乃木坂46 樋口日奈&岩本蓮加が語る、11年目の新たなスタート 継承しながら生まれ変わっていくグループの現在地

乃木坂46 樋口日奈&岩本蓮加インタビュー

 乃木坂46が28枚目のシングル『君に叱られた』を9月22日にリリースした。この夏〜秋には、1期生の高山一実や3期生の大園桃子がグループを卒業。さらに、年末には新たに5期生も加入予定という状況を考えると、乃木坂46は10周年にして新たな過渡期を迎えていると言えるだろう。

 今回リアルサウンドでは、1期生の樋口日奈、3期生の岩本蓮加にインタビュー。表題曲「君に叱られた」は、樋口自身も「『これ、乃木坂が歌うんだ?』と戸惑った」というほどフレッシュで、前述したようなグループの新しい色を象徴する楽曲となっている。パフォーマンスやMVもユニークで、初センターを務めた4期生・賀喜遥香を中心としたフォーメーションの魅力をたっぷりと味わうことができる。そんなニューシングルや夏のツアーの手応えから、“10周年の先”に向かっていく乃木坂46の未来のことまで、樋口、岩本にたっぷり語ってもらった。(編集部)

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一つひとつの公演をかみしめた2年ぶりの全国ツアー

ーー7~8月には2年ぶりとなる全国ツアー『真夏の全国ツアー2021』を大阪、宮城、愛知、福岡で行いました。地方での有観客ライブは久しぶりかと思いますが、終えた今の手応えはいかがですか?

樋口日奈(以下、樋口):やっぱり夏になると毎年全国を回っていたから、2年ぶりと聞いてすごく不思議な感じがしました。関東以外で最後に有観客ライブをしたのが昨年2月の名古屋でのバースデーライブ(『8th YEAR BIRTHDAY LIVE 2020.2.21~24 NAGOYA DOME』)で、世の中がこういう状況になる前のギリギリのタイミングでしたし。だからこそ今年はツアーで回れて、少しでもその土地の方々に見てもらえたので、喜んでもらえていたら嬉しいなという気持ちです。

岩本蓮加(以下、岩本):「乃木坂の夏といえば『真夏の全国ツアー』」みたいな感覚があるし、しかも今回は福岡公演で結成10周年と同期(大園桃子)の卒業が重なるという、すごく大切なタイミングで。お客さんは声を出せないけど、それでも有観客でできたのは救いというかありがたいなと思いました。やっぱりこういう状況になってから、ファンの人が近くで応援してくれるありがたさを改めて実感できたので、一つひとつの公演を大切にやることができたなと思います。

樋口日奈

ーーこの2年で卒業生も増え、新4期生が加わることで、同じ曲をパフォーマンスしていても景色などが2年前とは変わってきているのかなと思いますが。

樋口:リハの時点から、オリジナルメンバーがまったくいない曲がいくつかあって、そういうところでは作るのが結構大変でした。今いるみんながやったことのないポジションもあって、一つひとつ作っていく時点でもう……。特にアンダー曲だと、すでにいないメンバーのほうが多いから、不思議な気分です。でも、そこまで人が変わっているから違和感があるかというと、それはまた違って。例えばライブで披露すると曲ごとの盛り上がり方や熱量は変わらないから、そんなに違和感はないんですよ。

岩本:私は去年の2月、名古屋でやったバースデーライブですごくありがたいことにセンターをやらせていただく曲が増えていて。でも、そういった先輩のポジションにすごく重みを感じてしまいました。先輩のポジションをやらせていただくというのは、その曲の色を先輩と同じものにするべきか、それとも自分なりの色で表現するかでも迷いますし、それを観るファンの方もワクワクしたりハラハラしたりすると思うんです。先輩のあとを継げるのはありがたいけど、そう簡単なことでもないので、後輩もいろいろ考えてちゃんと向き合わないといけないなと実感しました。

ーーでも、観る側としての違和感というか、誰かの代わりみたいな感覚はほぼないんですよね。例えば、今回のツアーで山下美月さんが「ガールズルール」でセンターに立つと、「乃木坂ってこういう空気感だよな」と歴史を継承しつつ新しいものを見せている感じが、ちゃんと作れていると思いましたし。

岩本:よかった。嬉しいです。

岩本蓮加

ーー4期生は2年前が初ツアーで、今年からは本格的に参加。かつ新4期生たちはこれが初めてのツアーでした。彼女たちの成長は、おふたりの目にはどう映りますか?

樋口:あんまり先輩らしいことは言えないけど、みんなすごく一生懸命。すごく緊張していて初々しさもあって、初心を思い出させてくれたというか。私たちも最初の頃は、ライブの1回1回で緊張しまくっていたなと思い出させてくれたので、そういう存在が身近にいるのはすごくありがたいです。私たち1期生は初期の頃、ガチガチで心底楽しむことが難しかったけど、4期生や新4期生のみんなには早く「楽しい!」と思ってもらえるようになったらいいなと。そのためにも私たちが環境作りをちゃんとしたいなと思いました。

岩本:確かに。それに、私たち3期生が入った頃よりも積極的な子が多いと思います。冠番組の『乃木坂工事中』(テレビ東京系)でも、3期生は慣れるまでかなり時間がかかったんですけど、後輩たちはちゃんと話せる子が多いし、自分から物おじせずに積極的に話せる子が多いので、それは3期生にはなかったもので良いことだなと。先輩との距離の詰め方も上手な子が多いですし、乃木坂46がこの先も変わらず仲良くあるためには必要なことなので、みんな素敵だなと思います。

「かっきー(賀喜遥香)のピュアさにピッタリな曲」(樋口)

ーーその全国ツアーですが、地方公演ラストとなる福岡公演初日(8月21日)は乃木坂46結成10周年セレモニー、2日目(22日)は3期生の大園桃子さんの卒業セレモニーとして行われました。

樋口:自分たちも10年ですけど、いつも周りで支えてくれているスタッフさんやお仕事で関わってくださっている方も一緒に10年を重ねたんだと思うと、本当にすごいことですよね。私自身もまさかここまで乃木坂にいるとは思わなかったし、いつ辞めるかも全然想像していなかったし。自分でもいつまで乃木坂にいるのかもわからないですけど、まだまだ楽しみたいなと思っています。

ーー岩本さんもこの9月で加入5周年でしたね。

岩本:そうなんです。3期生は休業とかはありましたけど、誰も欠けずに5年も続けてくれたことで、12人でいることにすごく意味を感じています。やっぱり桃子が一番危ういところにいたから、もしかしたら辞めちゃうんじゃないかと思う瞬間も何度かあったけど、ここまで卒業せずに頑張ってくれて。まさか桃子が「この5年間、幸せだった」と感じてくれる日が来るとは思ってもみなかったです。3期生が乃木坂に入ったときは吉田綾乃クリスティー以外全員未成年だったので、そう考えるとみんな子供すぎてうまくいかないことのほうが多くて。でも、5年経った今はみんなすごく仲が良くて、一緒にいることで安心する心地よい関係になれたから、5年の積み重ねって本当にすごいんだなと感じました。私と(伊藤)理々杏が年少組だったんですけど、その2人以外は全員成人して、私も来年で高校卒業と考えると、月日の流れが凄まじいです(笑)。

ーー4年前の3期生曲「思い出ファースト」のMVが新たに制作され、大園さんの卒業タイミングに公開というトピックも感涙ものでした。

岩本:何度でも見返しちゃいますよね。あんなに素敵なMVをこのタイミングに撮影していただけたこともすごく嬉しかったですし、あんなに素の私たちを、私たちの大事な曲に乗せてMVにしてもらえたことも本当に幸せで。完成したMVを観たときはみんなウルウルしていましたし、いい思い出ができました。

乃木坂46『思い出ファースト』

ーーそういう節目を経て、この28枚目のシングルで11年目の新たなスタートを切るわけですね。今回、このシングルの表題曲「君に叱られた」を最初に聴いたときはどう思いましたか?

樋口:今までの乃木坂の曲とはイメージがちょっと違っていたので、「これ、乃木坂が歌うんだ?」と戸惑ったのが正直な感想でした。最近の乃木坂の曲ってカッコよかったり、綺麗な感じの世界観が続いていましたし、こういうフレッシュな曲調が自分の中の乃木坂像になかったので、この曲をみんながパフォーマンスする想像ができなかったんです。でも、振り入れをして音楽番組で披露させてもらっているうちに、「すごくいい曲だな」と気づいて。聴けば聴くほどメロディや歌詞が頭に残って抜けないし、なによりセンターのかっきー(賀喜遥香)にすごくピッタリで。かっきーはまっすぐで一生懸命頑張る子だから、そのピュアな感じにピッタリな曲で、乃木坂に新しい風が吹くのかなと考えるようになりました。

ーー1周してまたリスタートを切るような、そういう新鮮さですよね。

樋口:まさにそういう感じです。みんなが笑ってパフォーマンスできる曲なので、きっとファンの方も観れば観るほどいろんなメンバーの表情を見つけられるんじゃないかと思います。

ーーなるほど。岩本さんはこの曲を初めて聴いたとき、どう思いましたか?

岩本:私も初めて仮歌を聴いたとき、確かに「これまでの乃木坂とは違うな」と感じたんですけど、リズムも軽やかで曲調も明るいこの曲をかっきーが歌って踊ると想像したときに、「それはすごく楽しみだし、ピッタリだな」と思ったんです。しかも歌番組で披露して収録を重ねていくうちに、モニターを観るとみんなの笑顔がすごく輝いていることに気づいて。「これはみんなで楽しく踊って笑顔になる曲なんだ」と思うと、曲中ほかのメンバーとアイコンタクトを取るのも楽しくなりましたし、そういうすべてがすごく乃木坂らしいと思うと、パフォーマンス込みで観てもらうのが一番いいなと感じました。

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