King & Prince、HYDE、GENERATIONS、GLAY、SHE’S……10月6日リリースより新譜5作をレビュー

 メンバー全員が作詞・作曲に参加した前作『NO DEMOCRACY』以来、約2年ぶりにリリースされるニューアルバム『FREEDOM ONLY』は、ほぼ全曲のソングライティングをTAKUROが担当。過去のデモ音源を聴き返し、“当時では実現できなかったことや思いつかなかったことを、今の技術とセンスで具現化する”というアイデアに辿り着いた。その結果として本作は、GLAYらしさと斬新な表現が絶妙に絡み合うアルバムに仕上がっている。コロナ禍の東京の風景を描いた「Winter Moon Winter Stars」、分断や格差の問題を歌詞に反映させた「FRIED GREEN TOMATOES」など、“今”をリアルに感じさせる楽曲も収録。『FREEDOM ONLY』に込めた“自由になるには何かと別れなくてはならない”というテーマが示す通り、自己模倣に陥ることなく、リスナーの期待を凌駕し続けるロックバンドの理想がここにある。(森)

【GLAY ARENA TOUR 2021 "FREEDOM ONLY"】

 「引き算ではなく足し算で面白さを見出すゾーンに入ってるんで、今」とは、バンドのフロントマンを務める井上竜馬(Vo/Key)の言葉(※1)。SHE’Sの新アルバム『Amulet』は具体的な作品テーマを設けず、日常の様々な場面でリスナーの“お守り=Amulet”になるような楽曲を集めた一枚に。「Delete/Enter」や「追い風」など、気合いの入った力強い楽曲もさることながら、ゴスペル要素を取り入れた「Imperfect」、1980年代リバイバルの風を感じる「Do You Want?」など、従来のサウンド作りに先に引用したような“足し算”をすることで、バンドとしてピアノロックの枠組みに収まらない、ポップな方面への求心力をますます強めたことが窺える。スロウ〜ミドルテンポにR&B的な風味も感じつつ、井上の甘い歌声が心に染み渡る「If」「So Bad」など、心がふわっと軽くなるような名曲もまた秀逸。(一条)

SHE’S – Amulet【MV】

(※1):https://realsound.jp/2021/09/post-865998.html

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