マキシマム ザ ホルモン、HYDE、THE YELLOW MONKEY、あんさんぶるスターズ!……歓声NGを逆手にとった“ライブ現場の今”

 コロナ禍になってから音楽ライブの形が変化している。新型コロナウイルス感染症対策に伴い、客席が間引かれる会場が増え、入場時に消毒や検温をするルールが新しく設けられた。観客もマスク着用が義務となり、当然ながら観客は声を出すことができないなど、制限も増えている。コロナ禍以前は当たり前だった歓声もライブからなくなり、一緒に歌うこともできなくなった。観客側の楽しみ方も変わってしまったのだ。しかし客席から声を出すことができなくとも、ステージとコミュニケーションを取る方法や、かつてのライブの雰囲気を取り戻す方法を模索しているアーティストも多い。

『はじめての マキシマム ザ ホルモン マスク「ESSENTIALS」』(REGULAR STYLE)

 マキシマム ザ ホルモンは、全席・顔面指定席ライブ『面面面~フメツノフェイス~』という変わったコンセプトのライブを行った。このライブは「ノンコッテリー(さわやか)」「コッテリー(濃い目)」など顔の系統によって、チケット抽選に参加できるかが決まるというルールが設けられたライブである。過去にも「1足のストッキングを2人ペアで顔面に被ってライブを観ること」など独特な応募条件があるライブを行っていたマキシマム ザ ホルモン。今回はより参加しやすい条件になり、チケット応募時から多くのファンが楽しめる仕掛けが用意されていた。また、コッテリー組は「自分が思うコッテリと思うものを入れた手作りマラカス」など、顔面カテゴリーごとに条件の違う鳴り物を作って持っていくことも勧められている。歓声の代わりに手作りマラカスなどの持参アイテムを鳴らすことで、ライブの興奮をファンがステージに伝えることができるのだ。

 ライブ中に鳴り物を鳴らすアイデアは、他のアーティストも行っている。MUCCはライブツアー『202X 惡-The brightness world』のグッズで中声(光るミニタンバリン)、声(鈴付きバンド)、大声(光るタンバリン)という3つのアイテムを販売。声を出せない代わりに鳴り物を導入することで、ファンが新しい形で盛り上がりを表現することができるようになった(メンバーの希望で小太鼓やトライアングルなど一部の楽器を持ち込むことも可能に)。

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