『The 2nd Life -第二の選択-』インタビュー
THE ALFEE、“新たな生き方を見つける”という姿勢 「生きていれば何度でもやり直しはできる」
THE ALFEEがガロの音楽に惹かれた理由
ーー2曲目「光と影のRegret」は、高見沢さんがメインで歌っています。ロマンティックな情景やノスタルジーを見事に表現されていると感じましたが、この曲はどのように制作しましたか。
高見沢:この曲は僕らの先輩であり、お世話になったガロのサウンドを継承しました。なのでエレクトリック系の楽器は一切なしで、アコースティックギターとストリングス、コーラスだけですね。僕らはガロのライブで前座をやっていましたし、公私に渡ってメンバーの大野真澄さんにはお世話になってきましたから。そういうことも含め、ガロのサウンドを継承していきたいという気持ちがあり、ノスタルジックなサウンドにしてみました。
ーーガロを意識して作ることは、バンド全体に共有されていたんですね。
坂崎:高見沢から指示がありました。ガロは、高校生のときに3人ともハマっていて、よくコピーしていたバンドですから。当時、コピーをしてもなかなか本家のサウンドに辿りつけないなと思っていたんですけど、10年前くらいに堀内護さんと同じギターを買ったんです。
ーーちなみにどんなギターですか?
坂崎:マーチンのD-45です。僕のは1968年に作られたもので、68年と69年に作られたものは音が別格なんです。Crosby, Stills, Nash & Youngのアルバム『4 Way Street』のジャケットに写っているマーチンがその2年間のうちに作られた4本なんですけど、それと同じ音を出したいと思って。クロスビーはガロも憧れたアーティストでもあるので、このギターでやるしかないと改めて研究しました。
ーーガロサウンドの肝はなんだとお考えですか。
坂崎:ガロサウンドの肝は、やはりギターソロのビブラートと独特なフレーズです。それを再現したいと思って、チューニングを少し下げました。これが見事にはまりまして、自分で言うのもなんですけどお見事!
高見沢:ガロはかまやつひろしさんのバックバンドもやっていたんです。その後に僕らもかまやつさんのバックバンドをやったので、そういう意味では非常に近い、ムッシュファミリーの系譜でもあります。ガロはなんといってもサウンドがおしゃれだったんです。当時のフォークブームの中でも、いわゆるフォークという感じではなかった。僕は当時ロックが好きでしたが、ガロだけは聴いていました。最初は野音(日比谷野外音楽堂)で観たんですけど、すごく衝撃的でしたね。それからよく観るようになって、いざ僕らがデビューしたら事務所の先輩にガロがいてビックリしました。不思議な縁がありましたね。
坂崎:ガロファンとしては「学生街の喫茶店」はあまりにも異質だったんですよ。僕らはそれまでのガロサウンドやハーモニーに憧れてコピーしていたんだけど、あの曲に対する印象はちょっと違っていた。ただ、ヒットしましたし、今でもガロといえば「学生街の喫茶店」ではあるんですけど、当時のガロファンはたぶん僕らと同じ気持ちで。僕らは今回、本来のガロサウンドを再現しようと思ったんです。
ーー歌詞には追憶の中の恋が描かれているように感じましたが、着想はどのようなところにあるのでしょうか。
高見沢:もちろん僕も失恋や恋愛における様々な経験をしてきましたが、この曲に関しては個人的なものというよりも、客観性のなかにあるひとつのノスタルジーですね。誰しもに当てはまる恋愛の形というか。
ーー客観的であるからこそ、ロマンチックに振り切れるのかもしれません。
高見沢:僕らがデビューした頃はどちらかというとリアルで叙情的な歌が流行っていたんですよ。当時はそういう歌を作ってほしいとよく言われたんですけど、僕にはできなかったですよね。
坂崎:もっと生活感のある歌が流行っていたね。
高見沢:僕らはそこから少し距離があって、そういう意味でも、どちらかというとガロに近かった。当時、ガロの詞はあまりにも幻想的であったり、現実離れしていると言われていたんです。でも、それがサウンドやコーラスとマッチしていた。ただ当時はそれがシングルとしてヒットする土壌がなかったんですよ。だから音楽好きの僕らみたいな連中が、本当にガロかっこいいよなって言ってたんですけどね。
ーー「光と影のRegret」から伝わるのも、リアルな生活感とは違いますね。どこか幻想的でロマンチックでもある。
高見沢:僕らの高校時代はフランス映画が流行っていて、年上の人に憧れる恋心を表した歌やストーリーも人気があったんです。そこで描かれていた淡い恋心や、達成できなかった恋のイメージが、今回の歌にはありますね。
ーー桜井さんは、ガロに対してどんな思い入れがありますか?
桜井:僕ももともとガロのコピーをしていて、坂崎と出会った初日もそれこそガロの歌でハモったりしました。当時、音楽が好きでギターを弾いて歌える奴らは大体ハマっていたように思います。
坂崎:今でも自分のラジオ番組でよくガロの曲をかけているんですけど、「学生街の喫茶店」ではない曲もリスナーからの反応がいいんです。大好きなグループだからこそ、もっと多くの人に知ってほしいなと思いますね。
高見沢:プロの世界に入って一番身近に感じていたアーティストがガロでしたからね。ツアーにも付いて行って、前座で先にガロの曲を演奏してね。
坂崎:ひどい前座だよね(笑)。
桜井:緞帳が上がってくるときにガロの曲をやるから、観客が一瞬だけ「わー!」っと盛り上がってね。緞帳が上がり切ったら、「あれは一体誰だ?」みたいな顔してるわけ。
高見沢:それで僕らは「ガロジュニア・スペシャルです」とか言って。当時はそんなことばっかりやってたな。
坂崎:あの頃は「ジャニーズジュニア・スペシャル」か「ガロジュニア・スペシャル」。
高見沢:流石にあとで怒られましたよ。
坂崎:それはやめとけってね。
「正しい選択とは自分が選んだ道」
ーー今回のシングルに収められている新曲2曲に共通するテーマとして感じたのは“人生の選択”でした。何かを選択する際のポジティブな感情や後悔の心情が、今作の軸にあると。
高見沢:まさに人生は選択の連続ですよね。ある岐路に立ったとき、必ず何かを選ばなければいけない。進学するとき、就職するとき、あるいは伴侶を選ぶとき……すべて選択しながら生きているんですよね。でもその選択が正しいのか・間違いなのかはわからない。ただ、正しい選択とは自分が選んだ道だと思うんです。だからみなさんには自分が選んだ道を信じてほしいと思います。僕らがミュージシャンとしてやってきたことも、決して間違っていたとは思っていません。誰しも失敗したと思うことはあると思うけど、結論から考えたらそれでよかったんだといつでも僕は思いたい。生きていれば何度でもやり直しはできる、と。
ーー高見沢さんは、人生を振り返ってみて「あの選択は大きかったな」と思うことはありますか?
高見沢:それはやっぱりTHE ALFEEに入った選択ですよ。坂崎に誘われたときは迷いもありましたが、やっぱり入ってよかったと思います。あの選択がなければ、学校の先生になってましたからね。そうしたら今頃は定年で、本当に第二の人生を考えていたのかな。
ーーでは、坂崎さんにとって大きな選択は。
坂崎:選択する瞬間は、「まあいいか」ぐらいな気持ちですが、後で考えると全部大きな選択だったと思います。例えば、高校3年生の頃に銀座の山野楽器に行かなければ桜井と出会うこもなかったですし、受験で明治学院大学を選んでいなければ、高見沢とバンドを組むこともなかったわけで。ただ、当時の感覚としては選択というよりも自然な流れでコンフィデンスに入り、そこからコンテストに出て小室等さんと出会い、レコードが出ることになったという感じで。意識的に左か右かを選んできたのではなく、来るべくしてここにたどり着いたという感覚に近いですね。
桜井:俺も選択するようなことはなかったですね。そのときに風が強く吹く方に行っちゃっただけで。二人が俺のいるバンドに入ったという言い方をしてますが、俺が何かを決めた訳ではなくて、気がついたらいたんですよ。二人が入ったことを最初は知らなかったですからね。
ーー自然と引き合った、運命みたいなものですかね。
桜井:そうかもしれませんね。
ーー8月25日には『Come on! ALFEE!! Special THE ALFEE 生誕祭!みんなで祝おう47回目の夏!』の配信が行われます。横浜アリーナで予定されていた公演が残念ながら無観客ライブ配信となりましたが、どんな気持ちで臨まれますか?
高見沢:有観客で行うつもりでいたので、とても残念ではあります。でも、緊急事態宣言下で予定通りにライブをする選択肢は僕らの中にはなかった。それに去年はホールでの配信ライブでしたが、今回は横浜アリーナで、夏のイベントというスケール感はそのままに表現できると思います。セットもまったく縮小していないので、そこは楽しみにしていて欲しいです。
ーーセットがそのままなのは楽しみですね。
高見沢:だから皆さんたくさんの方に見てもらわないと困ります(笑)。
坂崎:困ります。
桜井:あんなでっかいの借りちゃったんだから(笑)。
■リリース
『The 2nd Life -第二の選択-』
2021年7月28日(水)発売
【通常盤】価格¥1,100(tax in)
M-1 The 2nd Life -第二の選択-
M-2 光と影のRegret
M-3 My Truth(俺たちの武道館 2020 Live Ver.)
M-4 The 2nd Life -第二の選択- (Instrumental)
CD封入特典その1 初回プレス分のみフォトカードDデザイン
CD封入特典その2 「The 2nd Life -第二の選択-」発売記念応募キャンペーン共通応募券
【初回限定盤A】価格¥1,100(tax in)
M-1 The 2nd Life -第二の選択-
M-2 光と影のRegret
M-3 Dark Side Meditation(俺たちの武道館 2020 Live Ver.)
M-4 The 2nd Life -第二の選択- (Instrumental)
CD封入特典その1 初回プレス分のみフォトカードAデザイン
CD封入特典その2 「The 2nd Life -第二の選択-」発売記念応募キャンペーン共通応募券
【初回限定盤B】価格¥1,100 (tax in)
M-1 The 2nd Life -第二の選択-
M-2 光と影のRegret
M-3 雨(俺たちの武道館 2020 Live Ver.)
M-4 The 2nd Life -第二の選択- (Instrumental)
CD封入特典その1 初回プレス分のみフォトカードBデザイン
CD封入特典その2 「The 2nd Life -第二の選択-」発売記念応募キャンペーン共通応募券
【初回限定盤C】価格¥1,100(tax in)
M-1 The 2nd Life -第二の選択-
M-2 光と影のRegret
M-3 黄昏に瞳を閉じて(俺たちの武道館 2020 Live Ver.)
M-4 The 2nd Life -第二の選択- (Instrumental)
CD封入特典その1 初回プレス分のみフォトカードCデザイン
CD封入特典その2 「The 2nd Life -第二の選択-」発売記念応募キャンペーン共通応募券
(初回プレス分のみ/4形態共通)【共通応募券】1枚封入
各商品に封入されているチラシの「共通応募券」2枚を1口として、以下の3つの中からご希望のコースを選んでご応募ください。
<「The 2nd Life -第二の選択-」発売記念応募キャンペーン>
A賞:The 2nd Life -第二の選択-ロゴ入り「Tシャツ」を抽選で70名様へプレゼント
B賞:The 2nd Life -第二の選択-ロゴ入り「コンビニエコバッグ」を抽選で70名様へプレゼント
C賞:The 2nd Life -第二の選択-ロゴ入り「真空断熱タンブラー」を抽選で70名様へプレゼント
■イベント情報
『Come on! ALFEE!! Special THE ALFEE 生誕祭!みんなで祝おう47回目の夏!』
8月25日(水)20:00配信開始
(見逃し配信:8月26日(木)10:00~8月30日(月)18:00)
視聴券:4,000円
チケットデリ・Thumvaにて配信
詳細はこちら
THE ALFEEオフィシャルHP:http://www.alfee.com/
ユニバーサル ミュージック THE ALFEE オフィシャルHP:http://www.universal-music.co.jp/the-alfee/