しているとおり、「歌」か「トラック」かという考え方の違いです。Aメロ→Bメロと引っ張り、サビで一番の見せ場を作るのがJ-POP的感覚であり、あくまで主役は歌と歌詞、そのバックとしての伴奏がある。対してK-POPは次第に盛り上げていく発想が希薄で、最初にドーンとサビが放たれ、その周りにラップなどの装飾が配置される。好みがどちらであれ、Snow Manはその両方に完璧な対応を見せているわけです。

 Sexy ZoneやKing & PrinceのアルバムにもEDM風ダンスチューンや全英語詞のナンバーは存在しました。キラキラしたジャニーズ王道を守りつつ、同時に世界へのアプローチを意識する。そんな動きは若手グループの中で今や常識なのかもしれません。ただ、『Snow Mania S1』はその決定打。Snow Man以降、みたいな潮流が出てきてもまったく不思議はないですね。それだけこのアルバムはサウンドが新しい。全曲を聴き終え、革命を目の当たりにした気分になりました。

 ジャニー喜多川氏亡き後、滝沢秀明が牽引していく令和ジャニーズ。その狙う先がはっきりと見えた気がします。これは……すごいことになりそう。

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