King & Prince、HYDE、GENERATIONS、GLAY、SHE’S……10月6日リリースより新譜5作をレビュー

 毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は10月6日リリース作品より、King & Prince『恋降る月夜に君想ふ』、HYDE『NOSTALGIC』、GENERATIONS  from EXILE TRIBE『Unchained World』、GLAY『FREEDOM ONLY』、SHE’S『Amulet』の5作品をピックアップした。(編集部)

 King & Princeの新曲「恋降る月夜に君想ふ」は、平野紫耀の主演映画『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル』の主題歌。映画にあわせて“月”や“かぐや姫”をモチーフとした同楽曲は、ジャニーズ事務所の所属グループたちが脈々と受け継いできた、王道J-POPのラブソングのど真ん中を進むキャッチーなメロディが特徴的だ。特に、EDMで言うところのビルドアップ的に楽曲タイトルを古典風に読み上げるサビ前の盛り上がりは随一。老若男女に広く親しまれる、いい意味で非常にわかりやすい楽曲である(その上で、永瀬廉が1番Bメロで放つ早回しのパートは、他とは少し異なるアクセントとして特に輝いていた)。そのほか、R&B〜AORジャンルの寵児であるシンガー・向井太一と、彼の楽曲を数多く手掛けるCELSIOR COUPEによる「泣き笑い」(初回限定盤A収録)も必聴。(一条)

King & Prince「恋降る月夜に君想ふ」YouTube Edit

 耽美なイメージに覆われたサウンドメイク、そして、深遠にしてシリアスな心象世界を映し出した1stソロアルバム『ROENTGEN』(2002年)。ソロアーティスト・HYDEの出発点であると同時に、創造性の原点でもある同作を再現するオーケストラツアー『20th Orchestra Tour HYDE ROENTGEN 2021』とリンクしているのが、新曲「NOSTALGIC」だ。荘厳な響きをたたえたオーケストラからはじまるこの曲には、ダークな美しさを増幅させたメロディライン、痛みと甘美が溶け合うような歌詞を含め、HYDEにしか体現できない音楽世界が広がっている。危うい官能性を注ぎ込んだボーカルも、まさに唯一無二だ。カップリング曲「ZIPANG -HEIANJINGU ver.-」では、日本の古典楽器の音色を活かしたアレンジにより、和的なエキゾチズムと称すべき音像を描き出している。(森)

HYDE-NOSTALGIC

 今年7月に6thアルバム『Up&Down』をリリース。デビュー10周年を目前にしてさらに飛躍を続けているGENERATIONS from EXILE TRIBEのニューシングル「Unchained World」は、Netflixで配信中のアニメ『範馬刃牙』(「刃牙」(バキ)シリーズ第3部のアニメ化)のエンディングテーマ。攻撃的なギターリフ、重厚かつスピーディーなビート、さらに最新鋭のEDMを組み合わせたサウンドメイクは、まさに2021年のミクスチャー。〈誰もが夢追うことを 許されているこの世界/簡単にいかない じゃなきゃ追わない〉というラインは、アニメの世界観と重なりつつ、大きな夢に向かって進み続けるGENERATIONSのメンバー自身の姿も投影されているように思う。音楽性、歌詞のメッセージの両方において、強烈なインパクトを感じさせるアッパーチューンだ。(森)

GENERATIONS from EXILE TRIBE / Unchained World (Music Video)

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