「煩悩解放運動」特別対談
白濱亜嵐×村田実莉が語り合う、PKCZ®の革新的なクリエイティブ 同世代の二人が考える“本能的に楽しむ大切さ”
同世代の二人が共有するカルチャーと価値観
ーーでは、実際コラボレーションしてみて、お互いに共鳴・共感する部分はありましたか。
白濱:僕は自分のことを「奇才に憧れる凡人」だと思っているんです。奇をてらったものや変わったことが好きなのですが、僕自身は単純なので、実莉さんが持っている世界観は勉強になったし、刺激にもなりました。中学生の時から奇才に憧れてきたので、ようやく見つけた奇才の師匠だと思っています。
村田:自分では奇才とは思っていませんよ(笑)。亜嵐さんは、パフォーマンスの見せ方にバリエーションがたくさんあるんですよね。一般的な「かっこよさ」を目指していないし、枠に閉じこもっていないので余裕があるなと感じました。最近、本当の「かっこいい」って何だろうと考えるんですが、それって結局「格好つけないこと」なんですよね。定番化されたかっこいい表情や動きよりも、その人らしさそのものがオリジナリティなのであって、それが自然に出てくる方だったので、やりやすかったんだと思います。尖ったことに余裕のある状態で取り組む姿に貴族感を感じました(笑)。神々の遊び感というか。
ーーお二人は同年代ですけど、そういうところでも共通する感覚があったりするんでしょうか。
村田:00年代バイブス的な?
白濱:確かに00年代初期のものは好きなんじゃないかなと思います。僕は「煩悩解放運動」のジャケットを見た時にWindows XPのデスクトップみたいだなと感じたんですよ。あの時代のものってライブや演出のヒントになる気がするのですが、その辺りの感覚は共通しているのかなと。
村田:そこは共通言語としてあると思います。00年代は明るいもので、カラフルなイメージですね。私は、バカ殿様とミニモニ姫。の「アイ~ン!ダンスの唄」が好きだったんですよ。そういう明るいものが真ん中にあった気がします。
白濱:僕は当時ゲームボーイアドバンスのカラーバリエーションがたくさんあって、そのなかで個性を出そうとする小学生でした(笑)。オーソドックスなパープル色のものは持ちたくないと思ってて。なのでレアなクリアブルーを見つけて買ってもらっていましたね。
ーー亜嵐さんはカセットテープで音楽を聴いたり、昔のカルチャーにリスペクトがあると以前から話していますが、村田さんは過去のカルチャーからどんな影響を受けているんでしょうか。
村田:そういう意味では60年代や70年代だと思います。王道ですがThe Beatlesやヒッピー文化などに憧れがあって、「そういう歴史があって今があるのか」と感じたのを覚えてますよ。あとは自分の生きていた年代でいうと、小学生の頃のものが好きですね。NHKの番組が好きで『ハッチポッチステーション』などでワクワクしていました。ああいう世界観やエンタメに憧れて、影響を受けた気がします。
白濱:僕もThe BeatlesやThe Whoは好きでした。あと僕が使っているレコードプレイヤーは60年代のブラウン社製のものなんです。アップルが影響を受けているくらい、ブラウンの製品ってデザインがクールなんですよ。シティポップもそうですが、ゆとり世代にとってはその頃の文化は新鮮で。
「煩悩解放運動」が今の世の中に与えるもの
ーーなるほど。PKCZ®はVR空間での新曲発表が続いていますが、今後もこの流れは続いていくのでしょうか?
白濱:続いていくと思います。PKCZ®というグループは、VR内で登場してもピッタリなんですよ。パフォーマンスグループだとまだまだ技術的に難しいと思いますが、僕らがDJだからこそできることなんです。家に帰ってNetflixを観るような感覚でVRの世界に行くのが当たり前になっていくと思うので、その先駆けになって定着した時に、「俺ら5年前からやってたよ」と言えたらいいなとメンバーとも話しています。
村田:トラヴィス・スコットがライブしたりして、アメリカではVRがメジャーな表現方法になってきていると思いますし、今後もちろん流行ると思います。eスポーツが認められたり、ゲームのイメージも変わってかっこいいと思われるようになっているので、楽しみな分野ではありますね。
ーー最近は社会に対して影響力を持ち、メッセージを発信するアーティストが増えていますが、お二人はご自分の社会における役割をどのように感じていますか。
白濱:特に役割を感じることはありませんが、発信すべきことはした方がいいと思います。でも、そうなりすぎると視野が狭くなるとも感じていて、基本は楽しいバイブスで活動できればと。発信したいことは音楽やMVのなかに入れるようにしているので、そこで感じとってもらえれば嬉しいです。
村田:私も自分の作っているものが自分の発言だと思っているので、作品や活動を見て、誰かの癒しや救いになればと思っています。あと、一見して意味不明なものって面白いと思うんですよ。もちろん私は何かと紐づけて意味を見出してはいますが、鑑賞する側にそれは問われないので、単に「癒された」とか「めっちゃ笑った」とか、そういう受け取り方をしてもらいたいです。
白濱:コロナ禍だからかもしれませんが、楽しむことを忘れている人が多い気がします。だから自分を解放して本能的に生きてほしい。僕たちゆとり世代がどんどん世に出て行って日本を変えていかなくては、と感じているんですよ。そういう意味で「煩悩解放運動」が何かの旗印になる気もします。
ーー村田さんが奇才の先生ということで、お二人のコラボレーションは今後もあり得るんでしょうか。
白濱:絶対あると思います。実莉さんに僕の2nd写真集をディレクションしてもらったらすごい作品になる気がするんですよ。
村田:えええ(笑)。そういうのはやったことがないので面白いかもしれません。ぜひ、またご一緒したいです!
■リリース情報
PKCZ®「煩悩解放運動」
2021年8月23(月)配信リリース
ダウンロード/ストリーミングはこちら
WORDS:ALAN SHIRAHAMA /JAYʼED
MUSIC:XLll(シリー)/ JAYʼED
Art Work:村田実莉(ムラタ ミノリ)
Produced by PKCZ®