声優 西山宏太朗、甘やかな歌声と切ない目線で恋愛を見つめる ぜったくん、高野寛ら参加の新作『Laundry』を聴いて

西山宏太朗『Laundry』初回生産限定盤

 暑さが増し、夏真っ盛りの7月21日、西山宏太朗の2ndミニアルバム『Laundry』がリリースされた。
『美男高校地球防衛部』シリーズや『A3!』、『アイドリッシュセブン』などのコンテンツに参加し、耳に残る癒し系の声色で人気の声優・西山宏太朗。アーティストデビュー作となった昨年10月リリースの1stミニアルバム『CITY』から、早くも2作目となる。

 夏ソングと聞くと、ついアッパーで明るいものを想像するが、このアルバムは真逆。「夏をさらにアツく!そして、とことんジメジメと過ごしましょう!」という西山のメッセージの通り(※1)、ジメっとした切ないラブソングを集めたミニアルバムになっている。

 1曲目を飾るエレクトロポップの「Highway cruise」は思いを寄せる“君”との夜のドライブの情景。君に気持ちを伝えたいが、伝えたら元の関係が終わってしまう。そんな臆病な葛藤が描かれている。

 「ラストランデブー」は、『CITY』の「真昼どきのステラ」から引き続きORESAMAのぽんが作詞に参加。晴れやかなイントロから始まるこの曲は、ぽんらしいドリーミーな歌詞と鮮やかなメロディで一見明るい曲のようだが、「ラストランデブー」というタイトルや、〈果てはもうわかってるけど〉という歌詞など、この先には繋がらない2人の関係を示唆している。続く高野寛が手がけた「消せない写真」も、去ってしまった“君”に思いを馳せる、ストレートで切ない失恋ソングだ。

西山宏太朗2ndミニアルバム『Laundry』~試聴動画~

 そこからから一転、「Lovin’You」は変化球。手がけたのは、ラッパー&トラックメイカーのぜったくんだ。柔らかなようでどこかドライな、ぜったくんらしさが詰まったこの曲。可愛らしくメロウな曲調でありながら、歌詞にはちくりと刺さる棘が仕込まれていて、〈大好きと言われたから好きだっただけなのに〉、〈自分からは言いたくはないよさよなら/だって責められたくはないから〉と、恋愛に対して斜に構えた、少しずるい人物像が浮かび上がってくる。西山のラップと、途中に挟まれたセリフパートなど、聴きどころの多い1曲だ。

 「サラダの日には」は、西山自身が作詞を担当している。西山は『CITY』でも作詞に挑戦しており、「タイムマシン」では、具体的な情景描写を入れることで、曲中の映像が浮かぶような詞を書いていた。その手腕は「サラダの日には」でも発揮されている。例えば、〈詰め替えたシャンプー〉や、〈よく晴れた日は靴紐結び〉など、聴いているだけで情景が浮かんでこないだろうか。生活の描写は具体的でありながら、親密なようでいて独特の距離感を持つ2人の関係性が描かれており、想像力を掻き立てられる1曲に仕上がっている。

 同曲の作編曲は、ハロー!プロジェクトの楽曲を数多く手がけている星部ショウが担当していることもポイントだ。ファンならよく知る通り、西山自身が大のハロプロ好きであることから、一種の「夢のコラボ」とも言えるだろう。



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