新譜連載「本日、フラゲ日!」
Sexy Zone、藍井エイル、アジカン、BALLISTIK BOYZ、milet……8月4日リリースより新譜5作をレビュー
毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は8月4日リリース作品より、Sexy Zone『夏のハイドレンジア』、藍井エイル『アトック』、BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE『SUM BABY』、ASIAN KUNG-FU GENERATION『エンパシー』、milet『Ordinary days』の5作品をピックアップした。(編集部)
2021年3月に発表した楽曲「RIGHT NEXT TO YOU」では、全編英語詞に加えて、UKガラージとディープハウスを一曲に落とし込んだことで音楽ファンの度肝を抜くなど、レーベル移籍後の快進撃が止まらないSexy Zone。初夏を越えて咲き続ける“紫陽花”をモチーフとした秦 基博作詞作曲の新曲「夏のハイドレンジア」は、メンバーが織りなす透明感と瑞々しさに満ちたハーモニーに、涼しげな夏の日に体を包む、どこか愛しい湿度を感じるような一曲だ。〈初めての恋が 初めての愛に 確かに変わっていく今〉という秦らしい何気ないパンチラインも、ミディアムバラードなこうした曲調でこそ、より一層に引き立つものだ。(一条)
2021年10月でデビュー10周年を迎える藍井エイルだが、彼女の歌声に対する感情の乗せ方は、また一段階上の次元に引き上げられたようだ。自身作詞の新曲「アトック」は、Bメロで響く焦燥感を描写したようなエフェクトが印象的な、切なくもソリッドなロックチューンに。楽曲タイトルは、“藍井エイル to 過去のカルマ”の“AtoK”をもじったもので、彼女自身の過去との“決別”を歌っている。藍井の活動や楽曲を長く追いかけてきたリスナーほどそれを強く実感できるだろう。心に宿る“生命力”を表現するボーカリストとして、彼女の右に出る存在はいないのでは。今回の「アトック」を少しでも聴けば、その点を特に感じられるだろう。(一条)
“全員が歌って踊る”をコンセプトにしたBALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE。海外での活動も視野に入れた彼らの4thシングルのリード曲「SUM BABY」(読み:サマーベイビー)は、タイトル通り、夏の雰囲気をたっぷり注ぎ込んだダンスチューンに仕上がっている。基調になっているのは、トロピカルハウス的なトラック。ラテン、EDM、ヒップホップなどの多彩なエッセンスを取り入れることで、リスナーを心地いいリラックスへと誘う。歌詞の主人公は、部屋のなかでまったり過ごしながら、なんとなく物足りなさを感じている男子。〈海岸線〉〈水着〉〈ココナッツの香り〉などのワードを散りばめながら、“理想の夏”を妄想するユニークなリリックも印象的だ。しなやかにビートを捉え、夏のムードを鮮やかに描き出す歌からは、メンバーの確かな成長が感じられる。(森)