ミュージカル『♯チャミ』インタビュー
剛力彩芽×Dream Ami×丘山晴己×石井一彰『♯チャミ』インタビュー 補い高め合う関係性ならではの“様々な初挑戦”
ミュージカル『♯チャミ』が9月9日より、東京・自由劇場で開幕する。本作は4年の開発期間を経て韓国で上演されたもので、内気な女の子 チャ・ミホがSNSで作り上げた架空の自分である「チャミ」がある日、目の前に現れるというストーリーだ。
台本と演出を務めるのは田尾下哲、そして主人公のミホ&チャミ役はともに本格ミュージカル初挑戦の剛力彩芽とDream AmiがW主演/Wキャスト。ストーリーだけでなく、ラップやロック、K-POPなど幅広い音楽を取り入れた楽曲も要注目となっており、どんな演技と歌が展開されるのか、期待が高まっている。
今回は、ただいま稽古の真っ只中の本作より、剛力とDream Ami、そしてミホが片想いする先輩 オ・ジニョク役で出演する丘山晴己と石井一彰にインタビュー。稽古場の雰囲気、作品や演じるキャラクターの印象、開幕に向けての意気込みなど話題は多岐に渡った。(小池直也)
ミホとチャミ、剛力とAmiの関係性は似ている
ーーいよいよ開幕が近づいて参りましたが、今の皆さんの心境はいかがですか。
剛力彩芽(以下、剛力):6月から歌のレッスンを受け始めて、その時は「まだ3カ月あるから余裕があるね」と話していましたが、思った以上のスピードで時間が経ちました。最初は不安もありましたが、今は楽しさの方が強いので、この気持ちのまま本番に臨みたいと思っています。
Dream Ami(以下、Ami):まだ完璧ではない部分もあるので、不安なところはありますが、キャストの皆さんが楽しい人ばかりで毎日の稽古も楽しいです。以前は稽古が休みになると喜ぶこともありましたが、今回の作品は稽古が休みだと残念に思うくらいで、すでに終わりの日が来るのが寂しいです(笑)。こんなことは今までにありませんでした。
丘山晴己(以下、丘山):舞台は生ものなので、このキャストで一緒に作り上げられるのが本当に嬉しいです。稽古の時点で良い化学反応がたくさん生まれていて、本番の舞台上ではもっと色々なものが出てくるんだろうなと楽しみですね。
石井一彰(以下、石井):本稽古では最初から最後まで通して行い、その後に細かく1シーンずつ確認しています。今のところ順調に進んでいて、演出の田尾下哲さんも僕らのやることを全部受け止めてくれる温かい方ですね。特に剛力さんとAmiさんは歌もダンスも比重が大きいのに、二人とも明るくて、現場の雰囲気がとても良いです。
ーー剛力さんとAmiさんは、Twitterのオフショットでも一緒に台本を見ながら稽古する様子が写っていました。W主演&Wキャストで演じることについて、改めていかがでしょう?
剛力:助け合えますね。一通り台本を通して全貌が見えてきてから、二人でよりいろんな話ができるようになってきた気がします。
Ami:確かに一度、全員で演じてみて「あの場面は、もっと〇〇かな?」と意見を交えやすくなりました。これからもっと細かく、お互いに相談し合えることもあるかなと感じています。リアルでも、お芝居のなかでも、関係性は今後も構築できそうですね。とにかく彩芽ちゃんはしっかり者なので心強い。
剛力:いえいえ、こちらも本番中にセリフが飛んだらAmiちゃんにこっそり教えてもらおうと思っているので(笑)。お互いのセリフを完全に理解しているので、そういうこともできてしまうんです。あとは私は歌が苦手なので、音程とかもAmiちゃんに聞いたりしています。
Ami:色々と聞いてくれるのは嬉しいです。つくづく今回、彩芽ちゃんと一緒で良かったと思ってます。私は演技に慣れていないので不安ですが、彩芽ちゃんは長年女優さんとして活躍しているので、お互いに不安な部分を補い合える関係性です。二人ともミュージカルに慣れていて何も問題がなかったら、また違う関係性になったかもしれません。
剛力:たしかに。ミュージカルは前からやりたかったのですが、歌わなければいけないのがネックで(笑)。歌手活動もしていたのですが、ハモったりするのが全然できなくて。Amiさんは本当に上手なので、甘えられるところは甘えていければ。
Ami:物語中のミホとチャミの関係も似ているんです。お互いにないものを持っていて、リンクするところがあるんですよね。
違う発想で刺激し合える丘山と石井
ーーなるほど。仲睦まじい感じは、お二人の雰囲気からも伝わってきます。
剛力:個人的な意見ですが、私とAmiちゃんも似ているところがあると思います。最初に会った時に、Amiちゃんが「人見知りです」と言っていたことに仲間意識を感じていて。
Ami:分かる。人見知りのジャンルもたくさんありますけど、その中でも特に似ているんです(笑)。
剛力:だからこそ仲良くなるタイミングをお互い探り合っていたのかも。
Ami:そのきっかけを作ってくださったのは男性陣でした。
ーー男性陣はいかがですか?
丘山:一彰さんとは10年前に初めて共演して以来、よく知ってます。頼りがいもあって面白いし勉強にもなるのですが、それ以上に一緒にいると自分のアイデアが倍になってしまうような感覚になるんです。僕とは違う発想で表現してくれるので。
石井:丘山君は見せ方が上手いんですよね。10年前に共演した時も出演者が多いなかでも目立っていました。きれいに演じることもできるし、面白くもできる。そういう時は悔しいなと思うので、僕も「次はもっとぶっ飛んだ感じでやってみよう」と(笑)。競っているわけではないのですが、お互いに刺激し合えるんです。あまりやりすぎると演出家に怒られると思いますが。
Ami:私からは、ジニョク役の二人は大喜利をしているように見えます。どちらかが笑えることをすると、一方が悔しがっている感じが面白い(笑)。
剛力:毎回毎回、全然違うジニョクになるんですよ。だから演じてる側も観ている側も楽しいんです。
石井:ハードルがめちゃくちゃ上がるな(笑)。