島爺×沢城みゆき『終末のワルキューレ』特別対談 歌い手と声優、“声”を追求するプロフェッショナルな姿勢

島爺×沢城みゆき『終末のワルキューレ』対談

 Netflixで全世界独占配信中の人気アニメ『終末のワルキューレ』は、人類滅亡を決定した神々と、それを阻止するため人類から選抜された13人の代表闘士による、ラグナロク(神VS人類最終闘争)を描いたバトル作品だ。

アニメ「終末のワルキューレ」ノンクレジットED映像【歌詞付】/島爺「不可避」

 人類側を指揮するワルキューレ(戦乙女)の長姉ブリュンヒルデを沢城みゆきが演じ、突き抜けたハイテンションと罵詈雑言が話題。また、沢城も絶賛するエンディングテーマ「不可避」は、作品を表現した圧倒的な世界観と島爺のファルセットのボーカルが胸を打つ。『終末のワルキューレ』の魅力を牽引する2人の対談が実現。声を使う職業の二人だけあり、声優とアーティスト、それぞれの声にまつわる貴重な話を聞くことができた。(編集部)

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ブリュンヒルデは、グランドピアノを弾くように伸び伸びと

ブリュンヒルデ

ーー『終末のワルキューレ』は、原作が累計発行部数700万部突破の人気作で、Netflixの視聴ランキングでも常に上位にランクインしています。ブリュンヒルデを演じている沢城さんが感じる作品の魅力は?

沢城みゆき(以下、沢城):戦いが始まる時は、神側にも人類側にも親しみが無い状態で、例えばシヴァみたいにすごく嫌なやつ風に登場するキャラクターに対しては、全然応援する気になれないですよね。でもところどころでキャラクターの回想シーンが挟まれて、決着が付く頃には、どちらにも負けてほしくないと思ってしまっている自分がいます。回想シーンのことを「現代版日本昔ばなし」と言った友達もいましたけど(笑)。どのキャラクターに感情移入するかは個人差があると思いますけど、いずれにしても神側と人類側どちらのファンにもなってしまうのは、原作の魅力をすごく感じますね。

ーー沢城さんは、こういう勝つか死ぬかの勝負が繰り広げられるタイプの作品は以前にも?

沢城:以前もそういう作品に携わったことがあって、その時はテスト無しの即本番で収録したんです。人の生き死には1度きりということで、すさまじい緊張感の中で収録が行われました。『終末のワルキューレ』は、コロナ禍ということもあってバラバラの収録スタイルになりましたが、どの試合もお互いに「負けてなるものか」という熱量が、オンエアを見ても伝わって来ます。

アニメ「終末のワルキューレ」PV2 Another Side / Record of Ragnarok Official Trailer 2 Another Side

ーー島爺さんはご覧になっていかがでしたか?

島爺:僕は最初に原作を読ませていただいて、ものすごく引き込まれました。男の子が大好きな熱い展開もあるんですけど、その奥にすごく緻密で理知的なものを感じます。作画・原作・構成を別々の人が手がけられているからこそできることなのかなと、思ったりもしました。

ーー沢城さんが演じているブリュンヒルデは、すごく感情に起伏があるキャラです。役作りは難しかったですか?

沢城:息苦しさを感じないという点では、すごく全開でやれたので、私としてはやりやすかったです。普段演じるキャラクターは、1オクターブくらいの中で感情の起伏を作らないといけないことが多くて。そうじゃないと、アニメのキャラクターとして認識してもらえないところがあるんです。例えば怒ったりする時に1オクターブよりも下の音が出てしまうと、別人に聞こえてしまうんですね。だから普段はいかにその限られた鍵盤の中で……ピアニカで表現し切るかという勝負なのですが、今回のヒルデは、グランドピアノが置かれていて「さあお好きにどうぞ」という感じで、どんな音を出しても全然NGにならないし、むしろ「もっとやれ!」というところがあって、ものすごく伸び伸びとやらせていただきました。

ーー島爺さんは、沢城さんのブリュンヒルデについていかがですか?

島爺:もう、沢城さん以外誰がやれるんだ! っていうくらい、まさにハマリ役だったと思います。原作を読んでイメージしていたブリュンヒルデそのままだったので、何も言うことは無いです。

沢城:それなら良かったです!

ーーパンチのあるセリフもたくさん出て来ますね。

沢城:「ぶちのめす」とか「ぶちかます」といった言葉を、とても上品に、ハートが付くような感じで言う濃淡の付け方は面白かったです。それにヒルデは、個人でアクティングしているというよりは、いつも傍らにゲルという1番下の妹がいて、ゲルとの姉妹漫才的なところがあって。ゲル役の黒沢ともよちゃんとの呼吸感で、それぞれの魅力が増しているなと思います。

ゲル

ーー2人のバランスが絶妙です。黒沢さんとは一緒に録ったのですか?

沢城:1話、2話は一緒で。彼女もすごく、敬愛を込めて言わせていただくと“お芝居バカ”(笑)な女の子で、私がひと言終わるたびに「いや〜この役は沢城さん以外にできる人いるんですかね?」とか、「今のセリフはめちゃめちゃグッときました」とか、公私共に盛り上げてくれました。この作品のゴングである「ビビッてるんですか?」というキャッチーなセリフがあるんですけど、1回録ったものの、ともよちゃんと相談して「もうちょっとやってもいいよね?」という感じになって、より挑発的な言い方にしました。彼女がいてくれて、本当にありがたかったです。

ーー島爺さんはエンディングテーマ「不可避」を担当されています。これまでの島爺さんの曲には無かったタイプの曲で、そこはチャレンジだったのではないかと思います。沢城さんは聴かれて、どんな印象ですか?

沢城:最高です!(着ている島爺Tシャツを見せる)

島爺:うおおお、ありがとうございます!!

沢城:すっかり大ファンです。大変失礼ながら、私は音楽にうといもので、今回島爺さんの歌を初めて聴かせていただいて、度肝を抜かれました。

ーー艶やかな声が印象的ですよね。

沢城:はい。バラード曲はあまり無いとうかがったのですが、「バラード最高じゃん! 何でもっとバラード歌わないの!」って、スタッフの方を捕まえて語っていたほどで。島爺さんの曲は、サウンドや歌詞だけでなく、歌声にも本当にアイデンティティが感じられます。……「不可避」に関しては、他の曲を歌っている時とは声の出し方というか、歌い方が全然違っていて、自分に置き換えると悪役をやる時に鳴らすようなところで歌っていらっしゃるような……そんな凄みすら感じました。

島爺:ありがとうございます。僕自身こういう曲調は初めてで、自分では作ったことの無いジャンルなんですけど、思いのほか上手くハマったなという感触はありました。

沢城:エンディングテーマだからバラードでというオーダーが、アニメ制作側からあったのですか?

島爺:監督からお話をいただいた時に、「ちょっとゆったりめのバラード調がいい」みたいなオーダーはいただいて。オープニングテーマがマキシマム ザ ホルモンさんに決まっていたので、オープニングはきっとすごいゴリゴリでくるだろうなと思ったし、トゲトゲとした感覚のままエンディングテーマに入るので、何かしらそれを受け止めるような、包容力のある感じがいいだろうとイメージして、こういう曲になりました。

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