「GLAMOROUS」インタビュー
PKCZ®は、実験的で面白いことを提案するグループに VRでのDJイベント、白濱亜嵐の加入を語る
EXILE MAKIDAI・VERBAL・DJ DARUMA・白濱亜嵐による音楽ユニット PKCZ®が3月6日、オンラインイベント『PKCZ® VR ChamberZ』を開催した。この企画はPKCZ®のDJセットによるライブをアバターとなったメンバー4名と共にVR空間で体験するという初の試みである。当日は多くの参加者がVR空間やチャットに集合。企画は双方向的な盛り上がりを見せた。
この企画が終わったばかりのPKCZ®にインタビュー。話題はVRライブの感想や経緯、昨年の白濱亜嵐の加入、新曲「GLAMOROUS」についてなど多岐に渡った。さまざまな角度からの新しい取り組みで活動のギアを上げる、彼らの今の想いとは。(小池直也)
「世界各国の人が遊びに来てくれた」
ーー『PKCZ® VR ChamberZ』お疲れ様でした。興奮冷めやらぬと思いますが、まずはイベントの率直な感想を聞かせてください。
DJ DARUMA(以下、DARUMA):ここまでガッツリとVRの世界に入って表現したのは初めてだったので、新しい時代を感じます。夢と希望が溢れていましたね。
EXILE MAKIDAI(以下、MAKIDAI):自分たちのライブを映像で見たことはありましたが、VRの世界だと会場に自分たちも入りこめるじゃないですか。エンタテインメントとしての可能性にワクワクしました。
白濱亜嵐(以下、亜嵐):僕はゲームとしてのVRは体験したことがあったのですが、実際にコミュニケーションが取れる形で経験するのは初だったので新鮮でした。仮想現実ではあるのですが、そこもそこで別の現実なのかなという感覚で、いろいろなことに活かせそうな気がします。
VERBAL:個人的にモーションキャプチャースーツを持っていたんですけど、以前はライブ中のLEDにしか応用できなかったんです。でも、いよいよバーチャルとエンタテインメントがひとつになってきて「これはPKCZ®でやるしかないな」と。先ほどのイベント風景をSNSに上げたら、ニューヨークのDJから「私もVRでやってるからリンクしよう」とすぐDMが来たりして、また世界が広がりそうだなと思いますね。
ーーそもそもこのイベントが開催されたのは、どういう経緯でしたか。
VERBAL:昨年、亜嵐くんが新たに加入してくれたんですが、今のご時世でライブができないなと。でも「新しい見せ方をしていきたい」ということをEXILE HIROさんを含めて話していたら、バーチャルの話で盛り上がったんです。そうは言ってもハードルが高いなと思っていたんですが、そんなときに今回の企画を手伝ってくれた株式会社HIKKYの皆さんに出会ったんです。彼らはすでに『バーチャルマーケット』というイベントを主催していて、錚々たる会社が出展者・スポンサーになり“バーチャル東京”という仮想空間を作っているんです。PKCZ®も昨年の12月に開催された「バーチャルマーケット5」でブースを出させていただきました。その時は突貫工事でPKCZ®のDJ MIXが流れるブースを作っていただいたんですけど、すごい作業速度でHIKKYの皆さんの熱意を感じました。まだ実感はないですが、今日も「すごいことをしてしまったんだな」と思っています。
ーーイベント前に行われた『Club Emission LIVE Debut』で実際にバーチャル空間のお客さんに向けてDJをしてみた手ごたえは?
DARUMA:世界各国の人が遊びに来てくれましたからね。DJしながら見ていたら、決められた踊りではなく、ガンガンにブレイクダンスしてるお客さんがいて。どうやらVRで観てるその場で手足に装置を着けて本当に踊ってるっぽくて、自分のダンススキルをあんなところで魅せられるなんて本当に新しいなと。
MAKIDAI:音楽をかけてミックスするという感覚はリアルですが、VRの映像で見るとブースの周りの風景がこうなっているのかと驚きました。VRの世界に繋がれたことは大きな一歩だと感じています。
DARUMA:すでにVR空間の照明を調節することができるので、DJプレイが仮想空間でできるようになるのも時間の問題だと思いますよ。
亜嵐:僕のDJはMAKIさんとDARUMAさんの次だったので、おふたりの回している様子をVRで見ていました。それぞれのお気に入りのアバターでいろいろな人が見ていましたね。今はコロナでフェスやイベントができませんが、これが今後当たり前になっていくと思うので、それを体感しながらDJできたのは嬉しかったです。
「新しい世代の亜嵐が入ったことで幅が広がった」
ーー終演後にアバターでのミート&グリートもありました。なかなか興味深い光景でしたが、実際に体験してみていかがでした?
DARUMA:不思議な感覚でしたね。いつも通っているバーに集まって乾杯しているような。みんなでビールを持っているし、飲めそうな気がしました(笑)。
亜嵐:エアハグなのに照れているサボテンのアバターの方がいたんですよ(笑)。すごく乙女だなと。
MAKIDAI:VRの世界で写真を撮るのは新鮮でした。
亜嵐:僕も表情が反映されないのに満面の笑みでした。
ーーVR企画は今後も続くのでしょうか。
VERBAL:あの前室・待合室からPKCZ®のライブ会場に入っていく仮想世界は、PKCZ®のためだけに作っていただいたものなんです。なので毎月曲を出して、頻繁にそこでDJをしたりとか発表の場にできたらと思っていますよ。リスナーの方にも慣れてもらいたいですし、そのためにも僕たちが特攻隊長として続けていきたいですね。「ここなら緊急事態宣言でもここで会えるよ!」みたいな感じで。
ーーそれでは改めて、亜嵐さんが加入してからの活動についてお聞かせください。
MAKIDAI:世代として見るとVERBALくんやDARUMAさんとは聴いてきた音楽が違うので、亜嵐にはカセットテープに対しても違う角度からの捉え方があるんですよ。新しい世代の亜嵐が入ったことによって、アプローチの幅が広がったのは大きなことだと思います。
DARUMA:亜嵐が積極的に「○○やりましょうよ!」と年齢関係なくグイグイ引っ張ってくれるので、それは助けになっていますね。僕たちが届かなかった世代にPKCZ®を届けることができると思うので。
VERBAL:以前から2016年の『U・F・O ~ELECTRIC HALLOWEEN~ MIXed by PKCZ®』でもDJをしてもらったりしてたよね。
亜嵐:それが僕のDJデビューでした。
DARUMA:クラブミュージックがそもそも好きなんだよね。
亜嵐:20歳になって初めてクラブに連れていってもらったのはDARUMAさんです。HIROさんから「連れて行ってもらうならDARUMAと行け!」と。HARLEMなど渋谷の主要なクラブを1日で回りました。こういう世界もあるのかと勉強になりました。
ーーなるほど。
VERBAL:ファンの方にはEXILEやGENERATIONSの白濱亜嵐として知られているのですが、DJしたり打ち込みをしている彼を見せる場が少ないんです。彼としても別の表現をできるし、いつかは加入するのかなと思っていて、HIROさんも「亜嵐、入った方がいいんじゃない?」とおっしゃっていましたね。
亜嵐:EXILE TRIBEとして動くよりもフットワークが軽いし、挑戦的なこともやりやすいので楽しいですね。