アイドルフェス『TOKYO IDOL FESTIVAL 2021』への期待 コロナ禍開催におけるトライアル的要素も

 アイドルフェス『TOKYO IDOL FESTIVAL 2021』(以下、『TIF』『TIF2021』)が、10月1日から3日にかけてお台場青海周辺エリアにて開催される。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により開催中止となった昨年は、その代替としてオンライン形式の『TOKYO IDOL FESTIVAL オンライン 2020』を開催。『TIF』名物ステージの、HOT STAGE、SMILE GARDEN、SKY STAGEはそのままに、LOFT STAGE、CG labo、バーチャルTIFといった3つのステージを新設。特に、CGで作られたCG laboやバーチャルアイドルたちによるバーチャルTIFは、『TIF』としての新たな試みとも言えるステージだった。

 さらに、3日目の大トリを2010年の初回以来10年ぶりに『TIF』へと出演した、ももいろクローバーZが担当。10年前と同じセットリストを披露したライブの前半は、ファンの間でも大きな話題となった。そのももクロの裏ではBiSHが熱いパフォーマンスを繰り広げたほか、乃木坂46 4期生、日向坂46といった坂道グループ、さらには見逃し配信にIZ*ONEが登場するなど、キャパシティや場所に縛られないオンラインだからこその豪華かつグローバルなラインナップが実現した。

 正式な『TIF』として実に2年ぶりとなる今年は、本来の有観客の形式に戻りつつも、オンライン視聴も可能なスタイルを取る。例年の無料観覧エリアの設置はなくし、有観客ステージはHOT STAGE、SMILE GARDEN、DOLL FACTORY、SKY STAGEの4つ、配信限定ステージとして昨年に引き続き、バーチャルTIFではバーチャルアイドルのステージが展開される。

 従来の『TIF』と昨年のオンライン形式とのハイブリッド型とも言えるステージ展開だが、タイムテーブルを見ていると昨年からそのラインナップが見劣りしてしまっている点はどうしても否めない(ただ、3日目の大トリがいまだ「調整中」とあることから直前に発表になる可能性もある)。実際、全日程合わせて200組以上のアイドルが出演した昨年に比べて、今年は170組以上と少なくなってしまっているのが現状。SMILE GARDENやSKY STAGEといった、『TIF』のあの景観に愛着を持っているアイドルファン以外は、なかなか集客が難しい年となるのではないだろうか。

 ただ、総合プロデューサーの菊竹龍氏が「有料来場者数もその規制に準じたものになります」と公式でコメントしているように、約9万人が来場した2019年からは大幅に少なくなることは開催前から分かりきっていること。見方を変えれば、トライアルな節目となる内容にもできるということだ。長濱ねるが新チェアマンに就任したこと、さらには築き上げてきた10年の歴史を大切にしながら、多種多様な現在のアイドルシーンを象徴する思いが込められた新たなロゴマークがその象徴となっている。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる