NOA、Ayumu Imazu、INTERSECTION……“逆輸入アーティスト“増加の背景を考察
逆輸入アーティストが増加している背景としては、まず、アーティスト自身の海外志向が挙げられるだろう。いわゆる“Z世代”である彼らは、物心がついたときからネットを駆使し、YouTubeやストリーミングなどを通して、海外のアーティストを身近に感じてきたはず。世界の音楽シーンを邦楽・洋楽といった区別にとらわれずフラットにとらえるセンスはもちろん、グローバルポップのクオリティに近づくための情報収集や楽曲制作のスキルにも長けている。
また、国内の音楽事務所やプロダクション、レーベルにも、海外志向のアーティストをサポートする体制が整いつつある。BTSの世界的ブレイク以降、“日本のアーティストを世界に送り出したい”という機運は急速に高まっている。ここで取り上げた3組がアジア全域で知名度を上げつつあるのは、音楽業界全体の意識とシステムの変化と無関係ではないだろう。
もちろん、その中心にあるのは、アーティスト自身の才能と魅力、そして、国内に留まらず、世界に向けて自らの表現を発信したいという意思。日本のアーティストが、世界中のオーディエンスを熱狂させる。そんなシーンを目にするのも、そう遠い未来ではないかもしれない。